自動車開発の思い出 その12
米国ディーラーの恐るべき修理
テスト車両の日本車の中にトヨタのカムリがありました。当時の日本のカムリは大衆車の真ん中か少し上のあたり。庶民的な車ですが、北米仕様はなんとV6エンジンが載っていました。
米国人がV8が好きなのは分かっているけれど、コストやエンジンルームの制約、燃費もあってそうしたのでしょう。
おそらく米国内だけの仕様だと思いますが、イグニッションスイッチをONにすると、シートベルトがAピラー(フロントガラスの枠)にレールが内蔵されていて、前部から「シュルー」っとスライドして来て、ルーフ下を通過、左肩の後ろまでオートでシートベルトを運びます。
そして、シートベルトをロックしないとエンジンがかからない仕組み。今は分かりませんが、滞在していた州はまだノーヘルでオートバイに乗るのは問題なし。でも車はそんな安全基準でした。だったら、ノーヘルも規制しろよ!と思うのですが…。
そのカムリがオーバーヒートするというので、ディーラーへ修理に出しました。何日かして帰って来たのはいいのですが、車をガレージに戻してしばらくしても電動ファンが回っています。
エンジンを止めても、しばらくは冷やすためにファンが回っている車は国内仕様でもありますが、そのまま気にせず帰宅。翌日になるとバッテリーが上がっていました。
それで、おかしいとなり配線を辿っていくと、なんと、電動ファンの配線がバッテリーに直結されていたのです!
それはバッテリーは上がりますよ。一晩回り続けているのだから…ww.。
「これがディーラーの修理一?体何を考えているの?」と呆れ返りました。
私なら、サーモスタットの開く温度を低いのに替えるとか、電動ファンの温度感知センサーを低い温度の物に交換するとか、電動ファンを大きくするとか、ラジエターを大きくするとか、お金がかからない物からやってみればいいじゃないですか!
今だったら、間違いなくラジエターの除電です。先日、それについて書いた記事です。
調べたら、トヨタ自動車が除電でラジエターの冷却効率を高める特許を取得していました。またまた同じことをやっていた訳ですが、逆に言えば当ブログの信頼性が高まります。私一人が思い込みで書いているのではなく、除電方式が違うだけで、確かに除電は効果がある証拠ですから。
ディーラーは高いお金を取るのだから、お金をかけてでも対応すべきです。そこでちゃんと直さないと次は買ってくれません。日本ならありえないでしょうけど、こんな直し方というか、直っていません。
みなさん、どう思われますでしょうか。
下の写真は、今回、除電の技術協力をしている工業高校に納品したマジ軽ナットシリーズです。今年もホンダ エコマイレッジチャレンジ(エコラン)に参戦する為の追加購入分。県立で厳しい監査が入りますから、いい加減な物は納入出来ません。学校長の許可が必要です。
エコランの参戦は部活としてですが、学校の予算の中からお支払い頂いていています。部活の顧問のS先生は、Dax125でほぼフルに近い除電チューニングをしていて、その効果に驚かれています。
この学校に初めて除電技術の電話をしたのは、一昨年の10月。自転車を持ち込み体験走行をしたのが去年の5月。なぜそんなに時間がかかったのかというと、電話で話した前顧問の先生が、除電で「そんなこと、ある訳ない」と、どう断ろうかずっと考えていたからだそうです。もちろん、学校行事の関係もありますけれど。
除電の効果を否定されるのは慣れっこだから、「理屈云々は抜きにして、乗れば分かりますから」と自転車を持ち込んで、自分の足で体感してもらった訳ですが、本来の目的は、これから日本の産業を担う高校生に新しい技術を知って欲しい。除電はこれからの成長産業なのです。
今ではこの学校の先生方の間で除電が広まっています。除電の説明が理解出来るのは、さすが工業高校の先生ですね。
エコランで使用するスーパーカブのエンジンに「これを○○と△△に付けようと思っているんです」とS先生。「エンジンはXXと▢▢に付けてみてください」とお伝えしました。どこでも付ければいいというものではありませんので。
購入して頂いた以上、今までのノウハウからアドバイスもします。「除電しすぎはダメですよ」。除電を書いているブログはありますが、除電し過ぎは効果が低くなる事を書いているブログはここだけでしょう、
(車の)「もう一台はロードスターなので、そっちもやらなくちゃ」と仰っていました。「やらなくちゃ」というのが面白いですね。もちろん、自分のオートバイや車の分は自腹です。
乗り物の除電チューニングで一番重要な部分は駆動を路面に伝えるタイヤです。タイヤで除電の効果を確認して「除電は面白い」と興味を持たれたら、ご連絡下さい。ノウハウを基にお勧めして、各箇所に合うように特注を承っております。