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マギカロギア 捕縛論

※この記事は2024年4月13~14日に開催された『魔道書大戦RPGマギカロギア非公式webオンリー 電脳魔道書市-scroll3-』にて運営スペースで公開されたコラムに修正を加えて再公開したものです。

はじめにお願い

この記事は【捕縛】が好きなだけの一般マギカロギアプレイヤーが書いた記事です。

【捕縛】を効率的に強く運用するために個人的に意識していることを言語化したものですが、TRPGの遊び方は人それぞれです。フレーバーを重視して特技や魔法を選ぶことも楽しみの一つ。一緒に遊ぶ他の人にこの考えを強要することはおやめください。
また【捕縛】の強みについて例を上げて解説していますが、実際の裁定はセッション中のGMの判断によります。あなたと一緒に遊んでいるGMの判断に従ってください。

この記事の内容は『基本ルールブック』および『黄昏選書』を所持している環境を前提としています。マギカロギアのセッションを5回くらい遊んで、いろんな魔法使いやエネミーのデータを見て、「マギカロギアのことちょっとずつ分かってきた!」という人向けです。もちろんそれ以上の熟練の魔法使いさんにとっても面白い記事になっていたらいいなと思っています。


【捕縛】のここが強い!

みなさん、【捕縛】は好きですか? 筆者は大好きです。
【捕縛】ってこういうところが最高ですよね。

・相手の呪文の効果を無効化できる

基本中の基本ですが、相手のしてくることを封じられる効果は強いですよね。
同種の効果は【破呪】や【解放】などがありますが、それぞれ使用できるタイミングやコストなどが異なります。
【捕縛】はコストが比較的軽く、かつ使用できる機会が多いのが特徴です。

・相手が抵抗できない

【捕縛】の目標は「自分」。つまり相手に抵抗判定を行わせず、呪文の判定に成功さえすれば効果がかならず発動します。

・立会人のときも使用できる

【捕縛】は自分が立会人のときも使用できる呪文です。
分科会の他の仲間が代表で戦っている時、立会人は防御プロットを1つ置くことができます。逆に言えば、それしかできません。
もっと代表で戦う仲間のために力を貸してあげたい。そんなサポーター思考の方には特におすすめの魔法です。
またエネミーが【消耗】を持っているために代表が《魂の特技》を使用しにくい場面などでも輝きます。

・魔法戦中に【魔力】を回復できる

魔法戦中に【魔力】を回復する手段はかなり限られています。
そんな中で魔法戦中に、しかも立会人でも【魔力】を回復できる貴重な手段のうちの一つが【捕縛】です。
また【魔力】を回復することを見越せば【捕縛】の判定に《魂の特技》を使用してもお釣りが帰ってきます。

・抵抗判定へのマイナス補正を打ち消せる

【捕縛】の判定は抵抗判定ではなく、呪文の指定特技の判定です。
ですので相手の【書刑】などによる抵抗判定へのマイナス補正や、呪句による抵抗判定マイナス補正、世界法則「抵抗阻害」などが全て無意味になります。

・呪文の判定へのプラス補正を上乗せできる

【捕縛】の判定は呪文の判定ですので、【圧唱】などのプラス補正が適用されます。
ただし、世界法則「呪文阻害」がある場合は逆に不利になるのでご注意を。

・【キャスト】で自動成功にできる

ほんとバカじゃないか……?(褒め言葉です)
自分が代表のときはエネミーの蔵書を見てから抵抗する特技に合わせた【キャスト】付き元型を「霊化」してしまえばエネミーのメインウエポンを完封できる可能性すらあります。
運用の際は元型が消滅・破壊されないようにご注意ください。

・複数を目標にする呪文にも強い ※要GM確認

【火球】や【爆撃】などの複数の目標をとる呪文の場合、その目標のうちの1キャラクターが【捕縛】に成功すれば「その呪文を無効化」できます。つまり、他の目標への被害も「なかったこと」にできるはずです。
※判定の順番などによって、呪文効果の無効化は時間を遡れないと判断するGMもいるかと思います。その場合は今一緒に遊んでいるGMの指示に従ってください。


【捕縛】を活躍させるには特技の取り方を意識しよう

ここまでお読みの方は既に【捕縛】の可能性に打ち震え、早く【捕縛】を実戦で使いたくてうずうずしているのではないでしょうか?
ここからは【捕縛】を使用したキャラクターシートを作成する際に筆者が意識している特技の取り方について紹介します。

【捕縛】を使用するキャラクターに重要な要素、それは特技です。
前述の通り【捕縛】は《魂の特技》を使用することで全ての特技からの判定値を6にすることができ、かつ成功すれば《魂の特技》の使用により減った【魔力】以上に回復できます。ですがもし【魔力】の1点でも温存したいギリギリの魔法戦だったら……? 世界法則に「単一理想」があったり、エネミーが【消耗】を持っていたら……? 判定値6にさらにマイナス補正を上乗せされたら……?
そんなとき最後に信じられるのは、自分の特技表の特技たちです。

