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【メモ】HDDのデータ復旧を依頼した話

HDDが故障してしまった

 6年間使用したパソコンが故障してしまいました。

 スマホを操作するためディスプレイから目を離していたら青い画面になっていました。

「デバイスにエラーが発生しました。情報を収集しています……0%」

 というような文字列が表示されていたと思います。
 数分は待ってみたものの0%から進む気配がありません。

 仕方がないので電源を入れ直しましたらBIOSの画面が表示されました。EXIT……。

 BIOSの画面が表示されました。ん? EXIT……。

 BIOSの画面が表示されました。あ、なんかヤバい?

 パソコンの環境にもよると思いますが、BIOSの画面に「SATA Port0」と書かれているところがあります。パソコンに内蔵されているHDDのメーカー名などが表示されているのですが……明らかに「なし」という旨の表示になっていました。

 私が使用しているパソコンは全てのデータを削除して工場出荷時に戻す機能が搭載されていまして、HDDの保存領域の一部がその機能のために使用されているのです。
 BIOSの画面に「HDD Recovery」という項目があり、それを選択すれば良いのですが……。実際に戻すつもりはないものの、選択してみると「Not Found」の文字列が表示されました。

 HDDが故障してしまったようです。

パソコンを購入した

 恐らくHDD以外は故障していないでしょうから新しいHDDを用意して交換するという手もあるとは思うのですが、6年間使用したパソコンで他の部分もいつ故障するか分かりませんし技術的にも自信がありませんので新しいパソコンを購入しました。
 ひとまずパソコンの実物を見てみるため家電量販店へ行ってみましたら浦島太郎のような状態になったのですが、まぁそれはそうとネットで注文したパソコンが届きました。

自宅でデータ復旧を試そう

 HDDが故障したと言いましても必ずしもデータが消えてしまったというわけではありません。データ復旧を試すことにします。

 まずは旧パソコンからHDDを取り出します。
 ディスプレイと本体が一体になったいわゆるオールインワンというタイプですので、プラスドライバーで裏面のネジを外しフタを開けました。バキッと結構な音が鳴ったように思いますが気にせずHDDを取り出しました。

 取り出したHDDを新パソコンへ接続します。新パソコンのHDDを一旦取り出して交換……ということではなくて、外付けHDDのように接続しようという話です。
 HDDはSATAというインターフェースが採用されていまして……USBのもっとごっつい形という感じなんですが、まぁつまりそのままでは新パソコンに接続することは出来ないということです。
 SATAをUSBに変換するケーブルというものがありまして、そのケーブルの片方をHDDに接続し、もう片方をパソコンのUSBポートへ接続すれば良いわけです。

 10年以上前に購入した変換ケーブルを引っ張り出して来ました。これまで故障した歴代のパソコンのデータをこれで復旧して来たのですよ。まぁつまりこのケーブルを使用するときはパソコンが故障したときということで、なるべく使用したくないものなのですけどね……。

 HDDを新パソコンへ接続し、スイッチオン! ディスクが回転する音がします。数秒待てばパソコンのFドライブとして登場……しませんでした。

 まぁそりゃ旧パソコンでHDDが認識されていない状態だったのに新パソコンで認識されるわけがないですよね。分かっていましたが……でも旧パソコンのHDDではない別のどこかが故障して認識されなかっただけという淡い期待を抱いてもいたのですよ。

プロに依頼しよう

 私にはこれ以上の打つ手がありません。仮にHDDを分解したところでそこからどうすれば良いかも分かりません。

 データ復旧のプロに依頼しよう!

 故障したHDDからデータを復旧するプロの業者がいるとどこかで目にしたことがあります。しかしその業者がどこにいるのか全く分かりませんのでまずは検索してみることにしました。

調べて分かったこと

 多くの業者がいるものの、いくつかの共通点があることが分かりました。

・成功報酬型

 復旧が出来なかった場合、料金は発生しないというのが一般的なようです。
 ただし、故障の度合いによってはHDDを分解して詳細な調査を行うため、結果として復旧は出来なかったとしても調査費用を請求する業者もあるようです。

・論理障害か物理障害かで料金が異なる
 論理障害とは、HDDはパソコンに認識されているもののデータが読み出せない状態のことです。データを誤って削除してしまったというケースも含めるようです。
 物理障害とは、今回のようなHDDがパソコンに認識されない状態のことです。

 論理障害は、頑張れば自宅で復旧が出来る可能性もあります。私はかつてSDカードのデータが読み出せなくなったときインターネットのフリーソフトをいくつか試して無事に復旧が出来たことがあります。もちろん、業者が使用するソフトはまた違うのでしょうけども……。

・復旧の難易度によってさらに料金が異なる
 その難易度の基準は業者によるのでしょうけども、例えばHDDを分解したか否かで料金が変わります。

・大まかな流れは 調査 → 見積 → 依頼
 HDDを預けて調査を行って貰い、復旧が出来る場合は料金の見積が提示されます。そこから依頼するか否かを決定することになります。
 このとき、復旧が出来るデータの一覧を提示してくれる業者もあるようです。

分解は繰り返さない方が良い

 今回は恐らく分解が必要になるでしょう。

 分解するとHDDの状態は悪くなります。分解して戻してを繰り返しますとどんどん悪くなっていきます。復旧出来たものが出来なくなってしまう可能性もあります。

 料金が気に入らないから他の業者に見積を依頼するということはやめた方が良さそうです。一発勝負!

