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トヨタのタイヤの除電特許 その3


  特許庁文学を読み解きます

特許を取得する理由は「ウチはこういう技術を持っている。技術を開示するから特許法に基づき、許可なく利用してはならない」というもの。
そして”自分の特許の範囲をなるべく限定せずに、他の特許申請予備軍や閲覧者から守りたい”という書き方になります。それが回りくどい書き方になってとても分かりにくいので、霞が関文学ならぬ特許庁文学と名付けました。

太文字がトヨタ自動車の”タイヤとホイールの静電気を除電して、転がり抵抗を減らすと同時に、性能を向上する”特許のコピー&ペーストで、その下に解説を書いています。

【0009】
  上記の目的を達成するために、この発明は、車体に取り付けられる環状のタイヤホイールと、前記タイヤホイールの外周に取り付けられる非導電性材料で形成されたタイヤとにより構成された一対の前輪および一対の後輪を備えた車両の除電装置において、前記タイヤホイールは、塗料を含む非導電性材料の所定部材が取り付けられ、前記所定部材は、前記車両の外側に露出しかつ前記タイヤホイールの回転中心から前記タイヤホイールの半径方向に予め定められた所定距離、離れた所定部位を有し、前記タイヤは、前記タイヤホイールに取り付けられる内周部を有し、前記内周部と前記所定部位との少なくともいずれか一方の車幅方向における外側に露出した面に、前記露出した面に帯電した正の静電気の電位が予め定められた所定電位以上となることによりコロナ放電が生じる自己放電式除電器が取り付けられていることを特徴とするものである。

ホイールとタイヤには、塗料を含む電気を通さない材料を取り付け、タイヤホイール外側の中心から所定の距離と離れた部位があり、かつ、タイヤホイールの内側と外周の少なくとも一方の外側の面に帯電した正(⊕)の静電気の電位が一定以上になるとコロナ放電をする自己放電式除電器(トヨタの特許の名称)が取り付けられている。
翻訳しても難しいので、取付けの位置を表したものでイメージ出来ると思います。

様々な箇所に除電素材を付けて検証しています

【0017】
この発明では、前記タイヤホイールは、前記車体に取り付けられる中央部と、前記中央部に連結されかつ放射状に形成されたスポーク部と、前記タイヤが取り付けられるリム部とを有し、前記所定部材は、前記スポーク部と前記リム部とのうちの少なくともいずれか一方の部分に塗布された塗料を含んでよい。

ホイールの除電箇所は上の図のような場所。ホイールのスポーク部とリム部のうち、どちらかに塗られた塗料でも良い、という事です。トヨタの特許の基本は”面積で除電する”考え方なので、金属箔を貼るだけではなく、それを金属入りの塗料でも除電する可能性を残している訳です。塗料でも面積は確保出来ますからね。だから、塗料という単語が出て来る。
このように”面積を使って除電”するという考えだから、エアーバルブにアルミ箔を貼ったり塗装をしたところで面積は稼げませんから、もともと除電箇所の考えに入らなかったのでしょう。
マジ軽ナット特殊金属と形状で効率良く除電する、しかもネジで固定出来て小さく軽い。この特許が、いかに優れたアイデアかはお分かり頂けるでしょう。

【0018】
  この発明では、前記所定部材は、前記タイヤホイールに取り付けられかつ樹脂材料で構成されたホイールキャップであってよい。

ホイールだけではなく、プラスチック製のホイールキャップも適用範囲を登録しています。プラスチックは”非導電性材料”、つまり電気を通さないから帯電量が多い部分。なので、ホイールキャップも特許の範囲にしたのです。
上の図で一番”面積”が稼げるのはホイールの内側の部分。そこにアルミ箔をぐるっと貼って試した人がいるらしい。効果のほどは分かりませんが、素人考えだからお止め下さい。
高速で回転するホイールの内側には重要保安部品であるブレーキがあり、ゴム製のブレーキホースやセンサーの配線もあります。
いくらアルミ箔だといっても、風や回転で巻き込んだらブレーキが効かなくなったり、剥がれて散れば他の車にも迷惑がかかりますし、一度雨が降ったら、表面が汚れて放電効果は大きく落ちます。

そんな命がけで試さなくても、ネットショップからかんたんにお手元に届きます。車を買い換える時には、外して次の車に付け代えればずっと使えます。送料は実費、追跡可能な速達扱いのゆうパケットで発送しています。

転がり抵抗について調べていると、道路上を走る乗り物だけではなく、舗装路面でも転がり抵抗を減らす舗装の研究をしていました。道路の管轄は国土交通省、つまり転がり抵抗の軽減は、国を挙げて取り組んでいる課題と言えます。
だったら、マジ軽ナットを付ければかなり低減出来る。工具不要で乗用車でも取り付け時間は3分程。簡・易・安のチューニングです。

物を動かすのには停止状態(ゼロ)から動かすのに一番力を要します。
これは小学校の理科で学んだから、覚えてらっしゃるでしょう。
だから、Stop&Goが多い市街地は燃費が悪くなる。こちらでも転がり抵抗が少ない方が燃費に有利です。
ECOモード発進の車でも出足が良いので喜ばれています。
「転がり抵抗が減れば、タイヤも長持ちしますね」とおっしゃったのは、フリーマーケットで場所を提供して下さった、日産プリンス神奈川の店長さん。
これを例えるには、紙に書いた文字を消しゴムを消すのに、軽く擦るのと力を入れて擦るのとでは、どちらが消しゴムは長持ちするかを考えれば、小学生でも分かります。
国内でもニュースになりましたが、環境意識が厳しい中、タイヤメーカーはタイヤの摩耗による空気中のダストの軽減までも要求されています。
ここでも転がり抵抗をいかに少なくするかが課題となっているのです。

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