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応援することの難しさ

真鯛 a.k.a. 橋みそに
の文章です。

※ちょっと重いかも。調子悪い人は気を付けて。
※私も書いた後、色々思い出してちょっと息がしんどくなりました。そんなもん投稿するな。

……

2021年くらいだったかな。旧Twitterをやめた理由は沢山あるが、その一つに、発表した一次創作同人漫画の感想が複数人から(一人複数回のことも)、DMに届くという状況があった。

通俗的に考えれば大変嬉しい事態だし、感想が欲しくても貰えない人々からは「なんと贅沢な!」と怒りを買うかも知れない。

私だって感想を書いて貰えること自体は嬉しい。

問題は、私自身のネガティブ・ツイートに対して作品の応援が来るのだ。
そもそもネガティブ・ツイートをするなと言う話かも知れないが、あの頃の私はまだ、今通院しているナイス精神科にマッチング出来ていない、非常に調子の悪い状態だった。

頻繁にツイートするタイプでは無かったし、あの頃のツイートはドラマの感想がメインになっていたが、そんな中、ぽろっとこぼしたネガティブ・ツイートに複数人から自分が過去に作った漫画の感想がDMに届く。重くて長い文章が多かった。

感想くれって言った時より、ネガティブ・ツイートした時の方が作品の感想来やすいのもキツいものがあった。感想用の箱を用意したのに、そっちはあんまり使ってくれなかったね(ちゃんとそっち使ってくれた人、ありがとうね)。

漫画を生み出さない私には価値が無いんだな、という気持ちがどんどん増幅していく。

昔の作品ばかり褒めるね。分かるよ。今の私の作品はまるで駄目だもんね。

みんな褒めてくれるけど、私の作品はお金にならないんだ。編集者は誰も私を雇ってくれないんだよ。

それにその頃出した最新作のイラスト本は一冊も売れてないよ。あなたたちも買ってくれていないよね。

「あなたの作品に救われたんです」
そうか、良かったね。私は泥沼にいるよ。

拙作『ってきみが言ったから』を読んだリア友に泣きながら言われた「みそにちゃんにはもっと苦しみながら漫画描いて欲しい」…。

別の友達はイラストレーターとしてキャリアを積んでいく。
また別の友達は画家としてキャリアを積んでいく。

私は…?
私は…。

誰にも悪意は無い。分かっている。
伝えられたすべての感想がキツかったわけでもない。

でも、私の精神の調子の悪さは、いくら私の作品を褒められても治らない。人は人を物理的にしか救えない。今なら分かるが、薬しか私の脳に走る電気信号と神経伝達物質を支えられない。

ツイートするのが怖い。
ツイートするのが怖い。 
ツイートするのが怖い!!!

もう何も描けない。

コロナ禍に突入し、TLの雰囲気もトゲトゲしい。恐らくこの世に別れを告げてしまったフォロワーもいた。限界が来た。当時作品倉庫にしてたブログの運営会社が変なとこに変わるらしい。全部消しちゃおう。Twitterからも消えちゃおう。インスタグラムも消しちゃおう。
描くの自体をやめたいわけじゃないから、BOOTHだけは残そう。

調子の良くなった今なら、もう少し上手く対応出来ただろう。
“橋みそにの作品だから”買うのではなく、橋みそにから買いたい作品をきちんと選ぶ姿勢は、今はむしろ好ましい。
プロのクリエイターになることが必ずしも正解ではないとも気付いた。
でもあの時は違った。

当時この気持ちをツイートしようかとも思ったが、作品の感想についての話はセンシティブなのだ。こんなことを表明したら炎上する可能性がある。そんなことになったら私は死んでしまったかも知れない。

他者がそれぞれ、画面の向こうでどんな思いでいるのか分からない。どんな人生を歩んでいるのか、何に喜んでいるのか、何に悩んでいるのか。

画面に映るそれは、その人の一部でしかない。

応援に苦しめられた経験があるから、私は他者を応援することもためらってしまうようになった。

それからは、読んで欲しいと頼まれた知り合いの作品は読んで、求められればアドバイスをしたり、感想を伝えたり。エッセイだったり、小説だったり、漫画だったり。

インスタグラムだけ再作成したり、Threadsやってみたり。

そんな日々を経て、ナイス精神科に通うようになって、

私も最近は、好きなYouTubeチャンネルのコメント欄にコメントを書いたり、好きなネット連載の漫画にコメントを送ったりするようになった。投げ銭などの課金もちょこちょこしている。

コメントが欲しそうな人、反応が欲しそうな人、あるいは必要そうな人、送っても大丈夫そうな人…にはやれる範囲で(無理はしない!)、コメントや反応をするようにしている。相手に合わせて、なるべく適切な文章になるように考える。簡単では無いのだけど。

“愛されたいならそう言おうぜ
思ってるだけじゃ伝わらないね”

これに尽きるな。米津よ。


“聞こえてんなら声出していこうぜ”

……

ちなみにあの頃熱烈なDMをくれた人々は、Twitterアカウントを消した後はもう着いて来ていない。

もしかして、私から分からないだけでこれ見てるかな。

おーい。

謝ったりしなくて良いよ。色々タイミングが悪かっただけだから。

それに多分、あなたの謝罪は重いから。

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