9月下旬 はじめに言葉があった
現代詩作マニュアル詩の森に踏み込むために 野村喜和夫
”詩を読む人のために”に引き続き、詩の入門書。
こちらは書かれた年代が新しく、取り上げる詩も全て現代詩だった。ネットでの詩の在り方についても言及がある。
はじめに、現代詩とは戦後詩であるとしたうえで歴史を紐解きながら思想の流れを追う。
電車の中でぼんやり読んでいたのだが、鮎川信夫の”死んだ男”が引用されており思わず泣きそうになった。
Mとは鮎川の詩友で、太平洋戦争で戦死してしまったそうだ。
鍵かっこの部分がMの言葉だろう。この遺言を執行することが詩の行為だと著者は解釈している。
石原慎太郎氏の亡くなった時と同じ悲しみがやってきた。詩人や小説家が死の淵に立つとき、どのような景色を見たのか。
後半では詩の原理をまとめており、詩とは世界の捉え直しだとしたうえで比喩を取り上げて説明している。この内容は詩学というよりレトリックに近いが、かなり論理的に面白かったので別の記事にまとめたい。
文章読本 三島由紀夫
結構好きな小説家 三島由紀夫の文章読本をとうとう読んだ。
氏の哲学を交えながらも、当時の流行と文学史を織り交ぜた中立な評論文といった内容だ。
文章の表面をなぞるように消費する人レクトゥールと、小説を読むことが人生の目的となりうる人リズールという分類を持ち出し、小説を書くにはまずリズールたるべきだという緒言から始まる。
文章の種類ごとに特徴となるポイントを谷崎から翻訳小説までさまざまな引用で解説してくれている。
”美は珍奇に始まり滑稽に終わる”
良い言葉だ。昭和レトロや平成レトロなど、トレンドのリバイバル現象があるが、これはトレンドを担う世代交代がきっかけだろうか?というかトレンドの境界をまたぐ人種は年老いたときどのトレンドに落ち着くのだろうか。
”地の文と会話文の割合について。地の文はゆっくりとたわむ波であり、その波が崩れて溢れる泡が会話文だ”
これ想像してみたら、たしかに名文っぽいかもしれない。
店中で絶えずグラスのぶつかる音が聞こえていた。見つめあっているのに、どちらも口を開けずにいる。どこを向いても甲高い談笑で満ちていた。身振り手振りでお喋りする人たちの中、2人はじっと縮こまり身じろぎ一つしない。
「友達に戻ろうか」
不自然なほど間を置いた後、わかったと返事をする。時間はいくらでもあったのに、本当は何も考えていなかった。
超探偵事件簿 レインコード
ダンガンロンパの1,2をやって面白かったので、やってみた。
システムの単調さ・謎解きの一本道感は否めないし、switchでやっているせいでロードが重かったりもする。
でもそれ以外の造形、シナリオ、セリフ回し、ミステリ脚本は素晴らしい出来だと思う。
とにかくやりとりが面白い。自由行動が作業ゲーでムービーが面白いゲームなんてあるんだ!って感じ。
ダンガンロンパも似たような印象だったが、あちらは自由行動中に好感度イベントとガチャ要素でなんとかなってたかもしれない。(不要っちゃ不要な要素だけど)
ダンロンv3は積んじゃってるのでぜひやりたいな