![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161841337/rectangle_large_type_2_67d81fee0d387693cb070dd2809eb95a.jpeg?width=1200)
トヨタのサスペンションの除電特許 その7
安価で性能を向上=除電
SNSで高価なサスペンションをSNSに掲載している方がいます。高価な足回りを購入出来たら、それは嬉しいものです。
私は外国製の高級メーカーのサスペンションに交換する勇気がありません。その理由は、一般道の幅広い路面状況で自分の乗り物に合ったセッティングを出すのが困難だからです。
セッティングとはダイヤルを回すだけでなく、サスペンションオイルの量や粘度も含めてのセッティングです。
オートバイのフロントフォークでも動きが良くなるようにと、オイルの番手をOWにしてその代わりにオイルの量を増やすという事はやっていました。段差から飛び降りるとインナーチューブが底付きする、それで5cc増ずつシリンジで注入したりとやりましたが面倒な作業です。
有名な社外メーカーは○○用 ✖✖年式用というふうに適合車種をカタログに書いていますが、各車走行テストはしていると思うでしょうか?
適合とはその車種に物理的に取り付けられるかどうかの適合であり、多種多様な自動車やオートバイの性能に合わせてバネレートや作動油(サスペンションオイル)の微妙な量まで走行テストを経て決めているとは思えないのですが。
ある車屋さんがカスタムで車高を下げるダウンスプリングを作って販売していましたが、試作で数本作り「この低さになるなら良い」という感じで、走行テストもせずに販売していたのを知っています。
一方、純正のサスペンションはその車に合わせて、1台当たり最低でも数千時間は走行しています。テスト走行するのは1台だけのはずはありませんから、延べで言えばその10倍以上は走行しています。もちろん純正ですからスポーツ走行寄りとは限りませんが、社外のサスペンションに比べて桁違いに走行しています。
自動車メーカーなら、走行終了後は全バラして各部品を検証します。数十人が各部品を見て周り問題点を探します。私も何台もの全バラ検証をしましたが、サスペンションのメーカーはどこまでやっているのでしょう。
レースなどでセッティングするのはそのマシン・ドライバーに合ったセッティングを詰めていきます。これは決められた走行条件に合わせてセッティングするのはご存じの通り、レースだからこそ膨大な時間と費用がかけられるのです。
それを考えると、純正で有名メーカーのサスペンションが装備されているのは、相当な時間の走行テストがされていますので、個人的にはこれがベストだと考えています。
そうでなければ、これから解説するように長い時間テストされている純正のサスペンションを、除電によって性能を引き上げる方が総合的に良いのではないでしょうか。
前置きが長くなってしまいましたが、トヨタ自動車の除電でサスペンションの性能が向上する特許の解説です。
今までと同じく、太文字が特許文献のコピペ、その下にやさしく解説を書きます。
下図がショックアブソーバーの断面、まずはこの構造を見ながら読んで下さい。
![](https://assets.st-note.com/img/1731567895-yYZRuvHBiUka5b97e8G1hOLg.jpg)
従って、第一の実施形態によれば、ショックアブソーバ16のシリンダ12及びピストン14に接するオイル76に帯電する正の電荷をシリンダ12及びピストン14へ移動させ、これによりオイル76の電荷の帯電量を低減することができる。なお、ショックアブソーバ16が伸縮する際にピストン14がシリンダ12に対し変位し、オイル76が撹拌されるので、正の電荷の低減は、実質的にオイル76の全体について行われる。よって、オイル76に正の電荷が過剰に帯電することを防止することができるので、オイル76の粘性が過剰な電荷の帯電に起因して過剰に高くなりショックアブソーバ16の減衰力が過大になることを防止することができる。
特許解説の「その6」の続き、図のショックアブソーバー本体(16)のシリンダー(12)及びピストン(14)に接するオイル(76)に帯電している⊕の静電気をシリンダー及びピストンに移動させ住事で、オイルの帯電量を低減(除電)する事が出来る。
ピストンが伸縮する事によりオイルが撹拌される事でオイル全体が除電される。これによって⊕の電荷がオイルが過剰に帯電する事を防止出来るので、除電によりオイルの粘性が静電気の帯電に起因して過剰に高く(動きが悪く)なり、ショックアブソーバーの減衰力が過大になる(動きが悪く)のを防止出来る。
