2020 シェフが農夫になったなら。農業体験リポート
2020年は、様々な出会いや素晴らしい農地、農法に出会う事が出来、同時に農家さんや、新規就農を目指す方々の苦労と問題点も知りました。
種や土壌、肥料、水、天候、こんな事を話していくと
とてつもない情報量になってしまうので、
シェフの私が体験した事で感じた内容もお話し出来たらと思ってます。
まずは、難しいお話しは抜きにして。
昨年、美味しい野菜を自分でも作ろうと特殊な農法で取り組む農地で野菜作りを始めました。
料理は修行を積みましたが、野菜作りは全くの素人。
包丁から鎌に変えるとは数年前では思いもよらない
出来事です。
そんな私は、たくさんの農家の方の生の声を聞き、農地、農法を片っ端から調べながら、
同時進行で実戦してみました。
当初、素人ながらにやってみる5つの指針は
1。美味しい野菜を目指す事。
2。極力人の手を加えないで育てる事
(自然のあるがままで育てたい)
3。昔からバトンを繋いで来た種を積極的に使う事
4。肥料を与えずにその地の力に任せてみる。
5。農家の方々の気持ちを知り、知識を深めた農法を
取り入れ実戦する事
素人なのに、
めちゃくちゃハードル高い事だった事を
後に身を持って知る事になるのですが、
どんな結果が出るのか実戦する事が
私にとってはとっても大切な事でした。
昔、アジア砂漠化した不毛の大地に、
数十種類の種を泥団子にして
枯れた大地にたくさん投げ込みました。
その地に根付く野菜が見つかり、
食糧危機を救いました。
と言う、業界では有名なお話しがあります。
この話しでとても興味深かったのは、その地に根付く
野菜は何なのかはやってみなければ分からない。
不毛の地でも出来る野菜が存在する事。
この事で、まず素人である私が、この1年間は
もっとも過酷な農法で、
表現するとどんな事が起き、
どんな野菜が育つのか。
そんな過酷な農法でしている農家さんの気持ちを
理解しようと決意が出来ました。
お分かりになりましたでしょうか?
そうです。
これ。5年や10年で形に出来るか分からない取り組みです。
こんな取り組みをする事で、農家の皆さんが何を目指し、どんな思いで出荷しているのかを実感し、
私なりの役割を果たす事が大切ではないかと思っています。
私の役割その一。
そりゃ 失敗だろ それは。
と突っ込まれるお話しを
皆さんに紹介すること。
昨年植えてみた種は30種類程。
出来た野菜は数種類。
芽も出ないものが半数近く。
リーフ系の野菜に至っては
虫さんと鳥さんの餌となり
収穫高は0でした。
農家さんとのお話しですが、
葉っぱ食べられてしまいましたー!
と話したら、
全てを人間が牛耳ろうとしちゃダメなんだよ。
鳥にも虫にもお裾分けしてしてあげなきゃねー。
って笑って草取りに戻って行った姿は
当然なのだよと背中に大きく書いてあるような
そんな思いを感じました。
これが一つ目の失敗談となり、その代わりに
自然と一緒に生活している考え方の大きさを
知りました。
収穫高は0ですが、
農家の方を知る、大きな勉強となりました。
奮闘記つづく。