大阪市西淀川区「野里本町商店街」のアーケードが撤去される前の姿
大阪市西淀川区「野里本町商店街」にやって来ました。JR東西線の御幣島駅から国道2号線を南東に歩きますとアーケードが見えて来るのですが……
看板がない!
ストリートビューを見ますと2017年10月の時点では掲げられていたようですが、2018年10月にはなくなってしまっています。その1年の間に大きな台風がやって来ましたのでその被害……なんでしょうね。
出入口に車両通行禁止の看板が置かれていました。最下部に「野里本町商店街(振)」と書かれていますが、我らがバイブル大阪市小売商業地図では「野里本町商店会」と記されています。どちらが正しいのか……。この記事では「街」の表記にしますね。ちなみに(振)は振興組合の略です。
ところで車両通行禁止の「止」に「頭上注意」が被せられています。あー、アーケードが危ないことになっているのでしょうね……。
何やらバリケードも設置されていました。何枚も貼られている紙を読みますと……アーケードの解体工事!?
雨でも濡れずにお買い物……がウリのアーケードですが悲しいことに。
平成30年、2018年9月4日に台風21号が上陸し甚大な被害が生じました。冒頭の看板もやはりこのときになくなってしまったのでしょうね。
アーケードの維持には費用が掛かります。解体するにも費用が掛かります。100メートルあるかどうかというアーケードでも解体するには数百万円が必要という話を聞いたことがあります。商店会の会員が少なくなりますと負担も大きくなりますので、どうせなら早いうちに……ということなのでしょうね。
アーケード解体工事説明会の案内。
色々大変みたいですね……。まぁそりゃ一軒家を解体するのとは違いますものね。
しかしまぁ寂しいですが解体前に来られて良かったと思うことにしましょう。最初に訪れましたのが2019年11月9日で、それから約2ヶ月後の2020年1月18日に再訪したのですよ。この記事は2つの日の写真がごちゃ混ぜになっているのですが……まぁそんな変わらんから良いですよね。
このアーケード……何か寂しいと思いましたら、そうだ、店名看板がないんだ。
ストリートビューを見ますと2018年10月の時点では店名看板がぶら下がっていたみたいです。しかしよく見たら割れてますね……。台風で落ちこそしなかったけど危ないので撤去しましょうという話になったのでしょうね。
造花を挿すところはそのままです。そりゃそうか。
アーケードを改めて見上げますと確かにボロボロです。雨漏りというレベルでなく雨が降って来そうですね。
オシャレな街灯! アーケードとともに廃棄されてしまうのかなぁ……。
その後ろにはスピーカー。何が流れていたのかな。お買い物は野里本町商店街で……といったアナウンス系か、童謡や歌謡曲などのBGM系か。
道は広め。調べていましたらこの道幅でも全盛期は人がぶつかるくらい賑わっていたと書かれている方がいらっしゃいました。
んんん……。
鼻血ー! この昭和感。「御食事 焼肉 ホルモン焼 ビール 御酒」店名は……?
テントの上に看板……だったものがありました。ガワと蛍光灯が残されたのみ。ここにお店の名前が記されていたのでしょうかね。検索しましても全く分かりませんでした。
お店がないわけではないのですが、マンションや駐車場が多く、人通りも少ないので寂れた印象は拭えません。アーケードが撤去されても商店街は存続されるものと思いますが、パッと見では商店街と思えなくなるでしょうね。
進みまーす。
「あたりや」さん。カッコえぇー!
ストリートビューを見ますとますますカッコえぇー! お揃いの店名看板だけでなく独自の店名看板も。うはー。このときに訪れたかったよ。
車両通行禁止の看板の多さは守らない人の多さ……なんでしょうかねぇ。
北の端が見えて来ました。
「LIQUOR SHOP TANAKA」さん。綺麗に残りましたねー。
ストリートビューに営業中の姿が記録されていました。
「お好み焼・串鉄板焼 多加良」さん、「一品料理 串かつの店 味八珍」さん。
多加良さんもかつては看板が出ていたようですね。あぁ、台風が憎い。
「おもちゃの店 まんねんや」さん。埃が積もったテントに歴史を感じます。
右上に何やら短冊が見えます。「タカラトミー」「ジェニー」など書かれているようですが……よく読めません。
ストリートビューをむやみに埋め込むと重たくなるので避けたいのですがだってだって!
北の端には服屋さんが並んでいました。「堤下衣料店」さん、「ひさごや」さん、「みはと衣料店」さん。
北から振り返ってみたところ。シャッターをよく見ますと「セルフサービス」と書かれているようですね。現代でこそあえてセルフサービスと言うことは少なくなりましたが、セルフサービスという言葉が出始めた時代だったのでしょうね。
「衣料品の寸法直し みはと洋品店」の看板も。あぁ、昭和感。電話番号が3桁4桁というのも安心します。
野里本町商店街について調べていましたら「若草物語」という1964年の映画にこの商店街が映るシーンがあるとのことで早速見てみましたところ、この建物が映っていまして2階部分に「セルフサービス」の看板が! 鼻血! アーケードも少し映っていましたが、空が見えていました……開閉式だった? 建設途中? 謎です。映画のシーンのキャプチャは出来ませんので、動画配信サービスなどでご確認下さい。
北の端から振り返ったところ。2022年現在、アーケードは解体され通路のタイルも剥がされてしまったようです。前知識がなければ商店街と気が付かず通り過ぎてしまうと思います。
なお、2005年頃まで商店街の中ほどに「野里公設市場」が営業されていたようです。