・分科会の他の仲間が抵抗しづらい特技を取ろう

【捕縛】は立会人からも使用できる魔法です。分科会の他の仲間が代表に立ち、自分は立会人から【捕縛】でフォローする、という動きも想定されます。なので【捕縛】持ちのキャラクターは分科会の特技を見た上でみんなが持っていない特技を取るようにすると、自然と活躍の機会が増えます。
この時、「分科会のみんなが目標値6で抵抗できない特技=《魂の特技》で【魔力】を消費する可能性がある特技」を基準に自分の特技を選ぶのがおすすめです。

・自分を含めた分科会が受けると困る魔法の特技を取ろう

元型を中心に戦う魔法使いなら【交易】や【支配】をされると嫌ですよね。
高コストの強い召喚や呪文を使う魔法使いなら【写本】をされると嫌ですよね。
【死線】で戦おうとしている魔法使いなら【魔睡】をされると嫌ですよね。
そういった「分科会が戦う時に嫌なエネミー」を想定して特技を選ぶと、いざという時に活躍できるかもしれません。

・目標が「キャラクター」の魔法の特技を取ろう

【捕縛】は代表を目標にした呪文にしか使用できません。
つまり目標が「単体」の呪文だと、【捕縛】を警戒して目標を元型に絞り、代表に対して使用してもらえない可能性があります。
また、目標が「なし」などの場合ももちろん対応できませんのでご注意ください。

以下URLに、代表が目標になりうる魔法を特技表に併記した資料をご用意しました。
『魔道書大戦RPGマギカロギア基本ルールブック』の内容に深く触れますので、簡単なパスワードをかけております。基本ルールブックをお持ちの方はどうぞご覧ください。


・領域は「力」がおすすめ ※呪句ルール採用の場合

【捕縛】を使用するには「力1」のコストが必要です。
いざという時、【捕縛】に魔素がチャージされていなくて使えない……なんて悲しいことにならないように、呪句で「力」の魔素を生み出せる力領域の魔法使いがおすすめです。
もちろん仲間に魔素を融通して貰っても良いですが、突然の襲撃や予期せぬ魔法戦のときも、魔法戦中に【捕縛】の呪句を唱えることでコストを間に合わせることができます。呪句はぜひお気に入りのものを準備しておきましょう。
また、既に別の領域でキャラクターシートを作成している場合は同じ学院の機関魔法である【分校】でコストを自分の領域に合わせるのがおすすめです。


【捕縛】と相性がいい魔法は?

ここまでは【捕縛】を活躍させられる特技の取り方を中心に解説してきましたが、ここからは【捕縛】と相性の良い他の魔法について紹介します。

・【圧唱】

呪文の判定にプラスがつくということは、【捕縛】の判定にもプラスがつくということです。相性抜群ですね。

・【悪夢召喚】【魔剣召喚】【孤剣】など

呪文の目標を元型に逸らさず、代表に集中させることができます。

・【護力】

魔法戦中に立会人でも【魔力】を回復できる【捕縛】と、タンク職の【護力】は相性抜群!
ただし魔法戦が長引くほど【護力】の「獣」の魔素と【捕縛】の「力」の魔素のやりくりに苦労するので、事前にしっかり準備をしてから魔法戦に挑みたいところ。また【護力】持ちが脱落すると同時に【捕縛】持ちも脱落してしまうので、ギリギリの戦いの場合は戦略的判断が必要です。

・【怪力】【黒嵐】など、自分の【魔力】をコストとして使用する魔法

魔法戦中に【魔力】を回復できる【捕縛】は、自分の【魔力】を湯水のように使う自傷戦法とも相性抜群!
ただしエネミーが【魔力】の回復を警戒して代表を目標に呪文を使用しなくなる可能性もあるので過信にはご注意を。

・【支援】【動揺】など、コストが「全」の魔法

【捕縛】で【魔力】を回復する必要がない時、もう一つの効果である魔素の獲得を選ぶこともあるでしょう。その時の魔素はランダムで決定されるので、どの魔素が出ても獲得できる「全」コストの魔法があると無駄がないです。
さらに後述する【キャスト】付き元型がいれば、立会人から【捕縛】と「全」コストの呪文、両方ともを同じラウンドで使用して代表をサポートすることができます。

・【導師】【乗騎】 ※元型成長が前提

元型に【キャスト】をつけることで、立会人からその領域の魔法全てを自動成功で【捕縛】することができるようになります。チートか?
エネミーは闇領域が多い気がするので「闇」の【キャスト】か、キャラクターを対象にとる魔法が多い「力」の【キャスト】がおすすめです。
【乗騎】の場合は【キャスト】の領域が合わなかった場合でも、戦車の【プラス2】を使用すれば判定に成功しやすくなります。

