44年特例と加給年金を最大限に活用した
自分が58歳の時、会社の62歳の先輩が退職されることになった。
65歳まで雇用延長されるものと思っていたので、どうされたんだろう思った。
その先輩から「44年特例」の話を聞いた。
44年特例
通常、年金は65歳から満額を受け取れるようになるが、厚生年金に44年以上加入している人は、65歳に達していなくても年金を満額受け取れるという制度。
正式には「長期加入者の特例による定額部分の受給」という。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/rourei/jukyu/2018110702.html
以前は60歳の定年退職時に、中卒入社の人のみが44年特例の対象者であった。
2013年に全希望者に65歳までの継続雇用が義務化されたことにより、高卒入社の人も62歳まで継続雇用で働けば44年特例の対象となる。
先輩と同じく、自分も高卒入社で18歳から厚生年金に加入しているので、62歳で44年特例の対象者となる。
先輩から44年特例の話を聞くまでは、年金が満額受け取れる65歳まで継続雇用で働くことを考えていた。報酬比例部分の年金だけでは生活が成り立たないので。
62歳から年金が満額受け取れるなら、62歳で退職することを決めた。
加給年金
加給年金は、年金受給者が生計を維持している配偶者(65歳未満)がいる場合に、年金に加算されて支給される。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html#cmskakyuu
44年特例で年金を3年早く受け取ることで、加給年金も3年早く受け取ることができた。
44年特例を使うと、妻は自分より11歳の年下なので、妻が64歳になるまでの14年間受け取ることができる。(ただし自分が75歳まで健在なら)
44年特例が使える人
もし、この記事を見つけた人の中で、44年特例が使える人がいたら役立ててもらえたら思い、44年特例が使える人の年齢に関する条件を以下に整理した。
厚生年金加入時の年齢
厚生年金加入時の年齢を新卒入社時の年齢とすると、新卒入社時の年齢と44年後の年齢は以下の通りである。これより、大卒入社以上は44年特例の対象外となる。
中卒入社:15歳、59歳
高卒入社:18歳、62歳
高専卒入社:20歳、64歳
大卒入社:24歳、66歳 ← 65歳を超えるので対象外
生年月日
44年特例の対象者の生年月日は以下の通りである。厚生年金の受給開始年齢の段階的な引き上げ(60歳から65歳)が進み、対象者の2023年8月現在の年齢は男性で62歳〜64歳、女性で57歳〜64歳の人となった。
男性:昭和36年4月1日以前に生まれた人(2023年8月現在、62歳〜64歳の人)
女性:昭和41年4月1日以前に生まれた人(2023年8月現在、57歳〜64歳の人)
(参考)特別支給の老齢厚生年金制度
1985年からに厚生年金の受給開始年齢を段階的にが60歳から65歳に引き上げが進められている。これを「特別支給の老齢厚生年金制度」と呼ぶ。44年特例はこの制度に含まれるもの。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20140421-02.html