FIFAワールドカップ・欧州予選 グループC 第9節 北アイルランドvsリトアニア 感想
サッカーを愛する皆様、こんにちは。
くろだといいます。
ワールドカップ欧州予選アーカイブ計画として、僕は「#W杯欧州予選グループC全部見るマン 」として今回は北アイルランドvsリトアニアの試合をお届けします!
試合前情報
ワールドカップ出場権の獲得はなくなってしまった両国ですが、より高い順位を狙っていきたい北アイルランドはブルガリアの試合結果との競り合いになりますが、今節も勝利を目指していきたい構え。
対してリトアニアは現実路線との兼ね合いもあるにせよ、最下位が確定しようがより良い結果を求めて試合に臨むことになるのではないかと想像します。特にスイス戦でも見せた姿勢がこの試合でも見ることができるのではないでしょうか。
スタメン
試合雑感
キックオフはリトアニアから。
北アイルランドは守備時5-3-2を基本として、攻撃時にがサヴィル(6)とマッキャン(16)が高めの位置を狙いつつ両ウィングバックが高い位置を取れるように狙っていく形が基本線。
前線に起点を設けるというよりはポジションの流動性を高めた展開でリトアニアの守備陣形を崩していこうという趣の攻め筋を見せています。
前回対戦時とは違い、リトアニアの守備陣形はスライド中心ではなく、ビルドアップ阻害時には人を掴まえに行く志向を見せ、陣形深くに侵入された際には5-4-1然として構える形を見せます。
北アイルランドはこの噛み合わせに対して配置の流動性を担保しつつ、リトアニアのビルドアップ阻害の圧力がそれほどでもないこともあり、デイヴィス(8)がリトアニアの前線の隙間に顔を出すなどの振る舞いによってすぐにリトアニアに撤退を強いることに成功しました。
そうして試合序盤から主導権を握ることとなった北アイルランドは再三リトアニアのサイドを攻め立てつつ、コーナーキックから相手のオウンゴールを誘い先制点を奪います。
試合の最序盤としてリトアニアは試合の入り方がはっきりしなかった事が災いして先制点を献上してしまいましたが、前線のビルドアップ阻害の圧力不足、北アイルランドのウィングバックを掴まえるには距離の遠い位置にいるサイドバック、前線の規制がかからないことによって結果的に北アイルランドの中盤に対してもプレッシャーをかけることが難しい状況を招いた、ということで非常に先行きの暗い試合の入りとなってしまいました。
失点直後にも安易なボールロストからサイドバック裏を簡単に使われてしまい、オフサイドの判定がなければあわや連続失点、というシーンを作られてしまうなどリトアニアのビルドアップ阻害時の配置と撤退守備時のブロック配置を考えたときに移動距離が長くなりがちで移動時間中にラインを超えられてしまう、というデメリットとなる場面が顕著に出てしまいましたが、その後は密度を高めるエリアを修正し、前線から圧力をかけつつウィングバック、特に左のファーガソン(11)にボールが入った際には中へのコースを切りながら窮屈な展開を強いる形を取るようになります。
前の密度を高めることを選択したリトアニアでしたが、これが奏功して北アイルランドのポジティブ・トランジションに対して人数が揃わない時間帯を相対的に作ることが出来たことで自軍の陣形の重心が下がりすぎることなく、自身のポジティブ・トランジションの場面で前進することの難易度を下げることが出来るようになります。
もちろん、それによってサイドバック裏を使われる回数も、プレスバックが間に合わない場合のリスクを感じる場面も増え、なんならファウルがなければ2失点くらいはしていた展開にはなりましたが、リトアニア側にもあわや得点かというシーンも増える事になり、一方的なタコ殴りという展開を避けることは出来たのではないかと思います。
後半に入ると、序盤こそボールを握ることによって北アイルランドの陣形を引き寄せる事に成功し綺麗な前進を見せていたリトアニアでしたが、北アイルランドが配置を微調整してリトアニアのビルドアップに対しての距離感を修正するとパスの出しどころを見失ってロングキックを強いられる場面が見られるようになります。
65分ごろのベルビッカス(11)のシュートにつながった場面のように、パスを受ける瞬間の駆け引きで抜け出すことが出来ればチャンスになりますがこの駆け引きを行える局面をどれだけ増やせるか、どのエリアに意図して用意するか、という部分で非常に難しい選択を強いられる展開が続きます。
70分を境に北アイルランドは積極的な交代策で追加点を狙い、リトアニアも交代枠を使いながら応酬しますが、スコアは動かずそのまま1-0で終戦となりました。
さいごに
リトアニアとしては試合の入りで悔いの残るゲームでした。
この試合でリトアニアは欧州予選の全日程を消化することになりました。
振り返ってみると理性的なボール保持を志向していたものの、結果が伴わずに徐々にマイナーチェンジという名の袋小路にはまっていってしまったのかな、という印象が残るものでした。
その中でも、もがきながらより良い形で試合を終えることが出来るように奮闘していたと思いますし特に前線の選手は瞬間瞬間で光るものを見せてくれたのではないでしょうか。
北アイルランドとしても、得点できる機会が多かったのにもかかわらずファウル判定やオフサイドなどで得点とならなかったシーンも多く、もう少しいいスコアで試合を終えることが出来そうだったことで悔いの残る試合だったのではないでしょうか。
この記事を書いている時点ではグループCの最終結果が出ている状況ではありますが、勝利を迎えて次の試合に臨めることはポジティブな要素だったのかな、と。そのうえで交代枠を積極的に使うことが出来たのは良い材料となるのではないかと思います。
注目選手
デール・テイラー
後半から出場した背番号10。
これまでの試合ではラファーティやチャールズという名前が背番号10では見ることがありましたが、今節が代表デビューとなる17歳。
今節では交代で出場してすぐに積極的なドリブル突破を仕掛けるなど見せ場といくつか見せてくれました。
Wikipediaのページもまだ作成されていないレベルに知名度が低いんやなぁ、17歳なら仕方がないなぁ・・・と思っていたらノッティンガム・フォレストのU-23に在籍しているとのこと。
U-23のクラスに17歳にして在籍している、ということは非常に有望なのでは・・・?という期待も込めて注目選手に挙げさせてもらいたいと思います。
試合結果
2021.11.13
カタールW杯欧州予選 第9節
北アイルランド 1-0 リトアニア
ウィンザー・パーク
【得点者】
NIR:17' オウンゴール
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