小惑星アポフィス、2029年に地球に大接近
99942アポフィス
アポフィス (99942 Apophis) は、アテン群に属する地球近傍小惑星の一つ。2004年6月に発見された。地球軌道のすぐ外側から金星軌道付近までの楕円軌道を323日かけて公転している。直径は約310mから約340mであり、小惑星番号が与えられている中では小さな部類である。質量は1.26×1011kg(1億2600万トン)であると推定されている
2004年6月19日、アメリカ合衆国アリゾナ州にあるキットピーク国立天文台にて、ハワイ大学のロイ・A・タッカー他2名によって新たな小惑星が発見された。この小惑星には仮符号2004 MN4が与えられた。
2004年12月24日、地球に衝突する確率を300分の1と発表し、トリノスケール2とした。同日、衝突する確率を1.6%(62分の1)と修正し、小惑星としては初めてトリノスケールを4に引き上げた。
2004年12月27日、176件の観測報告を元に、直径を390m、質量を7.2×1010kg、また衝突する確率を2.7%(37分の1)と修正し、トリノスケールで4。同日、新たに収集された観測報告に基づいて再計算が行われ、2004 MN4は少なくとも2029年には地球に衝突しないことが判明した。
2013年1月9日にNASAは、1月8日のアポフィスの最接近時(地球からの最短距離0.2433 AU)のハーシェル宇宙望遠鏡による観測で、従来よりもアポフィスの直径は大きい事がわかった。そして1月13日にNASAは、アポフィスの2036年の接近時における衝突の確率は100万分の1以下となり、実質的に衝突可能性ゼロと言えると発表した
トリノスケール4
接近距離は近く、天文学者が注意を払うに値するものである。今のところ衝突して広域の破壊がもたらされる可能性は1%以上と算定されている。さらに望遠鏡による観測を重ねれば、評価がLevel 0に切り替わる可能性はきわめて高い。遭遇が10年を切っているならば、公共、公共機関が注意するに値する。
ロイ・A・タッカー
ロイ・A・タッカー(Roy A. Tucker、1951年ジャクソン - )は、地球近傍天体のアポフィスを、ハワイ大学のデイヴィッド・J・トーレン、ファブリジオ・ベルナルディと共に発見したことで最も知られているアメリカ合衆国の天文学者
彼は1996年から2010年にかけて小惑星センターに登録されている702の小惑星を発見しており、自身が発見した小惑星に「奈須きのこ」、「新海誠」、「Kalafina」などの名前を付けている。
ハーシェル宇宙天文台
(ハーシェルうちゅうてんもんだい)
ヨーロッパ宇宙機関の赤外線宇宙望遠鏡計画である。2009年5月14日に打ち上げられた。計画名は赤外線を発見したウィリアム・ハーシェルに因んでいる。ハーシェル宇宙天文台は、2013年4月29日に観測運用を終了した。