意気込みなのかそうでないのか
えーと、ご無沙汰しております。
だいぶ色々な物をすっぽかしてしまいましたが、この通り自分は元気です。
元気なんですが、仕事面がエグくて疲労が抜けきらない期間が長かった事と、家の周りでも色々用事をこなしていたのでどうしても野球の方は後回しになっていたのでした。
で、気がつけばもう開幕まで残り7日を切っている訳です。あっという間でしたねぇ。もう春ですか…
自分は前々からこの2024年を節目と位置づけて活動すると話していますが、この理由と今年の意気込みをざっと書いていこうと思います。
・私生活がだいぶ変わってきました
やる事が増えた、といえばそうなんですが…現在の日本の経済は持ち直しているとは言われますがあくまでも大企業ベースの話であり、中小零細企業は変わらず苦境が続いています。で、私の仕事での業界はあまり多くは言えませんが現在の時代の潮流の中では中々生き残りが難しい部類のものでして、業態の転換が迫られています。
話し合いもありましたが、どうもその転換の時代における工場を支える役が自分になりそうなのです。
今まではいち社員として色々と機械をいじりながら提案したり、時には修理やメンテを時間かけてでもやったり、配管を修理改造して(切断もねじ切りも出来ます)生産の効率化や無駄の低減などを行ってきましたが、今後は管理的な業務も担う可能性が出てきます。こうなると仕事に本腰を入れざるを得ず、野球の方で本格的な活動というのは中々厳しい物になってきます。
立場の向上はありがたいのですが、いつまでもそこにはいられないのだなぁ、そしてその時が近いのか…と複雑な胸中です。なんだかこのリーグにいる選手と同じですね。監督コーチトレーナースタッフも上の人もみんな同様に悩んでいるんだろうなぁ。。。
・思い描いていた球団の姿に相当近いところまで来ている
自分は「群馬ダイヤモンドペガサス」を応援し始めて今年で10年目になります。派遣投手の今井君がきっかけで接点を持ちましたが、当時の球団は強いのはまぁ確かにそうなんですが、こう言っては難ですが他の人に紹介するにはちょっと気が引けてしまったのは実際の所でした。選手管理の過酷さもありますが、選手とファンの距離に天と地ほどの格差があり、近い人は本当に近いですがその人が独り占めしちゃうような感じで、新しいファンが入っていける余地はありませんでした。まぁ自分の様な「俺は俺だから」とずけずけカテゴリに入っていけるような天然(言い方…w)ならいいんですけど、県内の一般人向けに選手をプロデュースする中で、特定のファンが既得権益を得てしまうような状況では幻滅させて離れさせてしまうだけだろう、と思いました。選手側に非はないのですが、コアなファンがそうやってずけずけ近付いていけば邪険には出来ず対応せざるを得ませんし、そういうのは外側から見てどうなんだろうなぁと…
ただその当時はプロ野球球団としても色々な部分が整備されておらず、距離感よりもまずは環境整備と広報からやらんと話にならねぇと思って関わりを始めていきました。
優勝出来るからいい球団という評価軸は自分はあまり快く思っておらず、強さでしか第一印象を持たれなかったペガサスを悔しく思っていました。もっとこう、広い意味で認識されるような球団に変えていかなければ、この強さが無くなった時に何も残らなくなる…という危機感はありました。でもまぁ2014年はじめ当時のメンバーの方々は今でもいい思い出に残っているのも事実で、駆け出しから若い自分がそこに入れたのは嬉しかったです。そこは本当に感謝しています。
働きかけを続けて時には対立もあった中で2024年まで来ましたが、昨年2023年は順位こそ地区で最下位に沈んでしまったのですが球団の在り方としては大きな手応えを掴んだ年でもありました。
未開催地域への開拓、リトルシニアの設立、球場整備、小学生向け野球イベントの複数開催、ふれあいキャッチボールの復活、試合中継の確立、練習拠点の拡充寄贈、ファン向けの現地体験イベントの復活、他カテゴリとの連携、eスポーツへの進出、中学連合であるペガサスJrの躍進、トレーナーによる鍼灸接骨院(+ジム)の開設、OBのコーチ招聘…
試合ではない所ばかりですが、地域のプロ野球球団としてどうあるべきか、地域内外のお客さんや他球団含むファンに対して平等に存在できて気軽に接してもらえる環境をどう作るのか、この点ではかなり自分の当時考えていたものに近いところまできました。開幕戦やファン感謝デーでの盛況を見て、初めて「これだ…!」と思えました。神奈川から来たファンの方にも雰囲気の良さと気軽さを評価されて、あぁ信じて行動してきた事は間違っていなかったんだな…ってベンチの奥で少し涙が出たのは内緒です。
集客にも現れていて、飛び抜けた動員数は無いのですが各試合における動員数が一定の水準を維持し続けたのでトータルの動員数は全球団の中でも比較的多い物になりました。
あとは結果だけだったのですが、鈴木さんと岡村さんが退任になってしまったのは唯一の心残りとなりました。勝ちたかったですね…
・答えが出たと言うことは、使命の終わりが近付いている
同時に、この球団の姿を見られたと言うことは自分のやりたかった事はほぼ無くなってきている事を意味するので、ちょうど仕事の方も佳境を迎えている中でいい潮時なのかな…と思ってしまったのです。要は一線からは退くべきという「壁に書かれた文字」が見えてきたという事です。肩の荷が降りたというか、もう自分がやらなくてもここまで来れば他のみんなでやっていけるだろうな…って勝手な話ですが。まぁでも野球観戦自体を取り上げたら拠り所がないので、アイドルを卒業して普通の女の子に戻るみたいな話になりますが、今年のシーズン終了を以て一般のいちファンに戻ります、という感じですかね。
