後輩を一生懸命教えている人へ(美容師として)
毎日たくさんのお客様がご来店くださって、一人一人のお客様のお話を聞き、悩みを聞き、相談され、施術をして、スタッフに指示して、喜んでお帰りいただけるヘアスタイルを提供する・・これが美容師の一人のお客様に対して行うこと。
美容師はオールマイティーな仕事を要求されます。「接客業だよね〜」と思って人当たりの良さが大事なのかな?とか、「やっぱり技術力です!」と、技術の上手い下手が大事!と思う人もいると思います。しかしもう一つ大事なのは指導力。
美容の仕事は1年もすれば後輩の指導に当たります。それは美容師の仕事はモノを売る仕事ではなく、技術を売る仕事なので、人材育成は非常に大事な仕事の一つになります。
毎日遅くまでアシスタントに技術を教えている先輩から、「何度も言っているのに同じことを間違える」「昨日はできたのにもう忘れている」と言う話をよく聞きます。うん、うん、その気持ち、私もわかります。一生懸命指導している人ほど、陥りやすいこの言葉。教えているからこそ、可愛い後輩が、また目の前で失敗した時に思わず「なんでできないの」って、なっちゃいますよね、わかるわかる。
「なんでできないの」と思う気持ちから「どうしてそうしたのか」と言うように思いを変換してみるのはどうでしょうか?接客にも人材育成にも必要なものに「共感力」があるのですが、それはただ「わかるわかる」って言葉で言うことではなく、なぜ?どうして?そうしたのか、そう考えたのか?に、寄り添えることが美容師の私が思う共感力だと思います。
どうしてそうやったのか?と聞くと、何も考えていませんでした。と言う返事をする人もいます。しかし、何も考えないで何かをするって事は無い。何も考えない「考え」でやっているんだと思う。それは考えることをストップしてしまっている「何か」があるんだと私は思います。それは、本人の体調なのか、忙しさなのか、忘れたのか、理解していないことだったのか、必ず理由があると思います。
そこまでに到達するように話して、教えて、指導していくことが、お互いのためになる気がします。一生懸命教えている人は、ぜひその深い共感力を磨くことで、色々な場面に自分の周りに優しい空気を産むことができるのではないか?と、私は考えます。