どうやって業者を選べば良いのか

 実在する業者を挙げてメリットとデメリットを説明するサイトはありますが、結局はどこもそれなりにメリットとデメリットがあります。
 業者自身のサイトには悪いことは書かれていません。

 まず、料金が明示されていない業者は候補から外すことにしました。依頼した後で何かしら理由を付けて請求を重ねられたら怖いからです。

 次に、自宅に近い業者を候補とすることにしました。遠方の業者でもHDDを宅配便で送れば良いのですが、持参して顔を合わせた方が何となく安心かなぁという気がしたからです。

 とはいえ、それでもどうやって決めれば良いのか……。

 結局は大手HDDメーカーのデータ復旧サービスに決めました。料金が明示されていましたし、大手ですので無茶なことはして来ないだろうという安心感からです。

HDDを持参するとまさかの罠が

 依頼の流れは業者によって多少異なります。私が選んだ業者は、HDDを送るにしろ持参するにしろ、まずはWebで申し込むようにとのことでした。
 HDDのメーカー名や故障したときの状況、住所氏名などを入力すると受付番号が発行されました。持参するときこの受付番号を伝えることになります。

 翌日、業者の事務所を訪問しました。若いお姉さんが応対してくれました。そこでヒアリングされたことが

・故障したときの状況
・どのくらいの容量を使用していたか

 それは良いのですが

・復旧の優先度が高いフォルダの名前

 ……ん?
 私が依頼した業者は復旧が出来るデータの一覧を提示してくれません。そのため、優先度が高いフォルダの名前を伝えておけばそのフォルダの復旧が出来るかどうかを知らせてくれるということなのですが……が、が、が、が、が?

 若いお姉さんに向かってフォルダの名前を言うわけです。

 フォルダの名前が「エロ画像」「エロ動画」「パンチラ写真」などといったエロ系だったり、「俺の嫁」「天使の〇〇ちゃん」などといった人に知られたくない秘密の趣味のものだったり、「闇に埋もれしjpegたち」「光の戦士と7人の奴隷」などといった中二病めいたものだったりすると羞恥プレイというか自業自得というか、いやそれともご褒美? 場合によっては諦めることになるかも知れません。まぁここで黙っていたとしても復旧が出来ればバレちゃうでしょうけどね。

 フォルダの名前は人に言えるものにしておきましょう!

本当に依頼するか改めて考えよう

 HDDを預けて事務所を後にしました。ここからの連絡は基本的にメールで行うとのことでした。

 初期調査は早く、数時間後には「分解が必要です」というメールが届きました。これは予想通り。
 業者によるとは思いますが、依頼者の承諾がないと分解は行わないとのことです。

 私が依頼した業者は料金が3段階に分かれていました。

1. 分解せず復旧が出来る(〇万円)
2. 分解して復旧が出来る(〇〇万円)
3. それよりややこしいの(別途見積)

 2の段階に進んでしまいました。
 ここで分解して調査を行い復旧が出来るとなった場合はそのまま復旧を進める、つまり料金が発生するとのことでした。

 え、復旧が出来るとしても優先度の高いフォルダは復旧が出来ませんでしたとなった場合はどうなるの?
 問い合わせましたところ、復旧が出来るデータがあまりにも少なければ3の別途見積の段階に進むかどうか改めて確認する。そこで依頼しないとすれば料金は発生しないとのことでした。あまりにも少なければの判断基準はよく分かりませんが……。

 1の〇万円であれば迷わず依頼するつもりでしたが2の〇〇万円という金額は予め分かっていたものの、改めて問われると考えてしまいました。

 払えない金額ではありません……が、躊躇なく払える金額でもありません。
 外付けHDDにバックアップは残していましたので、直近のデータを諦めればある程度は戻れます。

 諦められるデータか……?
 詳細は伏せますが、もう入ることの出来ない場所の写真が保存されていたのですよ。
 ここで諦めてしまえば、「あのときケチらず依頼しておけば……」とこれから何度となく後悔することになるかも知れません。

 依頼しよう!

 後は待つのみです。

そして結果は

 復旧が出来ました。データが保存されているディスクの部分は無事だったのです。

 復旧されたデータは外付けHDDに保存されていました。容量によってはUSBメモリということもあるようです。外付けHDDの料金が別途請求されるということはありませんでした。

 依頼するときは調査や復旧作業に20営業日ほど必要と言われましたが、実際はその半分ほどでした。これは業者の混雑具合もあるでしょうから何とも言えませんが……。

最後に

 バックアップはまめに残しましょう!

 自宅で外付けHDDやDVD-Rなどのディスクに残すのも良いのですが、それでも故障や火災などで失ってしまうリスクはあります。本当に大事なデータはクラウドのストレージサービスを契約して残すことが良いのでしょうね。それでもそのサービスが終了したら……それはそのとき考えましょう。

 安いノートパソコンが買えるほどの料金は掛かってしまいましたが、依頼して良かったと思います。

 最後までお読み下さいましてありがとうございました。

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栗橋英実
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