広島県尾道市の商店街を歩いて古き良き平成や昭和に思いを馳せましょう
駅前商店街
広島県尾道市にやって来ました。JR尾道駅の東側、山と海に挟まれた細長い街に長い長いアーケード商店街があるのですよ。
尾道駅を南に出まして東へ歩きますとこの「駅前商店街」に辿り着きます。車道のそばの歩道にアーケードが建てられたタイプの商店街なんですけど、この商店街がいまいち謎でして……。
尾道駅前本町一番街商店街
駅前商店街を抜けますと「尾道本通り」という大きなアーケードが見えて来ます。
「尾道本通り商店街」とは5つの商店街の総称でして、尾道駅側から「尾道駅前本町一番街商店街」、「尾道土堂中商店街」、「尾道本町センター商店街」、「絵のまち通り商店街」、「尾道通り 旧本陣・石畳地区商店街」で構成されています。
ここは尾道駅前本町一番街商店街、通称「芙美子通り」です。芙美子とは尾道に縁のある作家「林芙美子」さんのことでして、まぁ私も詳しく存じませんので興味のある方は検索して下さいなんですけど、尾道本通り商店街の公式サイトを見ましても先程の駅前商店街は含まれていないのですよ。
しかし駅前商店街を検索しましても公式サイトなどの情報は見当たりませんし、尾道本通り商店街を「駅前商店街」と書いているブログがヒットするばかり……。まぁ普通の人はこんなこと気にしないんでしょうけどね。
尾道土堂中商店街
尾道土堂中商店街、通称「中商店街」です。本来なら芙美子通りと中商店街の境目を写真に撮っておくんですが独り旅ではなかったので……ごめんなさいね。まぁ商店街の境目なんて宇宙で私以外の誰も気にしていないでしょうけども。
うはぁー!
「高級」「御誂服」「既製服」鼻血ー。「コダマ洋服店」さん。尾道本通り商店街の公式サイトの店舗一覧には表示されませんが、シャッターや2階の窓が開いているということは現役の建物なのでしょうね。
「C」が飛び出た看板の「広島信販」とは何ぞと検索してみますと、クレジットカードでお馴染み「オリコカード」さんのサイトがヒットしまして1967年から1974年の間が「広島信販株式会社」であったとのことです。1974年は昭和49年。この写真が2019年ですので45年以上前!?
撮影したときはじっくり見る余裕がなかったのですが、こうして改めて見ますとなかなかに鼻血情報量が高いですね。左上の東芝ルームエアコンの時点でちょっと鼻血なのですが、左下の「エハラポンプ」。富山県の会社のようです。右上はちょっと隠れていますが「管継手バルブ」です。
尾道本町センター商店街
尾道本町センター商店街、通称「本町センター街」です。
「ほほえみのショッピング」という昭和ライクなフレーズで既に鼻血なのですが、後に続く・・・・・がさらに鼻血。余韻!
店名看板が整備されています。後のかっぱ寿司……何でもないです。
鼻血ー!
左の「電子コピスター複写機」とは何ぞ……。検索しましたところ「京セラドキュメントソリューションズ」さんの前身である「三田工業」さんが製造した複写機とのことで、「日本画像学会より『複写機遺産』に認定されました」との記事がヒットしました。この絵とその記事の複写機の写真は微妙に違います。どちらが新しいものなのかは分かりません……。
真ん中の「設計機械ドラフター」は「武藤工業株式会社」さんの製品のようで、建築に関する図面を描くときに使用する物のようです。近年はCAD、つまりコンピュータを使用することが増えたので出番は減ったとのことで……。
右の「カシオ電子計算機」つまり電卓なんですがカシオの公式サイトを見ますとこのデザインは1967年(昭和42年)の「世界初のプログラムつきの電子式卓上計算機『AL-1000』」のようです。1972年(昭和47年)には「カシオ初の関数電卓『fx-1』発売」とあり、それはもうちょっと小型ですので、1967年から1972年の間に張られたテントなのでしょうね。約半世紀!
