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カーナビ(Garmin nuvi)のバッテリー換装を行なった

友人からガーミン製カーナビ2台のバッテリーが劣化したので換装して欲しいと依頼された。2台のうち新しい方でも2013年に発売されたもの。すでに10年が経過している。換装バッテリーはデジカメ用の互換バッテリーなので耐久性は期待できない。10年も持たないだろう。次に換装する場合の覚え書きとしてnoteに作業メモとして残す。


経緯

友人からガーミン製カーナビのバッテリー換装をして欲しいとLINEが来た。

バッテリー換装の依頼
ちょっと命の危険を感じる
勇気を出して受けることにした。

準備

友人から預かったものを整理した。

カーナビ

  • Garmin nuvi 2590

  • Garmin nuvi 2595V

カーナビ2台

換装バッテリー

  • ROWA NP-60(2個)

換装バッテリー

工具(裏蓋開閉用)

  • トルクス T15 ドライバー

  • プラスチックヘラ

工具

充電アダプタ

  • nuvi 2595V用

参考ページ

換装作業(手順)

バッテーリー換装するカーナビは2台あるが、失敗のリスクを考慮して古い型番(nuvi 2590)の方から作業を進めることにした。
nuvi 2590とnuvi 2595Vの作業手順はほぼ同じだったので、nuvi 2595Vで行った作業手順を以下にまとめた。

1.念の為、micro SDカードを抜いておく。

micro SDを抜く

2.カーナビの裏蓋の四隅(写真の赤マル部)のネジ4本を外す。ネジはトルクス T5。

ネジ4本を外す

3.裏蓋を開け始める。電源ボタンの部分にやや大きめの溝があるので、そこからプラスチックヘラを入れ、写真の赤い矢印の方向に溝を滑らせる。

裏蓋を開け始める

4.カーナビ裏蓋を正面に見て右回りに、ヘラを蓋の溝に軽くこじながら少しづつ滑らせていく。
電源ボタンに触れないように注意。ボタンに触れて電源が入ってしまったら、起動が完了するのを待ってから電源を切る。

右回りにヘラを滑らしていく

5.最初の右側上部の爪が外れたら、ヘラを軽くこじながら溝を滑らせていくと次々と爪が外れていく。

爪が外れていく

6.蓋の周囲の爪がすべて外れても、いきなりガバッと裏蓋を開けないこと。
蓋の隙間から中の様子を確認する。下の写真では、左からマイクロフォンのケーブル(赤・黒色)、裏蓋開閉保護テープ(銀色:写真では黒っぽく写っている)、液晶のフレキシブルケーブル(茶色)が見える。写真の手前側(下部側)はマイクロフォンのケーブルと液晶のフレキシブルケーブルが液晶パネル側と繋がっているので、写真向かい側(上部側)から裏蓋を開く仕様になっていることが分かる。

中の様子を覗く

7.裏蓋の下部側を閉じた状態で上部側を開く。裏蓋開閉保護テープが突っ張って蓋がこれ以上開かない。

裏蓋開閉保護テープ

8.液晶パネルの裏に貼り付いている裏蓋開閉保護テープを剥がす。次にマイクロフォン端子を基板コネクタから外す。液晶のフレキに気を付けて裏蓋を完全に開く。
マイクロフォン端子を基板コネクタから外すには、ケーブルを持って上に上げると外れる。戻すときは端子をコネクタの上にセットし押し込む。
(尚、nuvi 2590にはマイクロフォンが付いていなかった。液晶側にはマイクロフォンの取り付けスペースがあるが、基板にはコネクタが付いていなかった)

裏蓋を完全に開く

9.アンテナ用のシールドを剥がす。バッテリーが完全に見えるようになった。

バッテリーが完全に見えた

10.バッテリー端子を基板コネクタから取り外す。脱着方法はマイクロフォンケーブルと同じ。

バッテリー端子を取り外す

11.バッテリーは裏蓋に強力なノリで貼り付けられている。金ヘラを端から少しづつ差し込んでバッテリーを剥がしていく。(金ヘラは持っていないので金尺を代用した)

バッテリーを剥がす

12.バッテリーが取り外せた。

バッテリー取り外し完了

13.取り外したバッテリーのケーブル取り出し口からカッターの刃を入れ、バッテリーのカバーを切り開いて充電基板を取り出す。(換装バッテリーには充電回路が実装されているので、この充電基板は不要)
次に、取り外した充電基板から端子付きケーブルを取り外す。