要は、仮に設計で作動油の粘度#10を入れたしても、静電気の帯電によりオイルの粘度が高くなり動きが悪くなってしまう。除電をする事で元もとの粘度に近くなる=動きが良くなる、という訳です。
![](https://assets.st-note.com/img/1731567895-OGwetmAxVzgndqlIr916EL2b.jpg)
【0061】
特に、第一の実施形態によれば、自己放電式除電器90Aは、ピストン14が標準位置にあるときの環状室74内のオイル76の液面よりも下方にてシリンダ12の外側シリンダ12Yの表面に固定されている。よって、除電器90Aが環状室74内のオイル76の液面よりも上方にて外側シリンダ12Yの表面に固定されている場合に比して、外側シリンダ12Yの除電により環状室74内のオイル76の帯電量を効率的に低減することができる。なお、除電器90Aの一部又は全部が、ピストン14が標準位置にあるときの環状室74内のオイル76の液面よりも上方に位置していてもよい。
自己放電式除電器(90A)は、(下図)ショックアブソーバーのピストン(14)が標準位置にある時の環状室のオイルの液面より下方で外側のシリンダー(二重構造になっている)の表面に固定している。実際には貼っているのですが、ここで「貼っている」と限定してしまうと、「ならば貼らずにワイヤーで固定すれば、特許権を侵害しない」となるので、固定方法を限定しないよう「固定」という言葉を用いており、防御的に範囲を広く取っている訳です。
よって、除電器(上図90A)が環状室(下図74)のオイルの液面より上方で外側のシリンダー(12Y)の表面に固定されている場合に比べ、外側シリンダーの除電により環状室内のオイルの帯電量を効率的に低減する事が出来る。
なお、除電器の一部または全部がピストンが標準的にある時の環境室内のオイルの液面より上方に位置していても良い。
【0062】
また、第一の実施形態によれば、自己放電式除電器90Bが外側シリンダ12Yの下端部の表面に固定されている。よって、外側シリンダ12Yの下端部の表面に除電器が固定されていない場合に比して、除電器90Bによる外側シリンダ12Yの下端部の除電により、エンドキャップ64を介して内側シリンダ12Xの帯電量を効率的に低減することができる。
自己放電式除電器(90B)が外側シリンダー下端部に付けられていない場合に比べて、下端部での除電によってエンドキャップ(64)から繋がっている二重構造の内側の筒(12X)の帯電を効率的に除電出来る。
この場合、自己放電式除電器ではなく、マジ軽ナットを付けたしたり、マジ軽バンドをサスペンションに巻く事もあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1731567895-d2MXZzUCWPVK03jtAIbafohx.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1731567895-6CTidwVaAtKzZSYoMFXN59n0.jpg?width=1200)
これでお分かりの通り、電気ですから金属ならば導通します。大好評のオートバイ用のミッション用のマジ軽ボルトですが、「ミッションを除電するというのに、何でシフトべダルに付けるんですか?」という質問がたまにありますが、この特許に書いてあるように繋がっていれば電気が流れのです。
シフトぺダル⇒シフトメカニズム⇒シフトドラム⇒ミッションと、機械的に繋がっていますから、シフトペダルを通じてミッションまで除電出来るのです。ミッションはたくさんのギアが回転しながらスライドして変速します。更にオイルで潤滑していますから、オイルが帯電により粘度が高く(硬く)なる事で、パワーロスが増えると共にギアの動きも悪くなります。
これらの除電の相乗効果によって、シフトドラムやミッションの動きが改善されて、小気味良いシフトチェンジやパワーロスが軽減されるので、いい走りが出来るのです。
今年の2月か3月に群馬で北関東カブミーティングがありました。それに向けてエクスチェンジマートで「来週、カブミーティングに行くからさぁ」と、ミッション用のマジ軽ボルトをお買い上げ頂いたMさん。Mさんはカブを数台とBMWのパリダカ、ホンダのNバンのいづれも除電チューニングをしています。
![](https://assets.st-note.com/img/1731569910-ZWBRUmtlQ8Xc627hdxIeYfsO.jpg)
その後、「ギアダウンの症状が改善されました」との報告がありました。
