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最も苦手なものは、本当は一番欲しているものかもしれない

コーチングと出会って、私が変わったことの一つに「使う言葉が変わってきた」ということがあります。

先日も、主催したビガーゲーム(Bigger Game)というワークショップの最中に、「今の世の中に足りないのは、愛と優しさ」というようなことを言っていました。昔の私には考えられないことです。
こういうことを恥ずかしげもなく言うようになった自分に、自分でも驚きます。

昔の私は、「愛」とか「優しさ」なんて、歯が浮きそうで、そんな言葉は私の辞書にはなかったような気がします。

仕事にそんなものを持ち込む発想なんてなかったですし、完全にそれとこれとは切り離していました。

世の中に対して向ける視線も冷ややかだったかもしれません。
人は愛だとか優しさだとかいうけど、そんなの、薄っぺらい、嘘っぽい、頼りない、と。

一方で、あの人は愛情深い、あの人は優しい、という言葉にコンプレックスを感じてもいました。
どうせ私はそうじゃないさ、と。

そのくせ、珍しく「優しいね」などと言われると、その言葉も受け取れない。「誰々さんほどではないです」と否定してしまう。

相当こじれていました。笑。

そこに変化が起きた最初のきっかけは、思い返せば、2013年末頃に受講したCTIのコーアクティブ・コーチング®︎のプロセス・コースだったかもしれません。

コース3日目に見せてもらったリーダーによるデモ・コーチング。
ただ「ともにいる」だけのコーチングを見て、大きな衝撃を受けました。
質問が良かったとか、そういう次元の話じゃない。
「愛」に溢れたコーチング。
「私のコーチングになかったのはこれだったんだ」と気づいて、人前憚らず、ぼろぼろ涙が溢れて止まりませんでした。

この頃の私は、「愛」という言葉を言おうとすると、何故か口がワナワナしてしまい、発するのはとても勇気がいることでした。

もう一つ思い出すのは、2017年、ビガーゲームのトレーナーとして認定を受けるためのトレーニングを受けていた時。

先輩トレーナーからの関わりを受ける中で、人のリーダーシップの覚醒に携わることをテーマにしていた当時の私の限界がわかりました。またもや泣きながら。笑。

そして気づいたのは、
「(関わってくれる人の)愛がなければリーダーシップは目覚めない」
これは今でも私のマントラです。

苦手意識のある「愛」と「優しさ」。
でも、本物の愛に触れたりすると、上2つの例みたいに、つい涙が出てきます。涙は、その人の本当に大切な部分に触れた時に出てくるもの。
そこに、自分にとって大事なものがあると教えてくれるサインです。
身体のサインに従えば、私が一番欲しているのは、最も探求を避けてきたものであるようです。

こういうことは、クライアントさんの中にも見ることができます。

本当は一番欲しているからこそ、それが手に入らないという恐怖に直面しないように、「そんなのいらないわ」と振る舞う。
本当は一番憧れているからこそ、自分にはそうなれないという現実に直面しないように、「そんなの興味ないわ」と振る舞う。

不本意な現実を突きつけられるのが怖い。嫌。
無意識レベルでこういうことが起きているのかもしれません。

大丈夫。本当は、手に入る。そうなれる。
と言いますか、もともとその性質を備えているのだから。

初期のクライアントさんにこう言ってもなかなか信じてもらえないのですが、ここのつながりをお手伝いすることこそ、コーチの役目だなと感じています。
そこにこそ、本当の充足感があるのだから。

私自身は、最近は、頂くフィードバックの中に「柔らかさの中に強さがある」とか「愛に溢れ、芯の通った」などといった認知の言葉を頂いて、
これを否定するのではなく、ありがたい気持ちで受け取ることができている今、少しだけ自分の成長を感じます。

大小様々な新しいことにチャレンジすること、コーアクティブ®︎的にいうとDoingの側面で欲しているものを獲得・達成していくことも、とても面白いこと。

同時に、きっとBeingの側面でも本当に欲しているものがきっとあります。苦手・嫌いと思っていることの中に、実はそのヒントがあるかもしれません。

みなさんは、頭には思い浮かんだり、耳にしたりしても、自分の口からはなかなか自然に出てこない、口にするのはちょっと恥ずかしかったり、勇気が必要になったり、急いで喋ってしまおうとなるのは、どんな言葉ですか?

では、また!


◆今日の写真は、私の誕生花の一つだそうです。知人に教えていただきました。誕生花って複数あるというのも知りませんでした。

この記事は、2021年4月21日配信のここみち便りをリライトしたものです。

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一生のうちで一度は読まれると良いと思いますが、読み時があると思うので、ピンときた時で良いと思います。

●ザ・メンタルモデル 由佐 美加子・天外伺朗 著

おそらく私は「愛なしモデル」。
「愛なしモデル」の人がこの世に生を受けるのは、「誰もが自分を無条件に愛し、真実からありのままを受け入れられ、理解し合える関係性で人間同士がつながっている世界」を創るため。


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