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大阪京橋「Kぶらっと」に「ガプリ」という謎の看板がある

 大阪市都島区に京阪電車の「京橋駅」がございます。「♪京橋はええとこだっせ~」でお馴染みの総合レジャービル「グランシャトー」がそびえ立つ京橋です。
 その京橋駅から南西、天満橋駅に向かう高架下の一部が「Kぶらっと」という商業施設になっていまして、飲食店やコンビニ、フィットネスジムなどが並んでいます。
 京橋駅に近いあたりはわりと賑わっているのですが、京橋駅から離れるにつれ少し寂しい雰囲気になって来ます。

「ガプリ」という謎の看板

 そんな少し寂しいあたりで気になったものがこちらです。

 いやもう、この界隈を日常的に歩いている方でも「何が?」と言いたくなる写真だと思うのですが、

 これですよ。

「ガプリ」何それ? そんなのありましたっけ?

 先の看板から京橋駅寄りにも「ガプリ」の看板がありました。右の矢印が先の「ガプリ」です。

 この界隈を歩き始めて7年ほど経ちますが全く気が付きませんでした。だって歩くときは高架のそばですから、こうしてちょっと離れて高架を見ることがなかったのですよ。

 1階部分は「ガプリ」ではない店舗が並んでいます。看板の位置からして2階の店舗なのでしょう。確かに2階へ続く階段はあるのですが

 閉鎖されています。

 鎖の手前から見上げてみます。

 看板が見えました。「焼肉市場」「博多串焼き もつ鍋 ひょうげもん」。
 ちょいと調べましたところ「焼肉市場」は2017年頃まで営業されていたようです。「ひょうげもん」は2020年頃には営業されていたようですが、その頃は1階だったようです。移転……? 2階から1階へ? 階段の踊り場にあるから2階の看板という固定観念がおかしいのでしょうか。

 階段の横の空間へ足を踏み入れてみます。

 何かある!

 ディレクトリが残されていました。
「ガプリ」は店舗の名前ではなかったのですね。

 ディレクトリをじっくり見ますと「回転寿司 ひかりすし」「創作中華レストラン China China(チャイナ・チャイナ)」「ガーリックレストラン 神戸にんにくや」「創作和風居酒屋 食房 青磁屋」「焼肉の名門 あふさか牛太郎」と、現在は全て営業されていない店舗です。

 高架をくぐって反対側の歩道へ出られるようになっています。

 反対側の歩道へ出ました。こちらにも「ガプリ」の看板が出ていますね。そして……

 ここにもディレクトリが掲げられていました。2024年1月7日の時点では「KI・CHI・RI」しか営業されていませんね……。そして「ひょうげもん」は1階だったようです。

Kぶらっとの歴史

 帰宅しましてnoteの画面を開きつつ「ガプリ」について調べてみますと

 まさかの0件! 終了……念のため「ガブリ」で検索しますと

 ヒットした!

平成11年(1999)12月1日 京阪電鉄商事 京橋高架街「Kぶらっと」に複合大型飲食ゾーン「ガブリ」オープン

京阪電気鉄道(株)『京阪百年のあゆみ. 資料編』(2011.03) | 渋沢社史データベース (shibusawa.or.jp)

2003 7月 京橋高架下 ガブリ・Kぶらっと改装工事

業務実績一覧|店舗デザイン、内装デザイン、店舗内装・設計のことならBEE-HOUSE(ビーハウス)

 え、「ガブリ」なの? 「ガプリ」じゃなくて?

