パイオニアEDH《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
2000年代後半、とあるアイドルグループが日本で一大ブームを巻き起こしていた。
当時高校生だった自分も名前は聞いたことがあり、メンバーが同世代であったことから、同級生の中には「前田〇子と知り合い」という事をやたらと引き合いに出す、偏ったアイデンティティを持ったヤツもいた。
そして時は流れ2023年、MTG界にもアイドルが現れた。
そう、《偉大なる統一者、アトラクサ》だ。
このカードが登場するやいなや、あらゆるフォーマットでいかにインチキして《偉大なる統一者、アトラクサ》を場に出して気持ち良くなれるかというデッキが流行りに流行りまくった。
ある者は《再活性》で墓地からその才能を発掘し、またある者はゴブリン・シャーマンにドーピングして舞台に登らせた。
アイドルを育成するというのは、日本ではもはや文化であり、オタク達は日々パーフェクトコミュニケーションを目指している。
俺もアイドルを育てたい。ただ《偉大なる統一者、アトラクサ》を使うのはなんか違うんよな～～～というひねくれた心が邪魔をする。既に完成されたアイドルではなく、未完の大器を育て上げるのが男のロマン。
そんな時、輝く原石に出会うことになる。
《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》。
単体の性能は、統率者としてはあまり強くはない。
しかし探査能力によって少ないマナで場に出すことができる。
しかも統率者税も探査コストで賄えることから、ゲームが長期化し、墓地が肥えていっても軽いコストで唱え直せる！この原石、磨けば光るぞ！！
というわけでデッキリストがこちら。
お気づきであろう、《黄金牙、タシグル》は青黒緑の3色。《偉大なる統一者、アトラクサ》をデッキに入れるためには固有色が足りないのである。
しかし誰もがアトラクサにならないといけないわけではない。原石も磨き方次第で様々な光り方をするものだ。
このデッキは未完成のタシグルを様々な個性を持ったアイドルに育て上げるというコンセプト。
将来有望なタシグルくんを育て上げるにはレッスンが必要だ。
アイドルに育てるにはライブで歌いきる体力が欠かせない。+1/+1カウンターで強化すればアンコールまで歌いきってくれるだろう。
時にはアイドル自身がコツをつかんで、階段を一つ飛ばしで登っていき、美しい蝶に羽化することもある。プロデューサー冥利に尽きるというものだ。
そしてアイドルを育て上げるには専属トレーナーによるマンツーマンコーチングが欠かせない。幾度となく死線を乗り越えてきたビビアンは、アイドルを育てるたびに強くなる。
また『機械兵団の進軍』からレッスンスタジオも導入され、いっそう効率のいいレッスンが行えるようになった。
これら手厚い体制により、タシグルは7色の輝きを持つアイドル、「神7」へと進化する。
状況に合わせて様々な姿に変身し戦う姿は華麗で、いつまでも楽しめる魅力がある。
しかも墓地が肥えていれば統率者税も探査で支払えるので、第2、第3の育成も簡単。
さらに素の姿でも墓地から呪文を拾い続けることでアドバンテージ勝負を仕掛けることが可能で、ロングゲームも戦える。
ただし探査で追放するカードは厳選しないと、効果的なカードを拾えないので注意。土地カードは選ばれないので、あえて土地をたくさん残して有益なカードを手札に戻せるようにしておくプレイも大事だ。
今回のリストでは無限コンボで勝つプランは採用しておらず、ドデカクリーチャーを並べて戦う戦略になっている。なので、お好みで色々な勝利手段を追加してもいいだろう。
タシグル自体が色指標として優秀で、なおかついろいろな戦略とも噛み合わせがいい。今回は神7と言いたかっただけなのでこの形にしたが気分で構築を変えて長く遊べるいい統率者だと思う。
なのでみんなもパイオニアEDH、やろう！
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