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キャベツと、値上げの話
小さなキャベツの球を見つめる。
高くなったもんだなぁ。
キャベツがひと玉500円になるなんて思わなかったなぁ。
でも、野菜の価格が上がるってことは良いことでもあるみたいだ。
どちらにせよ、上がった価格はいきなり下がるわけではない。
今までも野菜が高騰したことはいくらでもあったけれど、「高いねぇ」と言われるたびに、「肉や魚や、乳製品、他の食材に比べたら安いもんだ」って言い返していたし、実際そう思っていた。
この春は生ビールの値上げがあり、チーズの値上げがあり、海老も大幅な値上げがあったし、魚の価格は相変わらず登り調子、
配送料も上がったし、上がったままの粉、油脂類、ナッツやドライフルーツは高いまま。
で、うちのお店でも一部のメニューの価格を改定した。
で、それを見ていた隊長がふと「値上げしていいの?それ、人気のメニューだよ」といった。
きっと、人気のメニューで食べたい人がたくさんいるのに、値上げしたらオーダーしにくくなるんじゃない?と言いたかったんだと思う。
そうねえ。
だけど、仕入れ値が上がって、どうしようもないんだから仕方ないよね。
そして、さらにいった。
「値上がりして、そのメニューがでなくなっちゃったらどうするの?」
きっと、そのメニューの出る数が少なくなったら、仕込んだ料理が回らなくなるんじゃない?という懸念から出た言葉だったんだと思う。
そうねえ。
でも、それで出なくなったら仕方ないよね、
「どういう意味?」
値上げして、そのメニューの人気がなくなったら、やめるかもしれないし。
「やめちゃっていいの?」
そうねえ。
でも、極論だけど、人気メニューだからって、利益のでない商品を置いておく必要はないし。
もし、それが出なくなったら、人気がなくなったら、また違うメニューを作ればいいよ。
だって、そのメニューをやるためにお店をやっているわけじゃないし。
だいたい、こんなやり取りをした。
開店したてからお店の土台ができるまでは、目立つメニューや、お得なメニューが必要な場合もあるけど、その先はお店それぞれのやり方があって、
看板メニューや赤字覚悟のメニューなんかで引っ張るお店があれば、そうでないお店もあるし、
それはお客さんの使い勝手や、価格相応であるかどうかの判断などに委ねればいい。
事実、Openからこれまで何度かのメニューの組み替えや、価格改定をしてるけど、
そしてそのたびに(それ目当ての)一部のお客さんは一時的にこなくなるけど、結局また来てくれるようになる、ことが多い。
また来るまでの期間はまちまちで、1ヶ月だったり、半年だったり、一年だったりするのだけど(もちろんこなくなる人もいる)。
そして、全体としてはお客さんは減ってない。
値上げしたくないからって、素材の質を下げるのは嫌だ。
そんなに高級なもの、こだわりの限定品を使うわけじゃないけど、「いままでと同じ価格だとこのランク下の商品になります」って言葉には負けたくない。笑
なんかまとまらなくなったけど、さっきそんなことを思いながらキャベツを切っていた。