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トヨタのサスペンションの除電特許 その3

サスペンションも除電でスムースに動く

好評の除電の特許解説シリーズ。中学生レベルでも解るように、回りくどくて難解な”特許庁文学”をやさしく解説しています。
静電気の悪影響がどのように働くのか、それを取る(除電)と、どのような事が起るのか、自動車レースではもはや当たり前の除電チューニングですが、まだ一般的ではないのでトヨタ自動車の特許文献を紐解きます。

”その2”まではGoogle経由の特許文献でしたが、連番が省略されていて見つけにくいので、大元の特許文献をコピー&ペーストして引用します。
こちらが元ネタですので、内容は同じ物です。太文字が特許文献、その下に解説を記載します。

【0014】
  上記の構成によれば、ショックアブソーバを構成する部材及びショックアブソーバに接続された付属部材の少なくとも一方である特定の部材の表面に自己放電式除電器が設けられている。この除電器は、その周囲の空気を負の空気イオンに変化させ、空気イオンを特定の部材の正の電荷に引き寄せて中和させることにより除電し、特定の部材の帯電量を低下させる。よって、ショックアブソーバ内の作動液体に帯電する電荷が特定の部材へ移動することにより作動液体の帯電量が低下するので、作動液体の粘性が過剰な電荷の帯電に起因して高くなり減衰力が過剰になることを防止することができる

ショックアブソーバーまたは付属部材の表面に自己放電式徐電器を取り付けてある。表面と書いてあるのは、トヨタの特許は主にアルミ箔等を貼り付けるという「面積を使って除電する」方式。「自己放電式徐電器」は電気を使わずに放電して除電するトヨタ自動車の特許の名称です。

自己放電式徐電器は、周囲の空気を負(⊖)の空気イオンに変化させ、空気イオンを特定の部材の正(⊕)の電荷に引き寄せて中和させる事で除電して、特定の部材の帯電量を低下させる。その性質を利用して帯電量を低下(除電)させる。
除電するとショックアブソーバ内の作動液体(通常はオイル)に帯電する電荷が特定の部材に移り作動液体が除電される事で、粘度が高くなって減衰力が過剰になる(作動が悪くなる)のを防げる。

トヨタは部材や付属部材の表面に自己放電式徐電器を貼り付けるのですが、マジ軽ナットの特許はネジ・ボルトで固定出来るので、例えばこのように取り付けます。

サスペンションの余っているネジ部に取り付けます
マジ軽バンドは倒立フォークにも取り付けられます

どこでもいいから除電部材を取り付ければいいというものではありません。
どこにどう付けるのか、ノウハウも必要なのです。
マジ軽バンドはバンドを締め付けて固定します、容易に取り付け場所を変えられるので、実際に走行して一番フィーリングが良い箇所で確定します。
このあたりを面白いと思うか面倒と思うか、ここでもノウハウをお伝えしていますので、その範囲で決めれば良いのです。

【0015】
  なお、上記の構成によれば、複雑な構造の静電気除去装置はなくてもよく、よって静電気除去装置を導線によりバッテリのマイナスの端子及び車体に接続しなくてもよい。また、自己放電式除電器は、特定の部材に帯電する電荷を利用して所謂自己放電を行い得る例えば薄い導電体であってよいので、静電気除去装置を設置する場合のような大きいスペースは不要である。

自己放電式徐電器であれば、複雑な構造の静電気除去装置は必要なく、バッテリーや車体へのアーシングは必要がないと書いてあります。これに関しては、私は少し違う意見を持っています。
静電気の帯電量は常に変化しており、必要に応じてアーシングが必要になる場合はあると考えていますし、それで更に良くなった実例があります。
マジ軽ナットシリーズの放電量が少ない訳ではなく、合わせ技で効率良い除電になる場合があります。
また、自己放電式徐電器は自己放電するならば薄い伝導体でいいので、電気を使う装置ではないため、大きなスペースは不要です。確かにその通りなのですが、この方式で放電量を担保するのには面積が必要です。除電箇所が入り組んでいる場所、部品を外さないと貼り付けられない箇所、足回り等汚れが付いてしまうと放電量は減ってしまうので、取り付けに向かない場合もあります。

【0016】
〔発明の態様〕
  本発明の一つの態様においては、前記特定の部材は前記ロッド部に接続された付属部材としての樹脂製のダストブーツであり、前記自己放電式除電器は前記ダストブーツの表面に設けられており、前記ロッド部及び前記ダストブーツは、前記ロッド部から前記ダストブーツへ電荷の移動が可能であるよう接続されている。
特定の部材とは、ショックアブソーバのロッド部(シャフト)に取り付けられている樹脂製のダストブーツであり、その表面に自己放電式除電器が取り付けられていて、ロッドからダストブーツへ電荷の移動(静電気の移動)が出来るように取り付けられている。
ストラットの展開図はこのようになっています。このように接続(取り付け)されているので、放電する場所に静電気が流れる訳です。静電気を除電する事で、サスペンションが少ない力でスムーズに動くようになり、いい走りが出来るようになる。

トヨタはサスペンションの各部に貼る方式

マジ軽ナットでも、このように物理的に繋がっているので、特定の箇所だけではなく、周辺部分も多少は除電します。ダンパー(ショックアブソーバ)がへたってしまい交換しようとしていたのが、交換せずに済んでいると連絡を下さったユーザーさんもいます。
タイヤの性能が引き出され、ダンパーの劣化した分を補った訳です。注文してしまった社外品のダンパーがそのまま保管してあるそうなので、「新品は動きが渋いですが、新品でも動きが良くなるはずですから交換してみて下さい」とお伝えしました。
サスペンションを除電すれば動きが良くなるのは、この特許文献からも明らかです。
ではどんな方式で除電するのか、という事ですね。除電方法ではこの特許を真似た物をよく目にします。
特許文献を読み込んでいくと単にアルミ箔やテープを貼るだけではなさそうです。もう13年近くも除電をやっていますから、特許文献に書いていない部分も分かる事がありますが、それをお伝えする事はありません。
そもそも、金属箔を貼る除電方式はトヨタの特許であり、有効期間内に真似する事は特許権の侵害です。
それを同じ除電グッズを販売している私が幇助する事になるので、それは
出来ません。
その辺のアルミテープを貼って効果があるのかどうかは分かりませんが、例え効果が無くても取り付け(使用)も犯罪ですのでやめた方が賢明です。
ちなみに私は試した事はありません。トヨタがこの特許を申請する前から、マジ軽ナット・ボルトは出来ていましたので。

除電の一番の基本がタイヤ、路面に接しているのはタイヤしかありませんから。そして、取付けも極めて簡単、4輪で2~3分です。
例えば、ホンダのアフタマーケットパーツで、「パチッ」とならない為の除電シールが4千円前後で販売されていますが、それでサスペンションの動きが良くなったり、転がり抵抗が減る事はありません。
ちなみにマジ軽ナット タイヤ用を取り付けると24時間放電し続けますので、ほぼ「パチッ」となる事はありません。「そういえば、パチッとしてません」という報告はたくさん受けています。
悪い事は起こると気になるものですが、無くなると気づきにくくなります。
マジ軽ナットユーザーの方は、これからの季節は気にして下さいね。
ご注文はネットショップからどうぞ。


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