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iPhone 4S 分解アートの製作

はじめに

「分解アート」という言葉を知る。

初めてのスマホがiPhone 4Sだった。小さなボディが気に入って約6年間使った。その思い出を分解アートとして残すことにした。


製作動機

ほぼ使い途がなくなってしまった古いガシェットを「分解アート」という形で新たな命を吹き込む。iPhoneや任天堂ゲーム機などを分解して、外装と部品を標本のようにフレームに飾ったアート作品が以下のサイトで販売されている。

GRID STUDIO  https://www.gridstudio.cc

それらのアート作品のカッコ良さに衝撃を受けた。

作ってみたい!

過去にiPhone 4S専門に修理遊戯をしていた頃があり、iPhone 4Sは何度も分解したことがあるので分解作業は慣れている。iPhone 4Sには思い入れが深く、今でも2台保管している。そのうちの1台を「分解アート」という形で、部屋のインテリアとして飾りたいと思った。

製作方針

GRID STUDIOサイトのアート作品は部屋のインテリアとしては素晴らしい。ただ、じっくり見ると飾ってある対象部品や部品のレイアウトなどに違和感を感じた。

その違和感の原因を整理した。

  • 自分としては重要度が低いと感じるスペーサーやカバーなどがレイアウトされている一方で、センサーアセンブリとマイクの部品が省かれている。

  • 部品の向きや線の引き出し位置が正確ではない。

  • 部品名称がこれまで自分が使ってきた表現と異なる。(例:Main board ではなく Logic board)

  • 名称が表示されていない部品がある。

これらの違和感を取り除くことを含め、以下のとおり製作方針をまとめた。

  • できるだけ全ての部品をレイアウトする。ただし、小さなカバー、スペーサー、フレキシブルケーブル、ネジ類などの雑多な部品は省いてシンプルに見やすくする。

  • 部品の向きと線の引き出し位置はできるだけ正確にする。

  • 部品名称は電子機器修理情報サイト iFixt の表現を準拠する。

  • iPhoneの筐体はフロントパネルに取り付けた状態にする。(部品を取り外した筐体内部は美しくないし見せる必要性を感じないので)

  • 主要な部品はスペックを記載する。

  • iPhone 4Sの背景的な説明文を入れる。

  • ジョブズに敬意をを評し肖像画を入れる。

  • A4サイズのフレームにコンパクトに収める。(自宅にあるプリンタを利用)

製作準備(購入品)

準備として以下の3点を購入した。費用は710円かかった。

  • カードケース:110円 @Seria

  • 接着剤:110円 @Seria

  • ボックスフレーム:490円 @IKEA

カードケース

部品名称などを印刷した台紙は、A4のカードケースに入れることにした。カードケースを使った理由は以下のとおり。

  • 部品を直接台紙に貼り付けるよりも、プラスチック素材のカードケースに貼り付ける方が部品の接着力を強くできる。

  • 部品を接着し直さないで、台紙を差し替えて背景などを変えることができる。

背景は白地以外にグレー色も試したが、白地に黒色文字が見やすいので白地の背景を採用した。台紙を差し替えできたことは、カードケースに部品を接着した後、文字の修正が数回あったので都合がよかった。

接着剤

部品はカードケースに貼り付けるので、接着剤はプラスチック用のものを購入した。接着剤は部品側とカードケース側の両方に塗布し、5〜20分乾かしてから貼り合わせるタイプのものだった。

ボックスフレーム

IKEAでA4サイズの台紙が入るオシャレなボックスフレームを見つけた。品質が良いにもかかわらず490円と非常に安価だった。

製作手順

  1. iPhone 4Sを分解する。

  2. A4コピー用紙に部品をおおまかにレイアウトする。

  3. 部品をレイアウトした状態の写真を撮る。

  4. Pagesで写真を重ねて、文字・線などを記入して台紙を作成する。

  5. 作成した台紙を印刷する。

  6. 台紙に部品を仮置きし、文字・線などの位置を調整する。

  7. 上記5、6を数回繰り返し、レイアウトの微調整を行う。

  8. カードケースと台紙を一部カットする。(下図参照)

  9. カードケースに台紙を入れ、台紙のレイアウトに合わせて部品を接着していく。

  10. 接着剤を1日乾かす。

  11. 部品を貼り付けたカードケースをボックスフレームに納めて完成。

分解アートで使ったバッテリーはダンボール紙を利用して製作したダミー品を使った。

なお、iPhone 4Sから取り外したバッテリーは家電量販店で引き取ってもらった。

工具

  • ドライバー3種類(星型/+/ー)(分解用)

  • ヘラ(分解のバッテリー取外し用)

  • ピンセット(分解と部品配置用)

  • ニッパー(フレキシブルケーブルの切除など)

  • つまようじ(接着剤塗布用)

  • カッターとカッティングマット(カードケースと台紙のカット)

製作した分解アート

参考にしたサイト

おわりに

自作は楽しい。自分と向き合い自分の好みを確認しながら試行錯誤して作り上げていく。作る楽しみと使う(所有する)喜びの両方が得られる。


2025年2月7日
作成した台紙ファイル(Pages)を追加。