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ネタの出し方を見直したら引き出しが増えた話

10月上旬、「なんかリリースしたいからなんか作るか」と思い立って、11月下旬にワンコインで遊べるホラーゲームをリリースした。

宣伝ポストが(自分としては)プチバズったからか、リリースから3週間ちょっとだけど、おかげさまで想定よりも多くの方々に遊んでいただいている。皆さん、本当にありがとうございます。大感謝。

リポスト数が「444」だった瞬間を捉えたスクショ。不吉なので家宝にした。


ゲームシナリオや小説のネタ出しにはあまり困ったことがない。その分、他の工程でひいひい言っているけど。

ネタの出し方をいくつか持っているからだと思う。「Aパターンだとなにも思いつかないからBパターンでネタ出しするか」とか、「この前はCパターンで思いついたネタでシナリオを書いたから今回はDパターンで考えよう」とか。ひとつの方法にこだわらずに切り替えているので、ネタ出しには悩まないでいるのかもしれない。ネタ出しには……。

でも、今回リリースしたホラーゲームは、いつも通り、いずれかの方法から発想しようとして、やめた。理由は単純で、既存のネタの出し方に飽きた。ただ、それだけ。必要にかられたわけじゃない。それなのに、よせばいいのに、普段はわりと気楽に取り掛かれている『ネタ出し』という工程を見直すことにした。得意なことで苦しむ必要はないのに。毎度、後工程で「もう楽にしてくれ!!」と叫び続ける地獄を味わっているのに。

で、どうするべ、と考えたときに、「天使のナイフ」で江戸川乱歩賞を受賞した薬丸岳さんの言葉をぼんやりと思い出した。「自分(薬丸さん自身)は情景描写が苦手なので、街に繰り出して写真をたくさん撮って、1枚1枚文章で情景を描写する練習を行いました」と確か仰っていた。

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(メチャ面白いのでハードカバー持っているけど文庫本も欲しい。)

薬丸さんの言葉をヒントに…というと聞こえはいいが、「薬丸さんの練習方法そのままやろうとしても、三日坊主で終わるわ」とどこまでも飽き性な己を見越して、街に繰り出して写真をたくさん撮って、(←ここまでは薬丸さんベース)写真をもとに1本のゲームを作ることにした。(←練習を端折って本番にして、飽きが来るのを防ぐ小狡さ)

ちょっと前に一眼レフカメラも買っていたし。それにせっかく時間と手間をかけて写真撮影するんだ。初めから練習じゃなくて、ぶっつけ本番でいくほうがいい…なんかたぶんいい…。

そんなこんなで約1か月の制作期間で、ホラーゲームを一本作った。

結果、大成功だった。ゲームがめちゃくちゃ売れたとかフォロワーさんがめちゃくちゃ増えたとかバズ的な意味の大成功じゃない。(フォロワーさんは若干増えましたが。)もともと得意なことで、だからこそ、この工程でこれ以上の成長は見込めないだろうと勝手に決めていた天井が吹っ飛んで、引き出しがひとつ増えた!という意味の大成功。

撮影自体も楽しかったし、数百枚撮った写真から20数枚を選んで物語を考えることがめ~~~~ちゃくちゃ楽しかった!ピンボケ写真すらも「ホラゲならありじゃね?」と深夜の作業部屋で一人、ニヤニヤしながら加工し続けた。ホラーを作る時、自身もまたホラーに呑まれていくのだ…。

薬丸さんは苦手なことを得意なことにする方法を編み出されていたが、得意なことをその枠の中で広げていくこともできるんだなぁと知った話でした。


今回作ったホラーゲーム。

動画撮影のときに茂みに潜っていたら、犬を連れたおじさんに見つかり、ハチャメチャに驚かれた。


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