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ガラクタの肩に乗りたかった話



今年で10回目を迎えた、
”アストルティアプリンセスコンテスト”


ドワーフらしさを求めて早5年。
私の中ではドワーフ市民帽がドワーフの象徴かなと考え、帽子を被り続けています。今年も類に漏れず被りました!

もう帽子が本体かもしれない



カラーはガタラの町並みなどを参考に、

グリーン系:フォレスト、エメラルド
ブルー系:アクアマリン、スカイブルー
パープル系:ポイズン、アメジスト
オレンジ系:こがね、カフェオレ、だいだい

辺りをよく用いています。
ドワーフをイメージする色は?と聞いた時にこの辺のカラーがあげられたという理由からです。

アスコンの作風としては悲しいお話よりも明るいお話が好まれる傾向にある気がしていて、昨年から作風の方向転換をしました。



”ウルベア魔神兵に乗りたい!”

今年の作品を作るにあたっての動機はこれのみ。「ウルベア魔神兵に乗りたいので乗りました」で出来上がった作品がコチラになります。


舞台は緑豊かなガタラ大森林。
「ウルベアの王女」が、「ガラクタ」という愛称で呼ばれるウルベア魔神兵の肩に乗り、冒険をしている様子を描きました。

ロボットの肩に乗る

ロボットの肩や手に乗るシーンは、様々な作品で描写されています。有名なもので言えばジブリ映画の『天空の城ラピュタ』、ウルトラマンなど。どれもロマン溢れる作品です。

ウルベア魔神兵もガタラの外伝クエストにて、ビャン・ダオが魔神兵の中から出て来たことから、中に入ることが出来るロボットである事が分かります。(棺の役割もしていたそうですし)

この事から、(肩乗りや手乗り等をするドワーフもいるだろうな)そう考えました。小難しいことを言っていますが、ビャン君をみて私も乗りたい!ってなっただけです。ロマン!


さっそく乗ってみよう!

ガラクタに乗って(初期案1)

ガラクタを階段の途中に仮設置して、まずはしぐさ探しから。しぐさ「おしりペンペン」で腰掛けている様子が撮れました。片足だけ何処かでっぱり等に掛けている感じです。
ガラクタと王女の視線もバッチリで、冒険感が出て好き。おしりペンペンは本当に便利。

ガラクタに乗って初期案2

こちらはしぐさ「じゃんけんグー」の最初。
チョキでもパーでも大丈夫。
優しい笑顔で手を添えている感じが出て、これはコレでいい。未来を見据える感じもしていい。

ガラクタに乗って初期案3
ガラクタに乗って初期案4

目線が欲しくなり、呼びかけているような仕草も探しました。
案3はしぐさ「かわいがる」の最初。
案4はしぐさ「花束をおくる」の最初。
どちらも呼びかけている感じが出てとても良い。



目線の在り方

私は、写真に於いて「目線」はとても重要な役割を果たす項目の1つだと考えています。合わせるか、外すのか。作風によっても変わります。

目線が合う写真は見る側の印象に残りやすい傾向にあるので、多くの人の目に留まりやすいという意味でアスコンにはもってこいだと思っています。

「どうしたんだい?」

目線を合わせた案の中ではこの写真が1番好きでした!屈んだガラクタの上から声をかけている様子が臨場感もあり、物語の始まりを感じてワクワクしました。


ですが、

ガラクタに乗って初期案5

目線外しはエモいんです。よきかな···!
写真全体の雰囲気を高めてくれ、世界観をより膨らませた写真にしてくれます。ファンタジー向けですね。

世界観の一部としてしょうがなく切り取ってはいるけれど、1枚の中に留めるのではなく、切り取った世界観からイメージが広がっていく。私はこの様な印象を受ける作品のことを動きのある作品とよく呼んでいます。



背景はどうすれば良いか?

