#5『片付けられない理由』
さて、前回は、社長が社員さんの異変に気付き、その社員さんの人生が変わるほど
の出来事を会社ぐるみで解決した結果、社員さんの事故がまったく無くなったという
(ものすごい端折り方しましたが(笑))お話をしました。
そして№3ではその次は実はそういう人格の形成には食事が大きくかかわっている
という話をしますと予告をしました。
しかし、その前にもう一つどうしてもお話ししたいことがありました。
私は最近、非行少年と発達障害(以前少しだけふれました)、発達障害と食事の
関係や、偏った食事からくるうつ病やアレルギー他免疫の低下に伴う様々な病気
(がん、脳疾患、心疾患等)について勉強をしているうちに自律神経というものに
たどり着きました。
自律神経とは交感神経と副交感神経というやつです。
わかりやすく表現すると交感神経はクルマでいうとアクセル。
副交感神経はブレーキの役目だそうです。
どちらかが高くてもダメ。バランスが大事ということです。
起きているときは体にアクセルを踏み込ませて興奮させないといろんなことが
できません。でも寝るときに興奮していては眠れませんから副交感神経を高めて
ブレーキをかけていくわけです。
しかし、これは人間の感情でものすごく左右される非常に繊細、かつ、
やっかいなもので、これが乱れることにより様々な病気になっていきます。
これはもちろん食事や睡眠も強烈に関係することなのですが、
とても気になる話を見つけたので今回はこれを皆さんにお伝えしようと思います。
今私が夢中で読んでいるもので、
順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏の「不摂生でも病気にならない人の習慣」
という本があります。
この先生は、病気や仕事のストレス、効率、人間関係、そういうものをすべて
自律神経という観点からなぜそうなるのかという仕組みを説明するお医者さん
なのですが、アスリートや各団体にパフォーマンス向上の指導も行っています。
もちろん、食事や睡眠についてもいろいろ書かれているのですが他に私の目を惹いた
ワードが『悪習慣をどうやってリカバリーするか』というテーマの中の
『片付け』の記事でした。(やっと本題です。前置き長くてすみません。)
彼が言うには、最近の片付けブーム、断捨離の本がバカ売れ等の昨今、
自律神経の専門家からみて「片付け」を欲するのは理にかなっている、
なぜならば「デスク回りが乱れている」「部屋が汚い」「片付けるのが面倒」
という感情は実は「小さな怒り」なのですと言います。
そしてたとえ小さくても「怒り」というものはあなたの自律神経をむしばんで
いくのです、と言っています。
そこで彼は1日15分の片づけを勧めます。
(要は簡単なところから、ストレスにならないように)やりましょう。
どこでもいい。それがパソコンの中の情報整理でもいい。と。
片付けに1日15分集中する、
(ただし集中力の高い午前中はもったいないので午後のどこかで息抜きがてら)
なんだそうです。
そこで片付けに集中していると自律神経が整ってくる、と言います。
逆を言うと自律神経が乱れているときは片付けをするといいのだそうです。
(ストレスになるほどやらなくてもよく短時間で済ませるのがおすすめです。)
私も仕事の部屋はもう手が付けられないほど書類が山積みになっていて、
結局発作的に何年に一回かは断捨離をするのですが、これは反省しました。
1日15分をやってみようと思います。
しかし、自身の部屋では本当によく片付けをしています。
土日などはなにかしらをいつも整理したりまとめたり収納したりぱたぱたと
動いていたりします。
ところが、なぜか片付けをしたくないときがあります。
どういうときか。それはやはり精神的に落ちているときです。
逆にそういうときに15分の習慣をつけておくことで自分の精神のバランスを
はかっていくことになるし、大切なことなのだと理解しました。
先日お話ししたドライバーのBさんも然りです。
そんな借金地獄の中で、部屋の片付けや整理整頓ができている方がおかしい
ですよね。
今目の前にいるドライバーさんたちの車両の中を見て、
きちんと整理されている方はいいのですが、ときどき、驚くほど汚い車両を
見かけたりします。それは、きっと、気持ちの中も混沌としているのだろうと
推測します。
そういう人にはやはり1日15分の整理整頓する習慣がつくまでしっかりと
つき合ってあげることが必要ではないかと思います。
ただただ、やれ、と言うのではなく、一緒にやってみせて、
考えてあげるということが大事ではありませんか。
できるようになるまでつき合ってあげる。
今、しつけも会社でやらなければいけない時代のような気がします。
山本五十六の言葉にもありますね。やってみせ、と。
いろんな親や環境の中で大人になってきて、見かけは大人だけれども
中身は子供のまま、という人がいっぱいいます。
挨拶から教えなければならない、くつの履き揃えから指導しなければ
ならないことありませんか。
それを嘆くのではなく、家族と思い、できるようになるまで愛情を持って
根気強く言い続けることが管理職には必要なのではないかと思っています。
この小林先生はこの片付けの記事の中で最後に、ランナーズハイ、
ヘルパーズハイについてもお話ししています。なぜか。
家族がいる人は「自分以外の誰かのために、片付けをする」ということも
心身を整える方法の一つという話からです。
人助け、人に親切にすると95%の人が「気分がよかった」、
80%の人が「プラスの感情が何時間(何日)も続いた」と回答しています。
「ヘルパーズハイ」とはつまり、自分以外の誰かのために行動すると
満足感や幸福感が得られるということで、それってどういう言ことかというと、
人助けをすると人間は脳内に「オキシトシン」というホルモンが分泌されること
で幸福感を得られるということなのだそうです。不思議ですね。
またそれと同時に「β-エンドルフィン」という物質が脳内に分泌されることも
わかっているようでこれが俗にいう「脳内モルヒネ」です。
ランナーズハイはまさにこの状態ですね。
何を言いたいかというと、「あいつのせいで…」とイライラするよりも
「あの人のために…」と行動した方が周囲もあなたもハッピーで過ごせる、
つまり、精神衛生上、あなたの体のためにもいいですよ、という結論でした。
結果、人助けすることにより、自分の体がよくなるなんてすばらしいことですよね。
ぎすぎすした人間関係はご自身がお作りになっていることの方が多いようですが、
自身が変われば周りも変わりますもんね。怒りからは何も生まれません。
あなたの体をむしばんでいくだけなのです。
だから、お互い様、ありがとうと思いながら、助け合って生きていきたいものです。
そして、人の上に立つ人間ほど、人格者でなければいけないと思っています。
それが上司の仕事だとさえ、思っています。
尊敬する上司の言うことならみんな黙ってついていきますもんね。
そう見ていると、本当に仕事のできる人間は、そして私が尊敬する経営者の方々は、
頭も腰も低い方がほとんどです。感情には流されない、けれども、愛情は深い。
そんな人間目指して、私もまた明日から頑張ります。
皆さんもどうか、感情からお身体を害さないように。
今日も長文お付き合いありがとうございました。
行政書士佐々木ひとみ