・【校正】

元型の特技をずらすことで【キャスト】の領域をずらし、エネミーの呪文に合わせて自動成功の効果を使うことができます。

・【栞】

ドラマシーン中に《追憶》の判定に成功しておけば、魔法戦中に1回、自動成功で【捕縛】を使用できます。【キャスト】の領域が用意できないときにおすすめです。
また、同じラウンド中に2回【捕縛】できるのでエネミーの手を多く封じることができます。

・【覚醒】【翻訳】

自分が「星」か「闇」領域で、特に特技が左右に偏っている場合、「星」と「闇」の領域を繋げると目標値6以下で判定できる特技が増えます。

・【同調】 ※要GM確認

【捕縛】の判定にプラス補正をつけられる上に、コストが「全」なのでランダムの魔素も獲得しやすい魔法です。
ただし、【同調】の使用タイミング「自分の手番」というのが厄介です。【同調】の使用を影響する判定の直前にしか許可しない裁定の場合、エネミーの手番に使用される呪文には使用できないのでGMに確認しましよう。

・その他

達成値を上昇させる【潮流】や【伏線】、特技を増やす【呪具】や【採取】などとも相性がいいと言えます。
仲間から【支援】や【魅了】、【伝承】などを使用して貰うのもいいでしょう。


その他【捕縛】を活躍させるためにできること

・真の姿は「精神集中」がおすすめ

【捕縛】の判定にプラス2の修正がつけば、とても心強いですよね。
もしくは《魂の特技》を遠慮なく使えるように「魔力解放」でも良いかもしれません。

・【捕縛】の呪句はここぞというときのためにとっておく

前述の通り、緊急時に「力」の魔素を確保できることはもちろん、どうしても失敗できない判定の時に呪句効果のプラス1が心強くなることもあるでしょう。

・複数の【キャスト】付き元型の召喚魔法を持つ場合は領域をずらして

【捕縛】は呪文ですので【キャスト】が使用できます。【キャスト】があればその領域の魔法は全て無効化できるので、とてもつよいです。
ですので様々な領域の【キャスト】付き元型を使役できる状態にしておけば、多くの場面で活躍できます。

・呪文の回数が不安なときは「歌う首」を活用しよう

1ラウンド中に使用できる呪文の回数を増やすことができるアイテム「歌う首」。リプレイブックに記載されているアイテムで、とても強力です。
ただしこちらも【同調】と同じく「自分の手番」に使用する必要があります。エネミーの手番中には使用できないため、先手を打って使用しておきましょう。

・自分が獲得できる魔素の種類を増やそう

【捕縛】の効果で魔素の獲得を選択した際、コストが「全」の魔法があれば全ての種類の魔素をチャージできますが、それはそれとして分科会内で「全」以外の魔素が必要になるときもありますよね。
魔法戦の後のドラマシーンで仲間に【転送】してあげるためにも、さまざまな種類の魔素をそのまま獲得できる蔵書にしておくとより活躍できるかもしれません。


結局は自分が好きで楽しいのが一番!

ここまで理詰めで【捕縛】について解説してきましたが、やはり最後は自分がプレイキャラクターとして使用していて楽しいキャラクターシートが一番です。

ぶっちゃけ、禁書魔法の「特技:修得」系の魔法はどの特技になるか未知数ですし、シナリオのオリジナル魔法とか出てきたらそれこそ特技なんて分かりません。シナリオタイトルやトレーラーからメタ読みするにも限界があります。マギカロギアでたくさん遊べば遊ぶほど、ここまでのデータが意味を成さなくなる瞬間に立ち会うことが増えるでしょう。

それでも、【捕縛】は楽しい魔法です。エネミーが繰り出してきた呪文を完全に打ち消して不敵に笑うロールプレイもできますし、戦う仲間を後ろから支えて「こっちはまかせて、お前はあいつを倒すことだけに集中しろ!」みたいなかっこいい台詞を言うこともできます。ゲーム面においても自分が立会人のときにできることが増え、セッションに目一杯参加することができます。

そんな夢の溢れる、「力」コストの魔法【捕縛】。この魔法があなたが魔法使いを作る際の蔵書の選択肢に上がり、楽しいセッションの彩りになることを祈りつつ、この記事を終わろうと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


★以下、この記事の元になっているTRPGシステムのご紹介です★

『魔道書大戦RPG マギカロギア』公式Webサイト(冒険企画局)

※『魔道書大戦RPG マギカロギア』は、「河嶋陶一朗/冒険企画局」「株式会社アークライト」「株式会社新紀元社」が権利を有しています。
(C)河嶋陶一朗/冒険企画局/アークライト/新紀元社

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