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2020年3月にアーケードがリニューアルされた大阪市城東区「城東商店街」……のかつての姿

リニューアルされる前のアーケード

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 大阪市城東区にあります「城東商店街」です。南の端からスタートします。
 住宅街の、自動車がすれ違えないような細い道を歩いていましたら現れるこのアーケード! 興奮!

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 訪れたのは2019年3月で、これを書いているのは2021年10月なんですが、とりあえず「城東商店街」でググってみましたところ2020年3月にアーケードをリニューアルされたそうです。この写真のアーケードはもうありません。ほえぇ!?

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 黄色いテントの「ヨロシク!」が気になりますが、それはそうと、正直なところアーケードが老朽化して撤去しましたという商店街や、撤去する費用さえ出せずに放置している商店街も多い中で、リニューアルというのは本当にすごいことと思います。城東商店街の半分以下の長さの商店街でもアーケードの撤去に数百~数千万円かかると聞いたことがあります。

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 店名看板! ぐぅカッコえぇー! 縦長という自体が珍しいのですが、そのうえこのデザイン! 余白の美!
 しかし残念ながら、ストリートビューを見ますとこの店名看板も撤去されてしまったようです。なんともったいないことを! 1つくらい保管されていませんかね。

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 竣工1964年12月! 実に半世紀以上経ってのリニューアル。内海電鋼株式会社さんの住所は大阪市北区南錦町となっているのですが、Wikipediaによりますと1978年になくなった地名とのことです。電話番号も当たり前に3桁4桁ですし、なんというか、歴史の証人ですよね。大阪市北区に南錦町があったということと、かつては電話番号が3桁4桁だったという。

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 造花などを挿すところ。

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 Facebookはじめました。すげぇー。近代的! アーケードをリニューアルするのも納得という感じはします。このようなシールだってタダで作れることはないわけで……すみませんねお金の話ばっかり。

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 さて先へ進みましょうね。ヨロシク!

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 と思ったら足元に何やら……? 恐らくは赤字で何か書かれていたのでしょうけども、それが分からなくなっているということはそれなりの年数が経っているのでしょうかね。「テントからの落下物にご注意下さい!」。

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 思わず見上げてしまいます。しかし注意と言われましてもね。そもそも何が降って来るのでしょう。
「復旧には少々時間がかかります」しかし本当に復旧しちゃったのだからすごいことですよね。

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 しかしまぁ好きか嫌いかで言いますとウルトラ好きな雰囲気の商店街です。

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 改築して商店ではなくなった建物もあるようですが、店名看板はそのままです。「染と織もの めんや」「Lady's Shop PINK」「洋菓子喫茶 ファンファン」……。あぁ、なくなると分かっていたら全て撮影していたのになぁ……。と今更言っても仕方ないのですが。

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 が、街灯……? ストリートビューで見ますと2017年9月は

 いかにもな形の街灯でした。下世話な話ですけど、リッチな商店街でんな……。

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「Let's Go GAMO4」。「GAMO4」とは大阪市城東区蒲生4丁目のことでして、城東商店街の北西あたりにその名の交差点や地下鉄の駅があるのですよ。
「今! 福が来る!」も地名の話でして、城東商店街は「今福西」なのです。大雑把に言いますと蒲生4丁目交差点の西が蒲生、東が今福です。

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 道が広くなって来ました。

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 耳を澄ませば歌謡曲が流れていたりして。BGMのある商店街は素晴らしいですよ。心意気!

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 四つ角に何やら看板が……。「大阪冬の陣(今福-鴫野合戦)今福・蒲生・激戦地の跡 廣田宗一郎調査」。跡と言いましても今では普通に民家や商店が建っています。というか氏がどのような方なのか気になります……。

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 少し進みますと頭上に時計が。広告に挟まれた時計! レトロな雰囲気の商店街の定番ですね。「みんなの力で 明るい街に」のコピーもなんとなくレトロ。
 ところで「花のかおり ゆたかな泡だち 牛乳石鹸」なんと牛乳石鹸さんの本社はこのあたりにあるようですよ。戦前は工場もこのあたりにあったとか。

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 裏側です。「ゆとりある心で 今日も火の始末」このコピーも良いですね。

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 北へ進んで行きます。

エース温泉の店名看板

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「ゆ エース温泉」なんとなく気になりパシャ。店名看板は残っているものの、綺麗なマンションが建っています。検索しましても情報がほぼなく、いつ廃業されたのかは分かりませんでした。
 城東商店街の公式サイトを見ますと、1980年頃は「城東市場、スーパーマルエー、キリンド、エース温泉、テアトル城映等でおおいに賑わう」とのことです。その時代を見てみたかった……。

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 お向かいは「氷 ソフトクリーム 菊水堂」なんですがなんですが、シャッターの貼り紙を読みますと「ホットコーヒ アイスコーヒ 紅茶 ¥200」激安です。というか「コーヒ」にときめきます。
 しかしよく読みますと「秋冬物 ¥100 ベビー 新品日本製」「冬ズボン ¥100」安ぅ! というかどういうお店?