お隣は……
銭湯「大和湯」さん……は廃業されたそうで、建物をそのまま利用したカフェになっています。というのはこの写真を撮影した2019年9月の話で、この記事を書いている2022年8月は中華料理屋さんになっているそうです。
夜の本町センター街。
ちゃんと明るい。素晴らしい。
絵のまち通り商店街
絵のまち通り商店街、通称「絵のまち通り」です。
おもちゃと人形の「コマサ」さん。ファンキーな外観にわくわくしてしまいますね。店内はレトロというのかデッドストックというのか、懐かしいおもちゃが沢山並んでいて鼻血。
「ladies' fashion みまつ」さん、「テーラー 住田」さん。ザ・昭和の服屋さんという趣き。たまりませんねぇ。
「尾道信販」とは何ぞ……。検索しても情報はヒットせず。地元のクレジットカード会社ってなところだったんですかね。
「時計 宝石 梶田時計店」さん。右側の時計を模した看板も可愛い。
東の端に着きました。
ところでアーケードから外れたところにふと目を向けますと「尾道中央商店街振興組合」なる看板が目に入りました。絵のまち通り商店街という名前になったのは2016年のことで、それまでは尾道中央商店街だったのですよ。
尾道通り 旧本陣・石畳地区商店街
尾道通り 旧本陣・石畳地区商店街、通称「尾道通り」です。こちらもかつては「金座街商店街」で、2004年に現在の名前になりました。
のっけから興奮させてくれますねぇ。「世界の銘酒 みかみ」さん。
ジョニーウォーカー! サザエさんで覚えた銘柄です。
かわゆー! 「メガネの吉本」さん。
シンプルに可愛い昭和感。
東の端に着きました。
アーケードはありませんが、商店街はもうちょっと続いているのですよ。
商店街の名称にもなっている「石畳」は2004年に整備されたものです。
左に見えます看板「瀬戸の味 小鉢」さん、酒飲みとしてはたまりませんね。「小鉢」という言葉に惹かれます。
久保本町商店街跡
「下江理容室」さん。カッコいい! 古い床屋さんの建物って妙にオシャレですよね。
何の建物やろ……と思いましたら扉に「女」の文字。銭湯! これまた鼻血モンですね。調べますと「みやこ湯」さんで、2004年10月から2005年4月の間に廃業されたようです。インターネットアーカイブで商店街の公式サイトを調べましたのよ。
この扉の向こうに未知なる世界が……! 何歳になっても女湯には惹かれるもので。中はどんな雰囲気だったのかなぁ。
ところでアーケードがなくなっても何となく商店街っぽい雰囲気の道が続くなぁと思っていたのですが、尾道通りの東にはかつて「久保本町商店街」が存在したようです。先の写真の「下江理容室」さんや「みやこ湯」さんは久保本町商店街のお店です。
商店街はいつ解散されたのかなぁ? 「尾道本通り商店街調査報告書」という2012年の報告書には「現在では久保本町商街が姿を消し」(原文ママ)と書かれています。
ストリートビューを見ますと2011年7月の時点では街灯と店名看板がありました。これから間もないうちに解散されたようですね。
荒神堂通り
駅の方へ戻るか……と歩いていましたら絵のまち通りから南に向けてもアーケードがありました。これまた年季の入った雰囲気ですね。
「荒神堂通り」という名前です。こうじんどう。
「人像写真 平川一舟」さんのインパクトよ。「人像」は「じんぞう」かと思いますが変換出来ませんでした。
麻雀、花札。これまた渋いなぁ……。麻雀牌って年間何セットくらい売れるものなんでしょうね。一般家庭では買えば何十年か使い続けますよねきっと。そもそも麻雀牌のある一般家庭って何軒くらいあるのだろう……。
レトロな商店街ではお馴染みの? アサヒ靴。
また鼻血モンでんな! 「書籍 雑誌 文具」の左側にはお店の名前が書かれていたのでしょうけども。
ところでこの荒神堂通り、かつては絵のまち通り……というか尾道中央商店街の一部だったようですが、2022年現在は尾道本通り商店街の公式サイトに掲載されていません。インターネットアーカイブでマップを確認出来るのは2006年1月が最後です。脱会? 解散? 分かりません。
2012年9月にタイムスリップ
さて、ちょいとタイムスリップいたしましょう。先程までは2019年9月の写真、ここからは2012年9月の写真をお送りします。
普通はこういう写真を記事の最初に持って来るんですけどね。2019年のときは撮っていなかったのよ……。JR尾道駅は2019年3月にリニューアルされたのですね。こちらは2012年ですのでリニューアル前です。
今は無き尾道城! 尾道城については別のページに書いていますので是非どうぞ。
商店街からは外れますが「階上喫茶 ブリッヂ」さん。良いテントだなぁ。「鮮魚 乾物 焼物 のり子」さんも気になります。
尾道通り。
お、お、お!
「楽しいお買物は中央商店街」やったー! 2012年当時は商店街趣味には目覚めていなかったはずなのですが、よく撮っていた私!
「絵のまち通り」という通称はこの頃から使われていたのですね。ちなみにどうして絵のまち通りなのかというと公式サイトによりますと「店・道・風景・人・・・が多くの方々に描かれ、絵になる商店街として親しまれています」とのことです。
このときも夜の本町センター街を撮影していました。
この店名看板のデザイン、良いですよね。
にゃあちゃ。
さて、一杯やって帰るか……。お読み下さいましてありがとうございまし……
2005年3月にタイムスリップ
実は2005年3月にも尾道を訪れていたのでした。
うぉおおおおーーーー! なんじゃこのアーチ! 鼻血! 中浜通り! 奥にもアーチが見えるけど! 撮ってない! どうして!
これがその奥のアーチ。アーチは既に撤去されています。2011年7月の時点では健在でした。
写真を拡大しますと「尾道ラーメン 壱番館」さんの向こうのアーチも何か見えますね。2011年7月には枠だけになってしまっていますが……。
当時の私はアーケードに足を向けたのです。荒神堂通りですね。
あ、中央商店街の看板あるやん!
2005年の時点で既に渋いなぁ。
鼻血ー! こんなところで廃自販機。不二家ネクター。
ボタンに商品名が書かれているのって良いですよね。昭和の自販機ならではという感じ。ところでこの自販機がいつまで稼働していたのか分かりませんが、100円って当時としては高級品だったのではないでしょうか。現代では350mlや500mlの缶がメインですが、それでも高くて130円くらいですよね。いわゆる物価の優等生?
尾道絵のまち通り。
大和湯さん……ではなくて、当時は「ゆーゆー」さんというお土産屋さん兼喫茶店だったようですね。
どこで撮影したのかな……コインを入れると動くあれです。オバQって毛ぇなかったでしたっけ?
芙美子通り。
林芙美子さんの像。1984年(昭和59年)完成だそうです。
今は無き尾道城とのツーショット。こういう写真も記事の最初に持って来るもんなんですけどね、普通は。
ということで今度こそおしまいです。お読み下さいましてありがとうございました。