ウルベア魔神兵に乗れるようになったので、次は背景を考えていきました。背景次第で画角は限られてくるなぁとなったのです。

背の高いロボットからの景色はどの様なものなのか、様々なロボット作品やファンタジー作品を見てやはりまずは空だろうと。


個人的に今年はハイアングルの写真を撮りたかったので、初期案5の構図を目指していました。ハイアングルは「可愛い!」と思わせやすいアングルなので...!

ガラクタに乗って初期案5

ガラクタの置く場所を変えながら、ウルベアの背後に空が映る画角...。これが見当たらない。マイタウンだとしても高さが足りません。擬似的な空を作ることも考えましたが、やはりしっくりくるものは有りませんでした。



ハイアングルを諦めて撮ったのがこの写真。

ガラクタに乗ってA案1

取れた瞬間、
(あ”ぁ...///可愛いッッッ////)
と悶絶した1枚です。

しぐさは「見つけた!」のグッと屈む手前の所です。この頬っぺをくっつける様はガラクタが好き過ぎる。仲良しさん...!ガラクタも満更でない感じがします。

(でもシンプル過ぎやしないか...?)

そう悩み、夫に助言を求めると、
「最初から見てるから乗ってるって事がまぁ分かるけど、初めて見た人がみんな乗ってると思うかどうかは際どい。」

そう言われた事から、背景を使って、より乗ってる感を出していくことになりました。
でも良くない?この1枚。大好きな1枚です。


ガラクタに乗ってA案2

A案をブラッシュアップしたのがこちら。
山の高いところには霧や雲がかかっているので、それを表現するために、虹のプラネタリウムで筋状の雲を追加しました。

ラピュタでは、心優しいロボットの肩に鳥が何羽かとまっていたので、小さいですが追加してみました(写真のどこかに青い鳥がいます。)

また、ニコニコ笑顔からガラクタに掴まって景色を楽しんでいる表情にしてみました。画角外に広がる風景を想起して貰う意味も含めて、目線は外すことにしました。ガラクタの視線も同じ方向にし、一緒に冒険してる感を出しています。


うん!いい写真!

だけど......足りない。
プリンセス感が足りない...。



プリンセス感ってなんですか?

6年目ですがいまだに分かりません。
改めて「プリンセス」という言葉を調べると、プリンセスコンテストとミスコンテストは同義のようなので、アスコンはアストルティアで今年1番輝いているキャラクターコンテストという認識になるのではないかと思いました。お姫様を選ぶコンテストじゃ無かったのか...!?

原状ドレスを着たキラキラの作品が多いので、やはりプリンセスと聞くと、シンデレラや白雪姫などのお姫様としてのプリンセスがイメージとして先行するのかなと思いますし、私も今の今までお姫様を決めるコンテストなのかなと思っていました。
実際はどんな解釈が合っているんでしょうか?
これだ!っていう解釈がある人教えてください。

ですがお姫様じゃないにしろ、普段着を撮るような場所でも無いのかもしれない───。王女とガラクタを撮りたかったという事もあり、思い切ってドレスアップも王族っぽく変更することにしました。


ガラクタに乗ってB案1

ドラクエ10のドワーフは東洋系の文化をモチーフにしているそうなので、東洋の民族衣装なども見ながらのドレスアップ。

(王族だし、高価な服を身につけているだろう)

そう考えてウルベア硬貨の様なジャラジャラが付いたドレスアップに変更してみました。手には太陽の石がはめ込まれたブレスレットをしています。ドレスアップを変えただけでもより世界観が整ってきたなという印象を受けました。

よりガラクタに乗ってる(この辺りは掴まってる)感を出すためにも腰から下も写すことに。
そしてドレスアップと合わせて、さすがに小さ過ぎた鳥をついてくんにしてより分かりやすくしました。




”風の表し方”

初期案の時から、ガラクタが風をきって歩いている様な効果をつけたいと常に思っていましたが、風の表現にはとても悩みました。

初めはワープクリスタルで丁度とろの足の辺りに風が吹いている表現をしようとしていました。しかしワープクリスタルのエフェクトは下から斜め上に向かって回っており、イメージとしては吹き降ろす風でしたので泣く泣くボツに。