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 渋い並びだなぁ。「高級呉服 野田屋本店」「ファンシー 文具 おおした」ファンシー! ちょっと鼻血が出そうです。

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 道が広くなり、賑わいが増して来ました。いや、写真では伝わらないでしょうけども。人通りが途切れたタイミングを狙っていますからね。

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 喫茶店の2階になにやら可愛い絵。

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 ここにも時計。「足もとのことならなんでも揃う 靴のファッションデパート」良いコピーだなぁ。

かつて「城東市場」だった

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 裏側。電話番号は安定の3桁4桁!
 帰宅して調べましたらここのサンドラッグさんはかつて「城東市場」だったようですね。先程の絵は喫茶店の絵ではなくて城東市場の絵ということかな。
 その城東市場の2階は「テアトル城映」という映画館だったとか。ストリートビューで建物を眺めますと

 鼻血ー! 「城東ショッピング街」でググってもまさかのノーヒット。「城東市場」とは別なんですかねぇ。専門店街みたいなものだったのかな。

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 ふと東を向いてみますとこの道も商店街のようです。ここは「城東中央商店街」なのですね。また別に記事を設けて紹介します。

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 北の端が近付いて来ました。振り返ると自転車で道が分断されています……。

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 北の端です。味のある看板ですがアーケードと一緒にリニューアルされました。

新しいアーケードを見に行った

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 ここからは2021年10月の再訪記です。公式サイトやストリートビューで見た通りの新しいアーケードや……。

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 アーケード総とっかえというわけではなくて、支柱は色を塗り直しただけのようですね。

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 では今回も……ヨロシク!

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 南の方は商店が少なく、静かな雰囲気です。

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 何やら新しい街灯も。

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「地域貢献型自動販売機」売上金の一部を城東区の福祉活動に寄付されるそうです。このような激安自販機そのものは大阪市内でよく見かけるものでして、賞味期限が迫っている飲み物が30円という破格で売られていることも。

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「浜野たばこ店」年季の入ったシャッターだなぁ。

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 南を振り返ったところ。屋根の上のポストは……「コンビニカット」さんという千円カットのお店の装飾のようです。

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「菊水堂」さんは開いていませんでした。貼り紙を読むと100円のベビー服は健在のようです。そして……

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 2階にも貼り紙が! 前回はなかったよ。ハンバーガーかぁ。気になる……。

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 南を振り返ったところ。先程も振り返りましたけど……ホントは北から歩いていたんです。うふ。

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 八百屋さん。よく見るとPayPay使えます。

城東市場とテアトル城映を探して

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 ちょっと道をそれまして、かつて「城東市場」や「テアトル城映」だった建物を側面から見てみます。

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 ストリートビューで見た「城東ショッピング街」の看板を探したのですが見付からず。しかし……

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 よく見ると「城東市場」の文字が! 写真では小さくて読めないのですが、キティちゃんの下の著作権表示のところに「2007」と書かれていますので、その頃には城東市場は現役だったということでしょう。

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 1階は「サンドラッグ」さんの店舗か倉庫か事務所なのでしょうけど、2階はどうなっているのだろう?

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 映画館だったと言われれば映画館に見えなくもないですが……いやいや映画館の建物ってどういう特徴があるの?

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 天井が……。

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 映画館だったと分かるようなものは見当たりません。

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 裏側に着きました。奥に階段がありますが……元映画館ですので人の家ではないでしょうけども、全く誰も足を踏み入れていないというわけでもなさそうでしたので撮るのはやめました。
 ところで「左 乾いたゴミ 右 濡れたゴミ」という分別の仕方がすごい。いやなんとなく言いたいことは分かるけど分かるけど分かるけど、濡れたゴミはいずれ乾くんじゃないのと突っ込んでしまいたくなります。

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 見上げてみます。何やら2つある出っ張りは何なのだろう……。

城東商店街で謎の自販機に出会う

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 さて商店街に戻ります。人が多くて全体が分かる写真を撮れませんでした。ごめんなさいね。
 ところで酒樽の身体のおじさんが面白い看板。「DEHARA FUJI」とは「出原富士」のことで、城東中央商店街にある「ではらストアー」などを運営されている会社なのですよ。現在は「株式会社出原」で、「出原富士」だったのは1966年から2002年の間だったそうです。

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 その出原さんが運営されている飲み屋さんの前に何やら自販機が……。

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 全部これってのは初めて見たね! 飲み物の自販機でボタン1つだけこれというのはありますが……。しかもよく見ますと出て来るのは「お菓子」「ドリンク」「食べ物」「雑貨」で、価格帯も50円、100円、200円、350円と幅があります。うううううーん? 100円にしとこ!

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 どうしよう結構困るんだけど。まだ家へは帰らないし、道で食べるわけにもいかんし、賞味期限は今日……。
 途方に暮れていると自転車でやって来たおじさんが慣れた手つきで2回購入して行かれました。紙パックの飲み物らしきものとゼリー飲料が出て来たようです。いいなぁ……。

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 薫るカフェゼリーをとりあえず鞄にしまい、城東商店街を後にするのでした。



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栗橋英実
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