第4章-3「秘密基地のひみつ」

 雑魚とはいえ、4体の敵に、夕日とシンという保護対象を抱えたこの戦闘は予想以上の長時間に及ぶ。
 疲労に苦しめられ、あわや倒れそうになりながら、なんとかゴミバコを完全撃破した。 

 千晴:「つ、つかれた…」

玄:「燃え尽きたぜ…真っ白に…」

千晴:今、何時なんだろ?

WC:昼前に名波家前にいたから、今お昼過ぎかそのあたり。

千晴:どう考えても、LP回復と、アイテム補充が必要な感じ。

玄:うむ。

千晴:「フー…キッツ…」

シン:「な、ちょ、おい、これどういうことだよ!なんでバーニンジャー基地のロボが襲ってくるんだよ!?」

千晴:「こっちが聞きたいよ。」

玄:「いてててて…」

シン:「だ、大丈夫かハジメ?!」

玄:「ここはそういう基地じゃなくなったってことだよ、リーダー…」

千晴:「結局、ミギワはミギワだったと…このまま進むのはヤバイな。辛いけど、一旦体制を立て直そう。」

シン:「え、ど、どういう…」

玄:「悪に制圧されたようだ…!このままじゃ準備が足りない…! 
きっちし支度して、取り戻さないと。このままじゃやられる。」

シン:「そ、そうか…」

千晴:「出直すにしても、いまは昼飯まえだから…」

夕日:「…ねえ。」

WC:小声で、夕日が千晴に。

千晴:「どった?」

WC:玄がシンを言いくるめて(笑)いる時に、ちょっと袖を引く。

夕日:「あたしとシン君が足手まといなのはわかったんだけどさ…」

千晴:「まあね…」

夕日:「シン君抜きでこの『秘密基地』突破できると思う?」

千晴:「いや…何らかの鍵にはなってると思うんだよね。となると、この先も作り手が必要な気はする。」

夕日:「それにさ、さっきのゴミバコ…気づいてる?」

千晴:「シンを狙ってないってことか?」

夕日:「うん。結構露骨だったよね。」

千晴:「たしかにな…そう考えると、絶対シンは連れて来るべきだよな。」

夕日:「…そうなるよね。」

WC:と、そこで一旦話を切った夕日は…

千晴:「…」

夕日:「じゃあ、一旦戻る、で大丈夫そう?

WC:と、玄に。

玄:「だな。リーダー、一旦戻って体制を立て直そう!」

WC:玄に下から揺さぶられ続けているリーダーは…

シン:「あ、うん、そうだな。マコは心配だけど…準備はすぐできるんだろ?」

WC:と、若干弱気になっている。

千晴:「とりあえず、外にでようぜ、シン。また、めんどくさいことになるかもしれないし。」

シン:「…うん。」

WC:シンは、ここに入ったばかりの自信満々な様子が嘘のように、うつむいて何かを考えている様子だ。夕日が背中を押して歩かせる。

千晴:「…まあ、なるべく早くもどってくるよ。元気だせよ。」

シン:「…」

玄:「取り戻そうぜ、リーダー。」

シン:「…ん?…あ、ああ。うん…」

玄:「どした? なんか気になることでもある?」

シン:「…え?なんかいったか?」

玄:「ずっと考えこんでるからさ、なんか気になることでもあったかなーと。」

シン:「…ああ。…うん…」

WC:返事は反射的にしているようだが、上の空だ。

玄:そっとしとくか。急いで戻ろう。

WC:来た道を通って入り口に。ここにはシュートで落ちてきたので、出口なんてものはないが…

玄:そういやそんなだったな(笑)。

WC:壁の高い位置に君たちが通ってきた穴が開いているが、その中は急な登りになっている上ツルツルで、どう考えても「出口」として使う用途ではなさそうだ。

玄:「リーダー、出口とかこっちでいいかな?」

シン:「えっ!? あ、ああ、わりぃ。ええと…」

WC:シンは、携帯を開き…

玄:お、そんな出かた!

シン:「ゲート起動!バーニンジャー、パトロールに出動します!」

WC:すると、部屋の中央に直径2m程の光の柱が。

玄:基地だなー!

シン:「アレに入れば外だぜ。行こう。」

玄:「おおお、かっけえ!」

千晴:やっぱ、携帯だよなキーは…

WC:シンは先頭に立ってとことこと光に入る。

シン:「ほらこいよ。最初はびびるけど、怖くねーから。」

WC:その言葉を残し、ぱしゅっと消える。

夕日:「うお…」

玄:「夕日、出ろ出ろ。」

夕日:「…2人とも、知ってる?」

玄:「ん?」

千晴:「なにを?」

夕日:「フライとか言う昔の映画で…」
(↑ちょうザックリ言うと、『ワープ装置の実験で、人間の転送先にハエがいたため、ハエと人間が合体してしまうというSFホラー』映画。)

千晴:「いやいやいや(笑)。」

玄:「古…(笑)。マコちゃんとリーダー合体してないから大丈夫だろ(笑)。」

夕日:「…おお。んじゃ、はいるよ…そういえば、破壊神サダミツって知ってる? 体は分解されて情報だけでワープ…」

玄:「もういいから入れ!(笑)」

WC:夕日は消える。

玄:さらば夕日。君のことは忘れない(笑)。

千晴:ひど(笑)。

玄:「よし、俺達も行くか。」

千晴:「おっけー。」


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