 どう見ても半濁音ですやん……。

 しかしまぁ飲食店ですから「ガブリ」の方がしっくり来ますね。そちらが正しいのでしょう……納得はしていませんけど。

 さて、「ガブリ」は1999年にオープンしたことが分かりましたが、Kぶらっとのオープンはいつなのでしょう?
 京阪流通システムズのサイトによりますと

京橋駅の京阪モール西側高架下で、1996年より開発に着手した商業エリア。以前は倉庫が続いていた高架下区画を店舗にリニューアルした結果、特に若い女性を中心とする新しいマーケットの創出に成功しました。

Kぶらっと|京阪流通システムズ (mall-keihan.co.jp)

 とのことでした。
 1996年より「開発に着手した」であって、グランドオープンというものがあったのか順次オープンだったのかよく分かりませんが、とにかく1996年に「Kぶらっと」の歴史が始まり、1999年に「ガブリ」がオープン、2003年に改装されています。先のディレクトリも2003年の改装より後のものと思います。

 これらの店舗はいつ頃まで営業されていたのでしょう? ちょいと検索しますと

【京橋は】京橋商店街を語れPART3【ええとこだっせ】
188 名前: 京橋人 投稿日: 2003/05/18(日) 11:33
(中略)
高架下は、あふさかの牛太郎がお勧め。
まず、焼き肉が安い。
そして、ビビンバが安い。
ひかりすしもいいけど、さすがに100円寿司だけ
あるなぁ、と。春駒が懐かしい。

【京橋は】京橋商店街を語れPART3【ええとこだっせ】 (machi.to)

チャイナチャイナ
中華
大阪、京橋
1999

Restrant of gravita.jp

2006/09訪問1回目
神戸にんにくや 京橋店

口コミ一覧 : 【閉店】神戸にんにくや 京橋店 - 大阪城北詰/にんにく料理 [食べログ] (tabelog.com)

■懇親会:青磁屋 京橋店 PM5:00~

2005年1月度例会 | 近畿青年技術士懇談会 例会案内ブログ (seigikon.jp)

住所でポン! 2007年版 「あふさか牛太郎京橋店」 の検索結果

あふさか牛太郎京橋店- ネットの電話帳 - 住所でポン! 2007年版 (jpon.xyz)

 2007年頃までは営業されていた店舗があったようですね。

 続いてKぶらっとの公式サイトを見てみましょう。もちろん店舗の名前は載っていません。昔のページはないかな……と探してみましたところ

2018年8月1日、「京阪モール」に隣接する「KiKi京橋」と「Kぶらっと」の2施設を統合したWEBサイトをリニューアルし

半世紀にわたって多くのお客様に愛される施設の魅力とこれから | 株式会社パルコデジタルマーケティング (parco-digital.co.jp)

 ががーん!

 えー、昔の公式サイトのURLは何だったの……? 京阪モールの過去のページを見ましても載っていません。

 ……探すこと数分……見付けました!

 2009年4月1日にサイトがオープンしたとありますが、この時点で「ガブリ」の名前もディレクトリに載っていた店舗の名前も載っていません。
 2003年7月のリニューアルから約5年半のうちに「ガブリ」は看板を残して消えてしまったようです。
 そしてそれから約15年、看板が撤去されることもなくディレクトリがメンテナンスされることもなく令和の現在に至るわけです。

例によって例にもよって……

 宇宙で私以外に誰が興味あんねんという話でしたが、調べてすっきりしました。
 ここまでお読み下さった方がいらっしゃるのか分かりませんが、いらっしゃいましたら是非「読んだよ!」とコメントを頂ければありがたいです。

 おまけ。
 近隣に今も残る1990年「国際花と緑の博覧会(花博、花の万博)」仕様のマンホールの蓋。

2024年1月15日追記

 日が暮れてから近くを歩いたときに気が付いたのですが

 なんと灯りが点いていました。

 すぅげぇー。点灯と消灯はタイマーだとしても、照明器具には寿命があるはずですよね。費用を掛けて交換しているのかなぁ。2010年頃から始まったように思いますLEDブームにギリギリ乗っかってまだ寿命が尽きていないというところなのかなぁ。
 もしかするとガブリという名前はまだ生きているのかも知れません。Kぶらっとの公式サイトには載っていませんのでそんなことを言いましても何の説得力もないのですがね。

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