パンのこと。前編
火曜の夜はあんまり寝られなくて、朝から眠かった。
かといって、眠いのと仕事するのとは関係なくて、仕事してるときは眠くないんだけど。
なんで寝られなかったかっていうと、仕事が終わらなくて、とかそういうことじゃなくて
ただ「パンを焼くのが楽しみだったから」。
昨日仕込んで冷蔵庫に寝かせてるやつ、明日になったらどんな感じなんだろう?
どんな感じで焼きあがるかな??
そんなこと考えてたら、頭がぜんぜん寝てくれなくて、夜中何度も起きてしまった。
(けど、そのおかげでなでしこ⚽️のかっこいいゴールをリアルタイムで観られた。笑)
いまのところ、パンは本業に関係ないことだ。だけど、関係ないからこーして楽しく取り組んでいられるんだよなぁ、と思う。
本筋が安定してるから、他のことにトライできる。そーして、安定してきたら本筋に取り込んでいけばいい。
そんなふうにトライできる環境って恵まれてるよな、と思う。
(いやでも、そのために仕込みはしっかり早めに終わらせて、次の次の仕込みの予定までざっくりたてて、時間を作ってやってるんだから、本業をおざなりにしてるわけじゃーないよ。。)
寝かせてた生地、もっちり、つやつや、
水分量は前回とおなじなのに、ずいぶん触り心地が違って驚いた。
ああー、そうかぁ、酵母だもん、やっぱりなじんだり、熟成したりするのには時間がいるんだな〜〜〜〜!とひとり納得。
ストレート法、オーバーナイト法、
中種、液種、
昔は読んだってよくわからなかった製法の説明が、いまはするすると頭に入ってくる。
ああ、こういうことなのか〜〜 って、手のひらから伝わってくる。感動。笑
これで、思うようなパンを焼けるようになったら、パーティやオードブルのときに、おいしいパンを出すことができる。
「これ、おいしいよね〜〜」って言えるやつ。
こうやってひとつひとつ、できることをふやしていって、あれとこれと組み合わせたりもして、あー、なんかとても楽しい。
結果的には火曜のパンは、ちゃんとできたのと、できなかったのとあったんだけど、やってみたことで疑問点がはっきり見えてきた。
そうして、この時の温度はこうしよう、捏ね上げのタイミング、発酵の具合、焼成のイメージはこうかな、と頭のなかで練っていく。
この作業は非常に楽しくて、眠いのについつい熱中してしまって、最後は気絶するように寝落ちてた。笑
私が大事にしてることは、たとえば、誰よりもおいしいパンを焼くことじゃなくて、意図するようなパンを焼くこと。
この分野では誰にも負けない!どこよりも新しい!というような勝ち負けや斬新さじゃなくて、こういうふうに焼きあげよう、というコントロールができること。
これがパンじゃなくて、料理でも、お菓子でも、お店の空気作りでもおんなじ。
そしてコントロールができるようになったら、その工程を日々のサイクルの中に無理なく組み込んでいく。
少しずつ、あれとかこれとかの作業工程を動かしたり、効率化したり、やりくりしてオペレーションを組み立てる。
そしたらもう、ずっと前からそうだったかのように日々は動いていくようになる!
と、盛り上がったとこで、続く。