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電気の話 その2(特許取得のいきさつ)

静電気がなくなると、劇的に変わります


トヨタが車の静電気を除電すると、様々なメリットがあるという特許を取りました。

さすが世界のトップ企業ですね。特許の文献はすごいボリュームです。
その特許を簡単に説明します。
つまり、静電気はなかなか目には見えないけれど、それを減らす事で空気抵抗が少なくなるので、燃費が良くなったり、最高速度が伸びたりする、という事です。

トヨタやダイハツの車のテールランプの外側に▲の出っ張りが数本あるのを見た事があるでしょう。あれも特許だと思いますが、空気の流れを整流して空力が良くなる。それで、燃費が良くなる、ほんのちょっとですが涙ぐましい努力です。
今や「米議会で政治的に作られた地球温暖化」に押されて、エンジンは厳しい状況ですが、少しでも抵抗を減らして、性能を良くする特許です。

トヨタの特許の応用製品は既に市販されています。「その効果は本当なの?」と考える方もいるでしょうが、本当です。それは、「世界のトヨタが取った特許だから、信用する」という物ではなく、いつからトヨタが除電の研究をしていたかは知る由もありませんが、私は別の物で経験済みだったからです。
それを知った率直な感想は、「危なかった~、間に合って良かった」でした。まさか、除電で動きを良くするなんて、誰も考えていないと思っていましたから。後にトヨタの特許文献を調べると、除電している箇所が殆ど一致していて、また驚いたのです。

2012年頃ですが、私が2輪の有名なチームのレース部品を作っている友人の工場に遊びに行った時に、いきなり車の下に潜り込み、スタビライザー(フロントタイヤの左右を繋いでいる部品)にある物を付けました。「これで走って来なよ」と言われました。
何度か書いている通り、私は元テストドライバーです。おそらく、彼は走行テストの一環として私の感想を聞きたかったのでしょう。何も説明しないのは、先入観を与えない為。
それで、工業地帯を走り回りました。私が戻ると、「どうだった?」と彼。
「何か、コーナーでタイヤの切れ込みがいい、スッと曲がる何で?」そのような会話をしました。
別の日、オートバイで立ち寄ると、「おお、来たか。これを付けるから」とある物をマフラーに付けました。「これで乗ってみな」。それで、工場の前ですぐに出来て分かり易い、ウィリーをしてみました。「付ける前より、フロントが浮きやすい」と何度も繰り返していました。

その発見は、研究を始めるずっと前からあったそうです。「○○(私)君、雨の日に車で走ると、静かに走れると思ったことない?」正直私はそんな事気にした事がない。どちらかといえば、タイヤが水を弾く音がうるさいと思っていました。
「雨上がりで水が引いた時だよ。車のノイズが減って、スーッと静かに走る。何でだろうとずっと思っていたんだ」。「それで気が付いた。タイヤにはカーボンが混ざっていて、静電気を地面に流れるようにしているけど、実は大して流れていないんだ」
この発見が発明に繋がったのです。

ここでタイヤに詳しくない方に説明します。物が動くと静電気が発生します。
下敷きを擦って髪の毛をくっつけて遊びましたね。下敷きに限らず、擦れたり、剥がしたり(サランラップ等)、電気が流れても静電気が発生します。
特に回転する物には多く静電気が発生するので、洗濯機やエアコンの室外機等には必ずアース線があり、静電気を逃がしています。
このように、自動車やオートバイ等も多くの静電気が発生・帯電しています。
タイヤに使われているゴムの多くは合成ゴムです。ゴムは電気を通しませんが、溜まり続ける静電気は逃がさないといけません。静電気によって半導体部品の回路が破壊される(静電気破壊)事があるからです。
ゴムにカーボンブラックを混ぜているのは、少しですがゴムに導電性を持たせると共にゴムの強化も兼ねています。だからタイヤは黒色なのです。
ところが、舗装に使うアスファルトも合成ゴムと同じ石油由来で、導電性が低くく電気が流れにくい。
それが、雨で路面が濡れると水は導電性が高いから、多くの静電気が路面に流れて車体が除電される。
その結果、「スムーズで静かに走る」のです。

そこから、「どうやったら、効率良く除電出来るか」という研究が始まりました。初めの頃は市販品を加工したりして走行テストをしていました。
一定の効果がある物もあれば、効果がはっきりしない物もありました。
目標は「誰もが体感出来る効果」。その為には放電量をもっと増やさないといけない。プラシーボ効果と言われてしまうからです。
車という性質上、耐久性があり劣化しにくく、小さくなければ入り組んだ場所には取り付けられません。テストしたどれもが一長一短があって、実用には向きませんでした。
放電量が増える元素も特定しました。もちろんそれは企業秘密で、特許文献にも書いていません。つまり特許を盗んでも効果のある除電は出来ないのです。
やっと法改正がなされ、一部の防衛技術等は非公開特許に出来るようになりましたが、日本の特許制度は5月まで全て公開特許でした。ですから、特許を取る側は真似出来ないよう、出願が認められるぎりぎりの情報に留めて特許を出願しています。
私の兄は特許庁の下部機関で特許申請の精査をしていましたから、特許文献に全てが書かれていない(書く必要もない)のを知っています。
そして、2013年後半だったと思いますが、ボルト・ナット形状から放電する発明が出来たのです。
自動車やオートバイは多くの部品がボルト・ナットで固定されています。
それにつけ足すか交換するだけで、除電出来る素晴らしいアイデアです。
その後も研究を続けていると、静電気が発生している箇所で除電してしまうのが最も効果が高いのも分かりました。
2014年に特許を出願、2018年に特許が取得出来たのです。

