【第2回】腕のある経営者、力のあるスタイリストになるためには【永井信之×寺村優太】
withコロナに順応していくために
6月に入り緊急事態宣言は解除され、
手探りでウィルスとの共存を模索するステージ(with コロナ)が始まりました。
改めて自身のワークスタイルについて考え直している方も多いことでしょう。
そこで今回は、サロン経営や働き方に詳しい株式会社サニーサイドライフの永井信之さんに、
いま美容業界で働くすべての人が知っておくべき雇用についてのお話を伺いました。
3回に渡って対談の内容をお届けしていきます。
前回の記事
永井信之さんプロフィール
美容ディーラーで働いた4年半勤務したのち、25歳で美容ディーラーとして独立。
自社商品にも携わりの開発や、美容室の経営も行なった数店舗行ってきた。
その後、宅地建物取引主任者宅建業の免許を取得し、美容室専門の不動産業として株式会社サニーサイドライフを立ち上げる。
現在では、自らの経験と実績を活かして美容室に適した物件紹介のほかに、融資のアドバイスや事業計画書の作成、什器や備品の手配まで、開業の際に必要なすべての業務を請け負っている。
美容師さんに向けて発信している寺村優太の考え方がわかるnoteはこちら
⒉腕のある経営者、力のあるスタイリストになるためには
永井:外出自粛期間が明けても、収入が激減した方や、仕事がこれまで通りにできなくなる方は多くなります。
当然、美容にかけるお金も少なくなり、なる可能性はありますね。
これまで一ヶ月に一度サロンに来ていた人が二ヶ月に一度、またはそれ以上になりますなることもあると思います。
2−1 どんな状況下でも活躍できるのは集客力のあるスタイリスト
寺村:そうなると、これまで予約がとれなかった人気スタイリストの手が空くようになるのではないでしょうか?
すると、「あの人は人気だから予約がなかなかとれない」と諦めていたスタイリストの予約がとれるようになりますから、その下にいた中堅スタイリストたちが暇になる、という構図が見えてきますね。
永井:そうですね。
そんな状況下でも活躍できるのは、やはり集客力のあるスタイリストだと言えます。
そういう力のあるスタイリストを雇用しているオーナーは、今その人材を大切にしておかないと、経営はますます厳しくなっていくでしょう。
優れた人ほど、今後の独立やフリーランスへの転向を考えているでしょうから、辞めさせずに直サロンで業務委託という形に変えても引き続き出入りしてもらうなど、関係をきちんと繋いでおくことをお勧めしたいです。
寺村:やはり人気のある人が辞めると、店自体のイメージが悪くなりますよね。
「あの人が辞めたということは……」と、慕っていたスタイリストやアシスタントも不信感を募らせてしまいます。
力のあるスタイリストには業務委託としてでも店に残ってもらう、という選択ができるのは、優秀なオーナーだと思います。
2−2 優秀なオーナーの元でしか、力のあるスタイリストは働き続けない
永井:これまでは「雇用型が安心」「フリーランスは何かあったとき困る」と言ってきたサロンオーナーたちいうイメージがあったのに対して、実際は「何かあったとき」のための安心をサロンオーナーが与えられなかったわけです。
そこを盾にできなくなったこれからの時代は、個々の雇用形態の多様化を認め、外資系企業のようにがんばる人が報われる制度を取り入れることがますます必要になります。
寺村:ついていきたくなるような魅力があり、まっとうな評価もしてくれるオーナーになるべきですよね。
永井:その通りです。
忘年会や、海外への社員旅行などを求人の目玉として掲げているオーナーもたくさんいるのですが、大抵サロンによっては社員が飲み代や旅行費の何割かを負担しなくてはならない仕組みなんになっています。
そんなものに今は自腹でも参加させることをしたいという社員が喜ぶのか、甚だ疑問ですよねも少なくなってきましたから、これを魅力と捉えてもらい続けるのは難しそうです。
この状況で強烈な体験をしたからこそ、オーナー自身も学んで変わるべき部分があると思っています。
2−3 雇用されている側が見なくてはならない現実とは
寺村:では今度は反対に、雇用されている側が見なくてはならない現実も教えていただきたいのですが、今後はリストラなども考えられるでしょうか?
永井:20年近くこの業界にいて、リストラという言葉を聞いたことはありませんが、今後はあってもおかしくないと思います。
これまで人材不足だったが故、人が辞めてしまわないように優しくしていたオーナーサロンも、今後は厳しく対応するようになっていくことがあるでしょう。
これまでは、いちばん材料費のコストだと言われていた材料費なんてが一番下げやすいところではありましたが、それは実は容易いもので、今回もっとも首を絞めてきたのは人件費や家賃だったわけです。
売り上げに繋がらないの上がらないスタイリストを雇用し続けるのも、今後は、コストでしかないですよね難しくなると思います。
2−4 リストラ対象に上がってしまうのはどんな美容師?
寺村:どのような方がリストラの対象にあがってしまうでしょうか?
永井:売り上げと給与の差がない人や、集客力がない人でしょうね。
これまでポスティングなどの自力で集客しようとしてこなかった中堅スタイリストが、心を入れ替えて今後そういう行動をできるようになるか、というのも焦点です。
集客のため、お店のためにと考えて動き、やったことがなくても既存のお客様へのアプローチをはじめ、SNSで発信してみたりチラシを配ってみたりと、自ら貢献することができるようでなければ、雇用している意味がないと判断されてしまいます。
この3〜5月で凹んだ売り上げを12月までに回収するには、相当な努力が必要なのです。
そのオーナーの焦りを理解し、どんなことでもやれる強さがあるスタイリストが求められます。
次回は『独立・開業はいつの時代も大変なこと』をテーマにお話ししていきます。
(取材・文/吉川愛歩)
(写真/川角智香江)
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