怠惰
ずっと前からなんとなく気になっていた美術展が今日で終わることを昨日の夜に知って、ちょうどその日の午後が空いていたので、行くことにした。バイト先からバスで20分くらいのところが会場で、歩いていくには少しだけ遠い距離である。併設されているカフェのメニューをチラッとみるも、予算から数百円はみ出ていたので、辞めた。
白黒の木版画で描かれた作品群とその説明文をゆっくり楽しんだあとSNSで検索してみると、数年前にも何度か特集されていた人で、カラーの作品もあることを知った。今日行ったのは『白と黒』展だったからモノクロだったんだな、と納得した。これからもこうやって少しずつ社会の嗜みを学んでいくのだろう。
お土産コーナーで、Intimite’s の連作のひとつ『もっともらしい理由』が表紙になっている本を見つけた。ローズ・マコーリーの『その他もろもろ ある予言譚』である。簡単に調べてみると、100年前に風刺がすぎるとして、絶版になったようである。それが今になって再販しているとのことで、さらに読んでみたくなった。
その場で買ってしまおうかとも思ったが、辞めた。どんな内容なのかもわからなかったし、最近は優柔不断で正しい判断もできなそうなので、とりあえず財布の紐は固く結んでいる。あと、あえて言うと、図書カードの残金がいくらかあったので近くの本屋にも売っていると踏んだのだ。(このあとMARUZENに行ってみるも在庫がなかったので、取り寄せることにした)
隣にはジュール・ルナールの『にんじん』が置いてあった。わざわざなんで岩波文庫なのかな(文字が小さい上になんとなく難しそうという偏見がある)と思って開いてみると、中にヴァロットンの挿絵がいくつも差し込まれていたのでうなずいた。あらためてあらすじを読んでみるとユーモアがあって面白そうな本である。光文社古典新訳シリーズを図書館で借りようかな、とも思う。