それだけでは何がどう改善されたのか分からないので、詳しく教えて欲しいとリクエストしました。「3速で走行中に、突然2速ギヤにシフトダウンしてしまう症状が出なくなった」、「マジ軽ボルトの取り付け前は3速 70km/hで走行中(2速に)ギヤダウンして怖かったです」とのインプレションでした。
3速70km/hから突然2速にシフトダウンしたら、それは怖いでしょう。その症状が除電で出なくなったのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1731570164-D8XcqwUmbFxd0gieIRLKhO5B.jpg)
なぜそうなったのかを推察すると、ミッションを動かすシフトフォークの動きが悪く、ギアが完全に噛み合う所まで動かせなかった。その為に負荷がかかるとギアが動いてしまって、突然2速に入ってしまうのでしょう。
シフトフォークの動きが悪い要因はいくつもあります、走行距離が進んで摩耗したり、焼けがあったり、ピンが摩耗していたり、もちろん静電気の帯電もあります。
いくつかの要因のうち静電気だけ除電したら、ちゃんと動くようになったのでギアがしっかり噛み合った結果、症状が無くなったという事でしょう。
本来ならばエンジンを下ろし、クランクケースを割って原因を究明し、必要があれば部品を交換する事案です。それがマジ軽ボルト一本で解決。ちなみにタイヤにはもちろんマジ軽ナットは装着済みです。
Mさんとはエクスチェンジマートで知り合いましたが、出店したら必ず来店して下さり、「マジ軽ナット凄いよ、ミッションが直っちゃうんだから」と毎回言われます。マジ軽ボルトなんですけどね。
このようにタイヤ∔ミッションの除電も相乗効果が大きいので、セットで販売しています。ボルトのサイズはM6とM8の2種類となっています。
更に、オーソドックスなチェーンアジャスターのM6/M8の汎用マジ軽ナットをオプション設定しています。オートバイは、ほぼマニュアルトランスミッションですから、オートバイの三種の神器です。
![](https://assets.st-note.com/img/1731567895-eYiIDGg128arvLmtPXxNkCRs.jpg)
カブだけではなく、他のオートバイでも小気味良いシフトチェンジになったと評価を頂いています。マジ軽ナットヘビーユーザーTさんのNSR250Rの例です。
![](https://assets.st-note.com/img/1731567895-Rkr4ZYiOT15MtE0vFj879cqX.jpg?width=1200)
ヤマハのXJR1300オーナーの Oさん。当ブログをよく読んで頂いています。除電に興味を持たれてマジ軽ナット タイヤ用を購入されました。その効果の詳細なインプレッションを送って下さいました。
ライディングアドバイザーをされているそうで、どう走れば安全にいい走りが出来るかの先生。
その様な事をされている、もうお一方も除電チューニングの大ファンです。福島県でサーキット走行の先生をしている新垣 敏之氏。ホンダHRCやヤマハ ROC WGP500で走っていた元プロレーサーです。
Oさんはタイヤの除電で効果を確認した後に、直接連絡を頂いたのでミッション用の汎用マジ軽ボルトとドライブチェーンとサスペンションを除電する汎用マジ軽ナットをお勧めしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1731572688-7KnxD2JqLU1lGAsRYuZFV3TQ.jpg?width=1200)
写真は別のXJRですが、オーソドックスなチェーンアジャスターではないので、リアサスペンション取り付けボルトに汎用マジ軽ナットを取り付けます。
取り付けてから Oさんからメールが届きました。わざわざ動画も送って下さいましたが、センタースタンドを立ててエンジンを暖気したら、リアタイヤがいつまでも回っているという、驚きのコメントでした。もちろん、今まではそのような事が無かったから驚かれた訳です。
なぜそうなったかを説明すると、静電気が帯電すると各部品が動こうとする邪魔(抵抗)をします。フリースを脱ぐ際に静電気が起こると、静電気が起きない時と比べ、より力が必要ですね。原理はこれと同じですから、邪魔している物を取り除けば、動きが良くなるのは当たり前です。
もう一つはドライブチェーンでタイヤを回転させると、細かい部品が擦れ合って回転するので、静電気が多く発生してしまいます。
エアコンの室外機のコンプレッサーは冷媒を循環させるものですが、静電気が発生してしまうので、アースを地面に刺して放電させていますね。
何度も書いている通り、タイヤから路面へも少しは放電していますが、全然足りていません。
