【文献紹介】大学陸上選手のコントロールテストを考える
どうも、トレーナーの阪本です。
久々に文献を読んだのでレビューを。YouTubeをはじめ、これにほとんどの時間を費やしていました。ちゃんとインプットもしないとですね、、、
まさすけチャンネル
よかったら覗いてください。
今回は、陸上競技選手のコントロールテストについて調べました。
大学生陸上競技選手における体力特性と競技力の関係に関する一考察(田中悠士郎)を読ませてもらいました。
あくまでも私の解釈であり、また、この文献のみは何かを言い切るものではありません。
コントロールテストとは
特別な機械を使わずに行えるフィールドテスト(場合によっては使います。この文献では使用なし)で、トレーニングの成果を確認するために実施するもの。年間ピリオダイゼーションの中で、競技によって実施頻度も違いますが、トレーニング効果の判定に、有効です。
この文献の内容
流通経済大学陸上競技部の学生34名(短距離16名、中距離1名、跳躍4名、混成6名)を対象とした調査。コントロールテストの結果と、競技力に関係性はあるかを調べたもの。
→対象の性別不明。それぞれのN数が少なく、また、競技レベルも不明。
テスト種目は、30m走、60m走、1000m走、立ち幅跳び、立五段跳び、砲丸フロント投げ、砲丸バック投げの7種目。
→柔軟性要素なし。筋力を測る測定もなし。
コントロールテストは、冬季トレーニング前の移行期に実施した。
→測定は年間を通して1回のみ。競技種目によって、シーズンも違うので、種目差が大きく出そう。
30m及び60m;ストブロ使用。それぞれの距離を各1回測定。ストップウォッチで測定。
→ストップウォッチはかなり検者間誤差が出る。
1000m;ストップウォッチで計測。測定は1回。
立ち幅;2回実施し、距離の遠い方を採用。
立五段跳;片足交互にホップし、5歩目で着地する。2回実施。
砲丸フロント;7.26kgの砲丸を両手で前方へ投げる。2回実施し、距離の遠い方を採用。
砲丸バック;7.26kgの砲丸を両手で、後屈する要領で後方へ投げる。2回実施し、遠い方を採用。
→男女とも同じ重さである可能性あり
結果
30m、60mに相関関係がみられた。しかし、今回の対象が短距離選手が多かったことも影響していると推測されるがこれまでの先行研究と同様の結果がみられた。とのこと。
立ち幅跳びや立五段も相関関係がみられた。これも先行研究と同様の結果。とのこと。
砲丸に関しては、共に相関関係がみられなかった。これに関しては、普段の練習で3〜6kgのメディシンボールを使用しているが、今回の砲丸の方が重かったため、この重さに慣れていないと言うことも影響しているか。
→?テストのための練習?メディシンボールトレーニングの内容が具体的に書かれていないため、同じにするのは難しい。下肢〜体幹〜上肢と全身的な運動連鎖に問題があるかも。
1000mに関しても、相関関係なし。
→ほとんどが短距離ですしね。
これを読んで
コントロールテストに関しては、どのチームも課題の一つ。
また、機会を使用しないケースでは、タイムにばらつきや再現性が低くなる。
種目の選択も疑問があるが、研究としては面白い。
専門別で、内容を変えるのもありですね。
?が多く出る文献は、個人的に好きです。色々と考えさせられるので。