高齢化が気になる住宅地で、まちの交流のきっかけとしてのコミュニティガーデンワークショップ2回目
1.2回目で目指すこと
兵庫県宝塚市の自治会からご依頼いただいたコミュニティガーデンワークショップ2回目は11月に続いて年明けの1月に行いました。
3回シリーズの2回目。いよいよ、まちのみなさん自身がコミュニティガーデンについて考える回です!
1回目では、まずは地域のみなさんにコミュニティガーデンについて知り、理解を深めていただくために「花が持つ可能性」と、それを「楽しみながら続けていくためのコツ」についてお伝えさせていただきました。
その上で、自分たちが住むまちについてワークシートに記入しながら考えるという時間をつくりました。
その結果わかったことは、
①個人の家の庭も含めて花やみどりがいっぱいのこのまちに、みなさんがとても愛着を持っている。
②地域の高齢化が進んでいく時代に、多世代の交流ができたらいいなあと多くの人が思っている。
③ このまちはやさしくて親切な人が多いと思っている人が4割もいる。
などでした。
この結果から、コミュニティーガーデンの是非はともかくとして、まちの交流機会を増やしていくことは、方向性としては良いということが確認できました。
ここまでは、自治会が考えていた「コミュニティづくりをしないと…」という考えが、まちの人たちの望むものなのかははっきりしていなかったのですが、それがこんな形で確認できたのは重要だったと思います。
では、「まちの交流機会」を増やすには具体的にどうしたらいいのでしょう?
答えは、まちのみんなの心の中にあります。
それをみなさん自身に見つけていってもらうことが、2回目の目標です。
2.おしゃべりすることの意味
人は、自分が考えたことを実行するときには、自然にわくわくします。でも、人から強制的にやれと言われたことをするときには、なかなかわくわくできません。
わくわくは、心が動いていることを示す表現。心が動いてはじめて体もいい具合に動くようになります。
まちの中で、みんながわくわくした感じ。そういう状態をつくることができると、色々なことが動き出すような気がします。そのために、とても役にたつのが楽しいおしゃべりの時間なんです。
なので、2回目はたくさんおしゃべりをしていただくことにしました。
3.おしゃべりのテーマ
今回は集まったみなさんに
「まちの人と、もっと交流したいと、このまちの多くの人が考えています。そういう機会をもっと作ったほうがいいと、みなさんもお考えですよね?
では、仮にですが、あの公園を使って何かをするとしたらどんなことができるだろう?…ということについて、ちょっと自由におしゃべりしてみませんか?」と、投げかけ、おしゃべりのテーマを提示しました。(ただ、おしゃべりしてね!だと、お話があっちこっちに行ってしまうので。)
おしゃべりのテーマは次の2つ。
①みんなが公園で楽しめるようなコトを考えよう!
②実現するために公園にあったらいいなと思うものって何?
5人くらいのグループをいくつかつくり、それぞれ上記のテーマを書いた紙を真ん中に置いておしゃべりしていただきました。
普段ファシリテートするときには、年齢層がバラバラになるようにとか、男女のバランスを考えてとか、グループづくりにも気を使うのですが、この時は、まずは「安心してしゃべる」という状況をつくろうと、知っている人どうしでも、好きにグループを作ってもらいました。こういう場に慣れていない人も、知り合いがいれば、安心してそこの場にいられるということの方が、だいじかなと思ったからです。
さすがに「このまちはやさしくて親切な人が多い」という意見が多いまちだけあって、終始、笑いいっぱいのいい雰囲気のおしゃべりの時間となりました。
4.ちょっと息抜き。まちは先生の宝庫!
おしゃべりの合間には、このまちに住んでいる方が講師になっての「子どもも楽しめるポプリづくり」も行いました。予定では最後に行う予定だったのですが、諸事情で間に挟むことに。でも、それがまたよい相乗効果を生み、ますますみなさんがよい笑顔になりました。部屋はポプリの良い香りでいっぱいに。
5.考えたことを紹介し合う
その後、みなさんから出て来たアイディアをグループごとに紹介してもらい、それをホワイトボードにメモしました。とてもたくさん出てきて、みなさんのおしゃべりが盛り上がった様子がよくわかります。
6.次につなげる準備
その後行ったのは、
①交流の場を作るときのコツをちょっとだけお伝えする。
②公園に植えてみたい植物について、一人一人にお話してもらってみんなで聞く。
③ 最終回の3月に、お試しで公園で楽しむために、これをしよう!
などを決めました。
3月は、みんなが植えてみたい花をお試しで植えてみながら、ちょうど桜が咲いている頃合いなので「お花見パーティー」をやります!
そこで、子どもが喜ぶおもちゃづくりのようなこともできたらいいねというアイディアなども出ました。
また、具体的に対象としている公園をどう変えて行ったらいいかなどについて、現地で相談しよう!
ということになりました。
7.公園へ
終わった後に、時間がある人だけで公園に行き、1回目でく植えたチューリップの芽の様子を観察しました。しっかり芽が出ていましたよ。
終了後、みなさまからいただいたアンケートでは、
「色々な方との交流する機会がなかなかないので、地域の方との意見交換できる機会はすごく大事なことだと感じました。花、自然は好きだけど、今は子育ててなかなかできないことが多いので、参加できる時はしていきたいと思います」をはじめ、
「知らない人とお話もできてよかった」や、
「ポプリの香りに癒されました」などの感想をいただきました。
次は3月。今年度のシリーズは3回なのでとりあえず最後の回になります。しかし、その回がすべての出発点になるだろうなと思っています。そこで、「楽しいな」「なにかをしたらいいかもな」と思った人が、動き出す。そういう回。
2回のワークショップを通して、コミュニティガーデンや公園を活用することへの理解は、1回目の「なになに?わけがわからないのだけど…」のときよりぐんと深まったと感じています。
「いいね!」と思った方たちとの対話によって、課題を浮き上がらせたり、今は来ない方たちとの繋がりをどう生み出していくかなどのアイディアを具体にしていったりし、次の年度に、確実につながっていくように、サポートをしたいと考えています。
1回目のnote
https://note.com/tropicalplants/n/n65dc5ce44ef8