ドライブチェーンはグリスで潤滑していて、今書いているトヨタのサスペンションの特許文献にあるように、オイルやグリスが帯電すると粘度が高くなります。つまり、グリスによる抵抗が増えて動きが悪くなっていた。だから今までは抵抗が多くてタイヤが回転しなかったのです。
それが除電されたので、チェーンのグリスの粘度が下がり、動きが良くなって、慣性力だけで回転するようになったという訳です。
Oさんはもう一つ驚かれた事がありました。マジ軽ナットを付けたら、乗った感じで明らかにリアの車高が上がっていて、調整して下げたそうです。
これも説明しないといけませんね。マジ軽ナットに金属を伸ばす能力は、もちろんありません。XJRは高価な O社のサスペンションが標準装備となっています。実は O社のサスペンションは凄く帯電するのです。
サスペンションはシャフト(ロッド)にオリフィスが付いていてその
穴を作動油(オイル)が通過する事で適度な伸縮を確保しています。
そして作動油が漏れないように、オイルシールでシャフトを締め付けていますから、摺動によって静電気が発生します。
これは小学校の時に理科で習った、エボナイト棒と毛皮を擦って静電気を発生させるのと原理は同じです。先ほどのように、帯電でオイルの粘度が上がります、それを放電しないと何と1,000V以上にもなると、この文献に書いてあります。
簡単に言うと今までは帯電によって、サスペンションの動きが悪く伸び切っていなかった。除電したら動きが良くなって、伸び切る事が出来たのでリアの車高が高くなったという訳です。
これが前述の高級サスペンション=高性能とは限らないという事です。
除電チューニングは「邪魔なものを取り去れば、その分動きや効率が良くなる」という効率化のチューニングで、ローフリクションチューニングと似ています。
何かを足すのではなく、悪い原因を取り除くのです。ですから、タイヤを除電すると「タイヤの転がりが良くなるのに、接地感(路面を捉えている感じ)が増す」という、一見不思議に思える事象が起こります。しかし、これこそが除電の真骨頂。
エンジンのベンチテスターでも、「軸出力が上がるのに、燃料消費率が低くなる」事が証明されています。
除電チューニングの入り口はタイヤです。そこから先も体感出来るのが、マジ軽ナットシリーズです。転がり抵抗が減るのに接地感は増すという、除電チューニングを知らない人からしたら、不思議に思える現象が起こります。
お知らせ
11月17日(日)午前6時より 神奈川県 厚木市あゆみ橋で開催予定のエクスチェンジマートに出店の申し込みをしました。開催開始時間が冬時間の6時になっております。
天候による開催の告知は、開催予定日前日の13時にエクスチェンジマートのホームページで発表となります。
当日はエンジンを除電してどの位性能曲線が変化したのか、エンジンベンチテスターのグラフをお見せ出来る予定です。写真撮影はご遠慮下さい。
![](https://assets.st-note.com/img/1731582963-h4UMnFfdrwZ0oia2IR1XWNqg.png)
エクスチェンジマートでは、このように「何か出物はないか?、面白い物はないか?」と早朝から多くのマニアが来場します。そのホームページに当店が写っていたので引用しました。今では有名店になりつつあると思います。
11月24日(日)に大磯ロングビーチ駐車場で開催される、SHCC(湘南ヒストリックカークラブ)主催の、THE71th SHCC Meetingのジムカーナレースに出店します。出店場所はウォータースライダー周辺のスワップミートエリアですが、今回は協賛としての出店です。
旧車はほぼ全てマニュアル車、電装系も劣化している可能性が高い。
マジ軽ナットシリーズでの除電は新車でも効果は大ですが、旧車ならもっとメリットがあります。
パワーステアリングも装備していない車が殆どでしょう。除電によってパワーロスが減り、ハンドリングも軽快になれば、それはタイムに好影響となります。
ビックリするようなレーシングカーが参戦する事もあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1731583785-hOl1GCvuUY2m8HwAcVDiB3MW.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1731583864-negOo8H2sKYRZJhQqclPTUX7.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1731584339-4uYOJl7ItghRKQ6js0ZLxdfz.jpg?width=1200)