人が人を攻撃する所以
人間とは、友達や家族、恋人に愛を説くのと同じ口で気に食わない人間を罵ることができる残虐さを持つ生き物である。
たとい自分達とは違う人種の人々が過去に卑劣極まりない行いをしたからといって『~人だから』と批判することは果たして正しいのだろうか。
それは、人間だからじゃないのだろうか。
時代が人を飲み込み、環境が人を変えていくように人にはその土地で生きていくことができる適応能力というものが備わっている。
これが厄介にも、負のエネルギーを持つ時代と環境にいれば自ずと人は感染し、汚染され腐敗していくのだ。
第二次世界大戦頃がまさにそのものである。
果たして、私たちはこれから生きていく中で、直接的であれ間接的であれ絶対に誰かの命を奪うことはないと自信をもって言えるのだろうか。
私には言えない。
人を傷付けない保証ができない。それによって、誰かにとって死へのトリガーを引くことになるかもしれない。
生き物は生き物を殺すことができる。
生きるということはーー私たちは見えない戦場に身を置いているのかもしれない。