NPBでは昇華できなかったこの境地までに至らせてくれた球団の方々や過去の選手の方々には本当に感謝に堪えません。時には喧嘩もしたり色々な事を言ってしまったと思いますが、願いを叶えてくれて本当にありがとうという気持ちです。
・スポーツとは何なのか
プロ野球における命題としても自分は強くなることだけが目的とは思っておらず、それだけを求めたプロ野球はひとたび強さが破綻したらたちまち終わってしまうだろうと考えています。結果だけで評価される生き方は、評価されなくなったら何も残りません。しかもその生き方は受けるものであって、誰かに何かを与えるものではない…
永続的に続くには何を求めればいいのか…自分はカテゴリの上昇とかではなくスポーツそのものの定義にこれを求めました。そもそもスポーツとは何なのか?合同誌でも「スポーツは国民の物であり、一部のエリートの物ではない」と位置づけましたが、具体的な所までは中々言語化できずにいました。
その中でスピードスケートの小平奈緒さん(実は同年代です…)が引退しまして、その引退後の活動の中で発していた言葉の数々が言語化できずにいた事の内容に非常に近かったので、あぁこれだ、自分はこのためのプロ野球を目指していたんだ…と納得出来ました。
今挙げたのは一部なんですが、他にも王者になったからと言って全員で称え合えない五輪に悲しさを憶え、自分が王者になった時には他の選手に寄り添っていったりとか、思い描いていた所に近い内容がありました。
「スポーツとは身体を動かすこと、すなわち生きること」
「人生や暮らしを彩る」
「生涯を通して心身の健康に与する」
「人との関係を円滑にする」
「出来なかった事を少しでも出来る様にする」
「努力した苦しみと達成した喜びを共有し、称え合う」
試合を観るだけではもう満足出来ない境地にありますが、自分の様なファンも含めて身体を動かす事で得られる物があるはずだと、そして世の中には思うように身体を動かせない人もいるし心が疲れてしまっている人もいるけど、その野球場の時間においてはみんなで楽しめるような、嬉しいような、生を実感できる、生きていてよかったなと思えるような、それは試合の勝ちもそうではあるんですけど、それ以外でも己がそこにいてもよく、他の方々と何かを出来るような…
そういう空間を野球に作ることが、自分の考えるプロ野球なのかなって思いました。これは人によって答えが違うので自分は自分の答えを出したに過ぎないのですが、前述の通り答えが出たと言うことは今まで二十数年間追いかけていた長い長い旅ももう終着点に来ている、ということを認識するのに時間はかかりませんでした。
・では今年はどうするか
そりゃまあシーズンはシーズンですから試合の勝利は求めていきます。勝たなくていい球団はありませんからね。リーグの目標でもあるNPB輩出も当然目指します。でももう自分はそれだけでは満足出来なくて、内外のイベントでみんなが楽しめるような、そんな空間になるちょっとしたお手伝いが出来ればいいなと思っています。
仕事面が忙しいことと今年は日程が中々合わないので城南に行ける日は多くないと思いますが、表で張ってきたのも今年で最後ということで、色々な方に挨拶が出来ればいいなと思います。動画撮影も中継の拡充でいらなくなりましたし、球場内外のイベントもあればどんどん楽しみたいですね。選手との関わりもありますし、そういった中でスポーツを体現した一つの姿を見せてシーズンが終わって、その時に頂点に立てていれば嬉しいですけどね。まぁみんな優勝するなんて言いますけど立てるのは一球団だけですから簡単ではないんですけど、せめて悔いはなくいきたいものです。
あ、心配されていた左脚のアキレス腱ですが、痛みは殆ど無くなりまして、今年は動けると思います。まぁあまりにも歩きすぎると痛みが出ることはありますが、無理ない範囲なら力も入ります。今年はやれます。ご安心下さい。ほんとここまで来れたのは一人の力では無かったのでトレーナーの加藤君はじめ整形外科で数ヶ月も粘り強く治療をし続けてくれた方々にも感謝しています。
・ファームリーグに関する見解
群馬球団は糸井会長が参入する意思が無いと明言していますが、自分はこの姿勢に乗っています。決してファームが嫌いなわけではないのですが、例えばファームリーグで上手くいかなかったという未来もあるわけでして、そういった時に帰れる場所がないのはまずいのです。
なのでファームリーグに行く世界線と、BCリーグに残る世界線の二つに分かれて、それぞれが理想の姿を追い求めていければ、片方が倒れたときにも総倒れにはならずに済む…自分はこう考えました。
とはいえ残る世界線の中でどうやって生きるか?というのは実際考えればシビアです。果してNPBを目指さない世界線の「もう一つのプロ野球」にお客さんが来てくれるのか…でもみんなやるべき事はやってきたとも思っていますし、無名の選手を強化してプロデュースする使命も変わらずありますし、居られる世界もあるんだというのを示していって地域はじめ世間から理解され立場を得ることが出来ればそれも一つの在り方になるんだろうと信じて、微力ながら力を貸していこうと思います。
今年も一年、よろしくお願いします。