ノルウェイの森 映画

2023年2月に原作を読んだ直後に映画を鑑賞した。
原作は2004年出版。 映画上映は2010年。

原作を読む事で頭の中に描かれる映像や世界観よりも、
映画作品を観た事で、より病んだ世界観を感じた。

様々なサイトで映画レビューが多く投稿されており、
評価は3を割っており、低いという印象だった。
確かに、映画を観ていても原作が長編なので
映画化する際に尺的に端折る部分が必要である
のだろうと感じるのだが。
それでも、映画の後半が少し雑な印象を受けた。

原作にはない直子の「あなたの存在が、私を苦しめるのよ」
と言い、ワタナベが直子を抱きしめて、宥め沈めるシーン。
あそこは原作にはないシーンで、違和感を覚えた。映画でそこを足す事により、直子の闇を強調したい意思があったのだろうか。あのシーンが加わる事で、直子が死を選びワタナベが
寝袋で放浪し、泣くシーンも大袈裟に感じ違和感を強めた。

レイコさんの描写も雑と感じた。
ワタナベとレイコさんが、直子の死を受け入れて、
生を選んだ覚悟や、葛藤。
直子の暗かったお葬式を二人で明るくやり直し、
互いに必要に感じて体を求め合ったとても大切な
シーンも原作とはかけ離れていてとても雑に描かれていた。

素人には分からない、事情があるのだろうが、
映画の尺を伸ばしてでも、大切な部分を端折らず
作品化してほしかった。
端折っていないその他のシーンは
映像化することにより、より闇深く感じ
より恐怖を感じたから。

原作を読んだ方からしたら、レビューの通り
賛否は分かれる作品だが、
ノルウェイの森という長編原作を形にして
素晴らしい映像と感じる部分が多くあるシーンは
とても感動した。
一部の疑問さえなければ、もっと高評価で
あったのだろうと感じる。

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