【ランナーとシンスプリント】論文から読み解く"6つ"の危険因子とは
どうも、さかもとです。
おかげさまで、あまり更新できていない YouTubeチャンネルの
登録者もポツポツと増えてきており
こうなったら1000人目指して頑張ろうと思っています。
登録がまだの方、ぜひお願い致します。
さて、今回はランナーが抱える悩みのトップレベルでもある
シンスプリントについて、↓の論文を参考に書いていきます。
正しくは、シンスプリントを含む
内側脛骨ストレス症候群(MTSS)という表現となりますが
わかりやすくシンスプリントのことだと思って
読み進めてください。
今回の論文は
システマティックレビュー及びメタ・アナリシスとなります。
シンスプリントの危険因子とは!?が、わかり
予防や改善のお役に立てるかと思います。
危険因子「6つ」はこれ!
結論から。
これらは、MTSSと統計的に有意な関連性があるとのことです。
そうやんなー、思うものもあれば
えっ!!そうなん!?と思うものまで。
BMIの増加、ランニング経験の少なさ、女性、既往歴
については割愛し
インソールの使用経験、舟状骨の下降の掘り下げと
個人的に気になった背屈制限との関連について
書いていきます。
インソールの使用経験が問題!?
インソールの使用歴は
MTSS発症の極めて有意な危険因子である
と記されています。
※装具の材料、デザイン、および矯正の性質は、今回の分析に使用した論文には明記されていない模様
なぜ、インソールが危険因子となるのか
①装具に衝撃緩和効果がある場合
脛骨に十分な負荷がかからず
十分な適応が行われない可能性があること
②メタ分析に含まれる参加者の少なくとも25%が
MTSSを発症する前に装具を処方されていた
これらにおいて
インソールの使用がMTSSの危険因子となっている
要因とのことです。
シンスプリント→インソール処方
の場合だと、①に当てはまる可能性もあり
既往歴というもう一つの危険因子も合わさり
繰り返す?可能性があるかもしれません。
ただ、単純にインソールがNGとは言えなく
インソールに頼った改善の期待が良くない
と、解釈しています。
あくまでも、走り方も含めた
トレーニングの介入が必要だと
考えています。
舟状骨の下降
4つの論文で舟状骨落下試験についての検討が。
このテストは、距骨下部の
ニュートラルスタンスポジション(おそらく立位)
における舟状結節の高さと
リラックススタンス(おそらく座位または非荷重位)
における舟状結節の高さの差を測定するテストです。
4論文のうち3論文は足を肩幅に開いて
舟状結節ドロップを測定し
1論文はタンデムスタンスポジションで
測定が行われています。
メタ解析の結果
舟状骨下垂の大きさはMTSSのリスク上昇と
関連することが示された。
舟状突起の落差が10mmを超えるものは
そうでないものに比べてMTSSを発症する確率が
1.99倍高い(RR 1.99, 95% CI 1.00-3.96, P=0.05)
また、メタ分析では、舟状突起の落差が大きいほど
MTSSのリスクが高まることが示されています。
下腿筋や背屈制限は関係ない!?
ある大規模な研究(50脚)では
MTSSの痛みが発生する脛骨内側縁には
「筋膜の付着がほとんどないことがわかっている」
とされています。
また、背屈可動域とMTSSとの有意な関係も
認められなかったとのこと。
ということは
背屈可動域の拡大、それに付随する下腿筋のストレッチは
果たして有効なアプローチなのか考えさせられます。
またこれらは、原因ではなく
症状の影響である可能性が高いとのこと。
個人的に、この結果には驚きで
シンスプリント=背屈制限
というイメージすらありました。
最後に
今回は、ランナーとシンスプリントの危険因子について
まとめました。
こういった因子を知っているだけでも
予防・改善の大きな一歩になり得ると考えています。
ランナー自身が知識を身につけて
怪我の少ない選手になりましょう!