充電基板を取り出す

14.充電基板から取り外した端子付きケーブルを換装バッテリーと接続する前に、ケーブルに5cmくらいの電線をハンダ付けして延長する。ハンダ付け後は収縮チューブで絶縁する。
次の工程でバッテリーへのハンダ付け作業行う。その際の短絡(ショート)事故を避けるため、本工程を事前に行う。
(手持ちの電線は黒と赤しかなかったので、緑には黒で代用した→換装バッテリーにハンダ付け時は線を間違わないよう慎重に)

ケーブルを延長する

15.換装バッテリーの端子にケーブルをハンダ付けする。

換装バッテリーにケーブルを接続

16.両面テープを裏蓋に貼る。

両面テープを貼る

17.換装バッテリーを裏蓋に貼り付ける。次にバッテリー端子を基板に取り付ける。ケーブルは裏蓋を閉めた時に蓋に挟まれないよう注意し、バッテリーの横の空間に収める。

換装バッテリーを取り付ける

18.アンテナ用のシールドを元に戻す。(接着力は残っており再度貼れる)

アンテナ用シールドを戻す

19.マイクロフォンのケーブル端子を基板コネクタに取り付ける。裏蓋開閉保護テープを液晶パネルの裏側に貼り付ける。(接着力は残っており再度貼れる)

マイクのケーブル端子と裏蓋開閉保護テープを戻す

20.裏蓋を閉じる。カーナビ本体の周囲を指で押さえて爪を確実にはめていく。はめ終えたら、全周の蓋の隙間(溝)が均一になっていることを確認する。

21.カーナビの裏蓋の四隅のネジ4本を取り付ける。

22.最後に、micro SDカードを挿入する。

起動確認

電源を入れて、起動することを確認する。

起動を確認

バッテリー残量を確認する。nuvi 2595Vのバッテリー残量は90%くらいの表示だった。nuvi 2590は65%くらいだった。
(バッテリー残量に差があるのは製造からの時間経過が異なるのか?)

バッテリー残量を確認

充電テスト

nuvi 2595Vはバッテリー残量が90%とほぼ満充電状態だったので充電テストはできなかった。nuvi 2590はバッテリー残量が65%くらいだったので、充電テストを行いたかったが、借りている充電アダプタがnuvi 2595V用だったのでできなかった。(充電端子の形状が異なる。nuvi 2590がmini USB、nuvi 2595VがMicro USB)
充電テストはカーナビ引き渡し後に友人にお願いすることにした。

感想など

  • バッテリーの爆発事故をニュース等でよく耳にするようになったこともあり、バッテリーのハンダ付けは不安だったが、無事に終わって良かった。

  • 換装するバッテリーは端子に金メッキが施してあったので、ハンダの乗りが良く手早くハンダ付け作業ができた。ここが一番心配していたことなので安心した。

  • 裏蓋の取り外しは意外と簡単にできた。プラスチックヘラが使いやすかった。

  • トルクスドライバーは先端の精度も良さそうでグリップのタッチも良かった。

  • 純正バッテリーの粘着が強力で取り外しにコツが要った。最初、ヘラは中央部から入れたので難しかったが、端から少しづつ入れていくとスムーズだった。

  • 換装バッテリーの長さ寸法が純正バッテリーより少し短い分、ケーブル収納のスペースが確保できたので良かった。こういう偶然に感動する。

  • 換装バッテリーの厚みが純正バッテリーよりやや厚く感じたが、格納スペース的には問題なかった。

  • 作業をしている時の充実感、作業が終わって電源を入れる時の緊張感、そして動作した時の達成感がたまらない。やっぱり、自分は電子工作関連の修理が好きなのだなと改めて気付いた。

  • 以前から繰り返す可能性のある作業は、次回以降の作業が楽になるよう作業メモを残してきた。数年後に自分の作業メモを見ると、自分が書いたにも関わらず理解できない部分があった。今回、noteのような公共の場に作業メモを公開することは初めての経験だ。他人に見られるかも知れないと思うと、自信がないことは調べたり、できるだけ分かりやすい文章を書こうとする。公開することは良い方法だと気付いた。

  • 最後に、気付きを得られる機会を与えてもらった友人に感謝します。


【注意】 バッテリーの危険

  • ハンダ付け作業の際に、ハンダゴテの熱をバッテリーに加えすぎるとバッテリーから有毒な化学物質が出たり、火災や爆発の危険性があります。ハンダ付け作業に熟練されていない方は、バッテリーへのハンダ付けは絶対にやらないようにして下さい。

  • また、バッテリーを本体から取り外す際に接着が剥がれにくいからといって、バッテリーを折り曲げたり変形させるような無理な力を加えると、熱を加える場合と同様の危険性があリます

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