他の風の表現方法としては、
・髪がたなびく
・服が揺れる
・木の葉が舞う

が思いついたので、まず実現可能な所でさくらのフレームを使い花びらを舞わすことにしました。

花びらが舞ったので、季節感の統一を出すために背景に桜の木も加えました。華やかさとちょっとしたアクセントがついたかなと思っています。あとやっぱりピンクって女の子の色という認識を持ちやすいのかなって。


ガラクタに乗ってB案2


そして偶然にも同じ仕草で違う印象を受ける1枚が撮れました。少し早めにシャッターを切った際に花びらを掴もうと手を伸ばしている様な切り取りが出来ました。

よくよく見ると風で髪の毛も少したなびいているように見えるな...?しかも片手がかなり良い感じにガラクタを掴んでる....!!
なかなかにシビアなタイミングではありますが、ポーズはこれで決定。後はついてくんと遠景の空の色やトンビとポーズとが良い感じになる様に撮るだけです。(結果的にトンビは諦めた)




そして応募したのがこちらの作品。

ガラクタに乗って(2023)

春を探しに行こう
さあ、君の肩に乗せて

君はホント背が高いんだね
鳥になった気分なんだわ

ガラクタを愛した、ウルベアの姫と
姫を愛した、心優しいガラクタ
2人の頬を花びらが撫でていく

ドシン、ドシン、ドシン───。



偶然にも鳥が飛んできたタイミングと、とろの視線がピッタリと合い、飛んでいく鳥に手を伸ばしている様な1枚になりました。

応募後フォロワーさんから、
「鳥と話しているなんてプリンセスみたい!」と言われ、あぁ確かに!と思いました。ディズニープリンセスはよく小鳥や動物と話しているもんね。


この静止画から私が感じて欲しい動きは、

・ドシン、ドシンというガラクタの足音
・ガラクタの肩から伝わる振動
・春の暖かい風と花びらが頬を撫でる感覚
・暖かい春の日差し
・ガラクタの周りを鳥達が飛び交っている様子

これらの1つでも感じて貰えていたらとても嬉しいなぁと思います。動きのある作品を撮り、それを見て感じてもらえる。最高の生きがいです。




ウルベア魔神兵


ガタラのストーリーボスとして初登場したウルベア魔神兵。その後もドワーフのストーリーには様々な形で登場しています。

リウ老師によって人々を助けるために作られたウルベア魔神兵。大きな荷物を運んだり、工事を手伝ったり──。きっとドワーフの側で様々に活躍していたのではないかと推測します。

しかし、グルヤンラシュによって戦闘兵器として量産され、ガテリアとウルベアの戦いでは猛威を振るうという恐ろしい面も持ち合わせていました。

王女がガラクタと呼んでいるのは、昔戦闘用として使われていた魔神兵が役目を終え廃棄される直前で、王女に拾われたから。そんな裏設定が私の中にあります。



ドワーフと豊かな自然

「ドワーフ達が昔、欲のために壊した自然は戻ってこない」と砂漠となった土地をみて語られるストーリーシーンがあります。

昔穴蔵に住んでいたドワーフ。ビャンくんも自然を大事に生きると決めるシーンがあったりと、ドワーフと緑豊かな自然は意外と関係が深いのかなと私は思っています。

ドワチャッカ大陸に住むドワーフ達の願い、憧れである緑豊かな土地。今回はそんなドワーフ達のいつか見た夢の果ての物語を表現出来れば良いな、そんな思いもありました。こんなストーリーがあったんじゃないかと。


優しい一面と恐ろしい一面の2つの顔を持つウルベア魔神兵と、1人の優しいウルベアの王女。そんな2人のハートフルストーリー。

沢山の好きを伝えてくださった皆さん、
ありがとーんございました!

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