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MacBook Airの内蔵バッテリーを丸裸にしてみた
「MacBook Airと内蔵バッテリーはI2C通信していた」という記事を書いたが、内蔵バッテリーパックの中でI2C通信をしているMCU(マイクロコントローラ)を見たくなった。そして内蔵バッテリーの構造が知りたくなった。
見たい知りたいという欲求を抑えられず、慎重に内蔵バッテリーの外装を取り除き、丸裸にしてみた。
MCUと初対面する
バッテリーパックの外装を取り除くと、6個のバッテリーセルがバッテリー基板に芋づるのように繋がっていた。基板に載っている一番大きなチップがMCUと思われる。チップには以下の型番が記載されていた。
BQ20Z451
この型番はMacBook Airのシステム情報のバッテリー情報から確認できる「デバイス名」と合致した。
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MacBook AirのSMC(システム管理コントローラー)の通信相手は貴方でしたか。初めてまして、これからお世話になります。
バッテリーセルの接続状態を知る
バッテリー基板に繋がっているバッテリーセルは、左側の3個と右側の3個が各々並列に接続され、そして左側と右側が直列に接続されていた。
リポバッテリーのセルの電圧は3.7Vなので、左側3.7V + 右側3.7V = 合計7.4V。
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内蔵バッテリーの外装にバッテリーの定格値が記載されていた。ここには電圧が7.4Vではなく、7.6Vと記載されている。
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バッテリー基板に繋がっているバッテリーセルの裏面に容量と電圧が記載されていた。ここに記載されているセルの電圧は3.8Vとなっている。3.8V + 3.8V = 7.6Vになり、内蔵バッテリーの外装に記載されている値と整合が取れている。
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また容量についても上図の通り、内蔵バッテリーの外装に記載されている値が担保されていることが確認できた。
バッテリー基板の端子を整理する
バッテリー基板とコネクタ間に非常に小さなチップが付いている。温度センサーと思われる。その小さなチップは基板に繋がっていた。バッテリーの温度情報をバッテリー基板上のMCUが取得し、MacBook AirのSMCに伝えているのだろうか。
バッテリー基板の各接続端子をテスターで導通を確認し、下図に整理した。
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あとがき
MacBook Airの内蔵バッテリーは、中身がどうなっているのか分からないのでモヤモヤしていた。思い切って内蔵バッテリーを丸裸にすると、そのモヤモヤが解消されスッキリした。そして、新たな道が開けそうな感じがする。