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PowerBIとTableauを比較する
0,はじめに
ご覧いただいてありがとうございます😊
BI(Business Intelligence)ツールはたくさんのプロダクトがありますが、どれを選択するのがよいのかご質問をいただくことがあります。
いろいろなBIツールを試してみましたが今回はメジャーな選択肢としてPowerBIとTableauになると思いますので、当ページは両ツールを業務に利用している筆者の個人的ユーザー評価になります。
(2024年11月時点)
1,グラフ表示/レイアウト機能
BIツールに期待されるのが、いかに分かりやすく、美しく、必要な情報を表現できるか。そのための機能の充実度を比較します。
Power BI
各シートに複数のグラフ・表を配置しながらダッシュボードを作成していく思想
![](https://assets.st-note.com/img/1731206476-UT1GbjNcODEdqRLtwg7Z3K8H.png?width=1200)
ウォータフォールやリボンチャートなど新しいタイプのグラフが標準装備
![](https://assets.st-note.com/img/1731205973-dME8Cf2jVDtzBWUglrmRqshy.png)
Tableau
・グラフ・表をワークシートに個別に作成し、ダッシュボードにワークシートを配置してまとめる思想
![](https://assets.st-note.com/img/1731206350-CnLeMWbIOV152lg7zA3pc9YG.png?width=1200)
・グラフ・表のサイズを特定の枠の中で適切に調整してくれる。PowerBIではこのサイズの自動調整がない。
![](https://assets.st-note.com/img/1731206740-8VWETIp9cLO52eP1USjtDZfm.png)
・配置を整えるための機能が充実。コンテナを配置し、コンテナの中で最大表示を自動調整してくれる。グラフや文字を重ねたいときには、「浮動」を選択することでフレキシブルな調整ができる。
![](https://assets.st-note.com/img/1731206628-bjsX2GDC9OxaTliqQSVIyWcJ.png)
・ラベル・数値の必須表示・表示位置の変更。PowerBIでは必須表示やラベル位置の調整ができない。
![](https://assets.st-note.com/img/1731207823-Ra37iELojzphwJPKU6byt4MB.png?width=1200)
・豊富なカラーパレット設定と色設定が用意されており、初心者でもセンスある色使いができる。
![](https://assets.st-note.com/img/1731208292-s7lNmnTriU4ZOBL8qPb6eREj.png)
2,フィルタ設定機能
ユーザーが探したい情報にたどり着きやすいために、また掲載する情報量を削減し視認性を高めるためにフィルタ機能はとても重要な機能です。
・単一のデータソース内のフィルタ機能は大きな違いはありませんが、データソースをまたがる絞り込みが必要なケースに対して異なる点があります。
・複数のシートをまたがるフィルタ設定
・インポートとダイレクトクエリ
Power BI
Power BIの独自の強みある機能はあまりないかもしれません。
Tableau
パラメータの設定機能があります。これにより、動的で、柔軟かつ、複数データソースをまたぐフィルタ設定が可能になります。
コンテキストフィルタの設定により、優先順序をもったフィルタ設定ができます。早めにデータ量を抑制できるフィルタを処理することで、計算の負荷軽減につなげることができます。
Tableauのフィルタ優先度
![](https://assets.st-note.com/img/1731208892-CrUxBp2qmdtcPzR0LDXnuvbQ.png?width=1200)
両ツールの具体的なフィルタ設定を説明していますので、こちらもご参照ください。
4,集計階層の指定関数 LOD/DAX
表形式の集計においてBIツールは、以下のようなセルごとにフィルタをかける処理を行い、メジャー項目のCountやSumやAverageをしています。
比率計算において、基数(分母)は、このフィルタを1階層引き上げて引用してくる必要があります。
このための計算処理はPowerBIではDAX<Data Analysis Expressions>関数、TableauではLOD<Level of Detail>関数というものが用意されています。
具体的には以下のようにそれぞれ表現します。
Power BI DAX関数での比率算出
比率 = DISTINCTCOUNT('ローデータ'[ID])/CALCULATE(DISTINCTCOUNT('ローデータ'[ID]),ALLSELECTED('ローデータ'[マスタ.選択肢名称],'ローデータ'[マスタ.選択肢番号]))
Tableau LOD関数を使用した比率算出
COUNTD([ID])/ATTR({EXCLUDE [選択肢名称],[選択肢番号] : COUNTD([ID])})
両ツールの具体的な設定についてはこちらも参照ください。
5,ETL(Extract Transform Load)機能
BIに取り込むデータソースからデータを取り込み、データ変型・加工を行い、必要な場所にデータを出力する機能です。多くのBI作成業務においてBIに取り込む以前にデータのクリーニング・フィルタ・結合等の処理を行います。
・接続先の設定
・加工機能
・出力機能
PowerBI
・PowerクエリがETL機能を担います。PowerクエリはEXCELでも使用できますので、一度この機能を覚えることで、EXCELの業務レベルも向上できます。
・複数の異なるデータソースの結合処理をモデルビューで行います。(Powerクエリでも異なるデータソースの結合処理が可能ですが、多くのPowerBIユーザーはモデルビューでの結合を行っています)
Tableau
・ETL用のツールとして、Tableau Prepを無料で提供しています。
6,レポートシェア機能
ビジネスの進捗状況を確認できるダッシュボードは、多くの利用者でシェアされることが主な目的です。レポートをシェアするための環境はセキュリティ機能も重要となります。
Power BI
マイクロソフトの一連のサービスに、PowerBIサービスが含まれており、社内の環境にアップロードしレポートをシェアすることができます。多くのマクロソフトサービス利用企業にとって、使いなれた環境(TeamsやSharepointへのレポート公開など)につなげやすい点でPowerBIは圧倒的に有利なポジションです。
Tableau
TableauServerを導入する必要があります。SalesForce社と連携し業務に組み込むことができます。
動的なビジュアルをウェブサイトに埋め込みでオープンに発信したい場合にはTableauはバブリックなサーバーを提供していますので無料で共有することができます。
Tableau Publicでは多くのユーザーから魅力的なビジュアルを公開・共有されています。
また契約サービスに、TableauOnlieを含んでいますので、AZURUのような大規模な社内インフラを契約していない中小企業であればTableauOnlineでのクローズドな環境での情報共有が有効です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
こちらにまとめを作っていますので他の記事もご参考ください。
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個別にご質問に回答させていただいたり、今後の記事のテーマにしたいと思います。