写真は初めにマジ軽ナット オートバイ用をお買い上げ頂き、効果を確認した上で後日、自動車用も追加でお買い上げ頂いたユーザーさんが、取り付けの写真を送って下さいました。

チューブタイヤでも効果があるマジ軽ナット

マジ軽ナットのユーザーは協力的な人が多いのです。これも物の良さのおかげです。

アルミホイールでも鉄ホイールでも効果大

この発明をした友人は2輪レースでは知らない人がいない有名人。走る方ではなく作る方の職人です、だからレース界にも顔が広い。
グレーム・クロスビー、宮城 光氏も友達です。HRCでNSR、ROC YAMAHAでWGP500も走っていた元レーサーの新垣 敏之氏も友人です。
現在、新垣氏は福島県のあるサーキットでサーキット走行の校長先生をされています。
2年ほど前に、友人が息子に「どんな感じか見てきて」とサーキット走行に行かせました。皆さん素人だから、膝擦りが上手く出来ない。まぁ、上手く出来ないから訓練に参加しているのですが。
上手く出来ないから無理に擦ろうとして、転んだりする生徒(多くがいい大人)が続出しました。
そこで息子さんが「これ、付けて走ってみませんか?」とマジ軽ナットを取りだした。先生はもちろん、皆さんも「これは一体何なの?」となる訳です。
知り合いの物だから、「まぁ、やってみましょう」と試した。誰もがこんな小さいものをちょちょっとねじ込んだだけで、変わる訳がないと思った事でしょう。
それで、今まで通り訓練を開始。そうしたら、皆転ばなくなった。
新垣氏も「これは一体どういうことだ」となって、友人の所を訪ね、話を聞きに来たのです。

タイヤを除電すると転がり抵抗が低減します。やさしく言えば、少ない力で回転するようになります。
静電気は物の動きを悪くします。分かりやすい例が、フリースを脱ぐときに静電気が起こるとより力が必要になる。帯電防止スプレーで除電するとスッと脱げる。
もう一つ、帯電によりゴムも分子レベルで動きが悪くなります。それを少しでも路面に放電させようと、一部のタイヤは通称、「導電スリット」という導電性の高い部分を設けて路面に放電させようと工夫しています。これは、オートバイ用の一部のタイヤにもあります。ところが、アスファルトも石油由来で導電性が低いから、路面に流れる静電気はほんの僅か増えるだけ。
それでは路面への放電は当てにならないので、別の方法で除電しようと考えた。
タイヤを除電すると分子の動きが良くなるから、振動をより吸収して接地感が増します。接地感とは「タイヤが路面を捉えている感じ」で、「しっとりした」、「路面に吸い付くような感じ」、「タイヤを新品に履き替えたような」等、様々な表現がありますが、要は走りやすくなって走行安定性が高まる。走っていて楽しいのです。

ネジ・ボルト形状の特殊金属から「帯電除去」するのが、マジ軽ナットシリーズ。
トヨタ自動車は金属プレートから面積を使って放電させる「自己放電式除電器」。共に特許を取得していますが、特許の出願・取得ともトヨタ自動車より早かったというのが自慢です。

後に特許文献を調べたら、除電した箇所は殆ど同じで多岐に渡るのは前述の通り。
タイヤ、サスペンション、エンジン、ラジエター、吸気系等々。「トヨタも同じ事を考えていたのか!」と驚いた訳です。
もちろん、トヨタを始め自動車レースでは除電チューニングは当たり前に行われています。トヨタの子会社のTRDですが、技術協力をしている工業高校の繋がりで、TRDのフォーミュラーカーにマジ軽ナット タイヤ用を試す話が進みそうです。
もちろん、親会社がたくさんの特許を持っているので、除電チューニングはしているのですが、別のレーシングカー数台で既存の除電チューニング済でも、更なる効果は確認済み。面白くなって来ました。

イベントやフリマでは特許賞を掲示して説明販売をしています

マジ軽ナットはネットショップBASEでどうぞ。毎年、大型連休での渋滞対策で、走り出しが良くなるのは大きなメリット。イライラが少なくなります。
購入順に発送していますので、お早めにお求め下さい。

先日、技術協力をしている工業高校に収めた、追加のマジ軽ナットシリーズです。
今年もモビリティーリゾートもてぎで開催される、ホンダのエコマイレッジチャレンジレースに参戦する為、追加購入となりました。同時に除電のアドバイスもしています。

エコマイレッジチャレンジ用に納品しました

お知らせ
8月19日(日)神奈川県厚木市 相模川河川敷のあゆみ橋付近で、午前5時より開催予定のエクスチェンジマートに出店を予定しています
天候による開催の告知は、開催予定日前日の13時にエクスチェンジマートのホームページで発表となります。
特注のマジ軽ナットシリーズをご注文頂いた方は、当日までにご用意致します。

除電に興味を持たれた方に説明販売をしています


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