今は無き尾道城の在りし日の姿を目に焼き付けましょう
尾道城2019
広島県尾道市に「尾道城」と呼ばれる建造物がございます。尾道駅から山を見上げるとすぐに見付けられるそれはWikipediaによると1964年に博物館として建てられ……そうです、戦国時代に建てられていた城ではないのです。
正式名称は「全国城の博物館尾道城」で、1992年に閉鎖されそのまま放置されているとのことです。
駅などで貰える観光案内にはもちろん載っておらず、まぁ何となく歩いていれば着くだろうと山に入ることにします。
猫を横目に……。
草木が生い茂る坂道や階段をわりと汗だくになりながら上り続け、ようやく辿り着きました。まぁまぁでかい。
門……封鎖されています。しかし小さくね? 裏口だったのかなぁ……。
まさかまさかの「こども110番」シールが。まぁこの山には「土堂小学校」という小学校がありますし、山で遊ぶ子供もいるのでしょうけど……。
調べてみましたら「こども110番」は1990年頃から始まったようです。尾道城末期の2, 3年だけこども110番の建物として登録されていたということでしょう。
見上げてみます。緑……。Wikipediaに昭和43年頃の写真が掲載されていますが、その頃はさすがに緑に覆われてはいません。
街灯。暗くなったら点くのでしょうか。
パッと見は立派な建物ですが。
おぉおおお、スピーカーや。何を放送していたのでしょうか。開城や閉城のアナウンス? 今日の天気とか? 災害時の云々?
ちょっと高いところから見てみますと……。
おぉおおお、門番や。隣には尾道城……何やら書かれているようですが何だろう? スマホのカメラなので綺麗にズーム出来ませんでしてね……。
ネットで調べましたところ「尾道商工会議所会頭 〇〇 〇」とのことです。この尾道城の所有者かしら。
しかし先程の門番の隣が出入口? 狭! 昔の建物ってこういうものだったのでしょうか。
天守閣? がよく見えますね。
内部はすっからかんのようですね。そんな広くもなさそうですが、何が展示されていたのでしょう? 最上階は展示より展望台として使用されていたのかな。そして風情も何もない普通の窓……。
ところでお城といえばこのしゃちほこなのですが……。
片方は取れてしまっています。ネットをよく調べましたら残っている頃の写真もありますので、取れたのはわりと最近……2000年代になってからかも知れません。
ところで周りの道には足元を照らす街灯が並んでいます。点くのかな……。
ところでこのマークは何だろう? 軽く調べましたところ尾道市の市章や尾道商工会議所のマークというわけではなさそうですね。
ちょっと離れた場所の展望台から……。
2018年2月のニュースで尾道城解体の話が出ていますが2019年9月に訪れたときそれらしい様子はありませんでした。まぁ解体するのも費用が必要ですからね……。
また、尾道城を訪れるときは駅の方から山へ入るよりまず千光寺を目指して尾道市立美術館がある方へ歩いた方が道は歩きやすいと思います。
街へ降りて食事のために入ったお店で尾道城の話をしましたら店主が「有料の展望台」と……あぁー。
と、ここまでが2019年9月16日に訪れたときのお話でして……
尾道城2012
ここからは2012年9月1日に訪れたときのお話です。
広島県尾道市へやって来ました。尾道と言いましたら映画の舞台、山と海に挟まれた街、商店街、猫……と色々あるのですが……
尾道城! 駅から山の方を向くと見えるこの謎のお城。これは行ってみるしか!
駅から見上げたときはなんとなく近そうに思えたのですが山をナメてましたわ。駅からの直線距離としては近いんでしょうけど、そんな道が用意されているわけはもちろんなくて、上り坂を右に左に結構な距離を歩くことになりました。
訪れた2012年はスマホを所持していませんでしたので気軽に地図を見ることも出来ず……何となく進んではいるけど本当にこの道で合ってるんかな? ちょっと不安もございます。
ところで尾道の街は猫が多いのですよ……。尾道城への道中で何匹か会いました。忙しいとこごめんやけどちょっと通りますよー。
9月とはいえまだまだ暑く、汗ばんで来ました……。街が遠くなって来たぞ。
おおお! これが!
足元は緑に染まっていますが……これは最初からなのか、何十年の歳月でこうなったのか。
ところで尾道城は戦国時代に現在の尾道市にあたる地域を治めていた武将の……なんて話はまったくありませんでして、Wikipediaによりますと1964年に博物館として建てられたそうです。最近やん! それでも2012年当時でもうすぐ半世紀ですが……。
正式名称は「全国城の博物館尾道城」で、1992年に閉鎖されそのまま放置されているとのことです。というかこれが正門なの……? 小さいなぁ。ところでこのときは鉄の柵のようなもので封鎖されていますが……
2019年9月に訪れたときはこのような状態になっていました。一応はメンテナンスされているのね……。不法侵入者が絶えず尾道市が設置したというところかも知れませんが。
ここが建物の出入口なんでしょうかねぇ……勝手口? 小さいなぁ。さらにところで……
こちらも2019年9月の写真です。出入口のそばに門番が立っているのですが2012年のときは気が付かなかったんだなぁ……。草木で見えなかった? まぁ何にせよここが建物の出入口なんですね。
もうちょっと高いところから見てみましょう。
素人目にはこう見たらホントのお城っぽく見えるんですけどね。
いや、現代のお城やわ。何の飾り気もない窓ガラス。閉鎖されてから20年、台風やら不法侵入者やらが幾度も訪れたでしょうにこうして残っているというのは奇跡なのかもね。
そんな奇跡の尾道城は2020年に解体され、2022年現在は「千光寺公園視点場(せんこうじこうえんしてんば)」という展望台に生まれ変わりました。「視点場」とは聞き慣れない言葉ですが……。
解体されたのは寂しくありますが、私が住人ではない観光客だからであって、地元の人たちにとってはこれで良かったのでしょうね。「有料の展望台だった」と言う人もいらっしゃいましたし……。