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この宇宙が教室なら、隣同士学びはつづく。 #藤井風 #旅路

ある持論があります。
それは、”音楽って一種のタイムカプセルだよね”という主張です。
若干突拍子のないこと言っている自覚はありますが、わかってくれる人もいると思います。

このnoteはそんなあなたに向けて書きます。

特別好きなわけではなかった曲でもふとしたときに耳にすると、
懐かしくなることがある。お気に入りの曲なら尚更。
ハマってた楽曲には、ハマっていたなりの理由があるはずです。

今回のnoteでは、藤井風の『旅路』という楽曲をあらためて聴いてみて、当時の自分を振り返ってみます。


『この宇宙が教室なら、隣同士学びは続く』というフレーズ

まず、諸情報を。
藤井風は2020年にメジャーデビューをしたアーティスト。メジャーデビューする前から「歌ってみた」動画をYouTubeに投稿。2年連続で紅白歌合戦に出場する。※詳しくはWikipedia などをご参照ください!!

そして『旅路』は2021年3月にデジタルリリースされた楽曲。

『旅路』を聴くと思い出す風景は、ある友人と会ったあとの電車内。
お昼ごろから集まったのですがすっかり話し込んで、帰りの電車には仕事帰りの疲れた顔した人たちがたくさん座っていました。
自分もそんな顔した人のひとりでした。

この日は高校時代の同級生と卒業式ぶりに会った日。
高校1年の秋から通信制高校に通っていたので、彼女は数少ない同級生でした。
コロナ禍がはじまった2020年。大学のオンライン講義に先生たちが四苦八苦していた頃、授業らしいものはほとんどなし。なんとなくモヤモヤが溜まっていたので、明るい彼女に会うのが楽しみでした。

しかし、実際に会った彼女はとても元気がありませんでした。
大学受験に失敗し、これからの進路にすごく迷っているとのこと。
喫茶店に入ったのですが、なにを飲みたいかも決められないほど、彼女の心は弱っているようでした。
すごく心配になりましたが、当時は自分もこれからのことでモヤモヤしていることもあり、完全に寄り添うことができませんでした。

帰り際、「なんとかなるよ」と呼びかけたわたしに、
弱々しく手を振った彼女の姿が今でも深く印象に残っています。
その言葉の無責任さたるや。

しばらくして、ふと、彼女のことが頭に浮かび、LINEの検索画面にかけました。しかし、彼女のトーク画面は初期設定のアイコンに変わっていました。おそらく、LINEのアカウントを削除したのでしょう。

連絡手段が無くなってしまった。
せっかく相談してくれた彼女に対して、ちゃんと向き合えなかった後悔の念が強く心に残りました。

そんな思いを抱きながら過ごしていたときに楽曲配信アプリに流れてきたのが藤井風の『旅路』でした。
楽曲の中の『この宇宙が教室なら 隣同士学びは続く』というフレーズを聴いて、当時持っていた後悔の念も抱き続けていたら、そこから“学ぶ“こともできるかもしれないと発見しました。

後悔の念が、前に進んだ瞬間でした。

それからは『旅路』を聴くと最後に彼女と会った日のことを思い出すようになりました。

あなたのタイムカプセルの話。

さて、
あなたはどうですか。
最近、どんな場面で音楽を聴きましたか。

例えば、移動中。目的地に向かう電車、車、バスなど。
例えば、作業中。料理をつくったり、掃除をしたり。
もちろん「〇〇しながら」ではなく、曲を聴くときはそれだけにしたいという集中型の人もいる。

音楽を聴く時間に応じて、”自分”(もしくはその思考)が蓄積されていくと考えると、無為に過ごした1日も、未来につながる気がしませんか。無尽蔵に流れる時間の中に“あの曲を聴いていた自分“というタイムカプセルをぽつぽつ浮かべてみる。そうして、ふとしたときに開けてみる。

自分だけの灯籠流し

実際に、『旅路』という楽曲には、当時の自分の“後悔“を詰め込みました。

“後悔“というマイナスな感情でも、当時を振り返る作業はけっこういい。
いい意味で過去は変えられないので、開き直って(?)振り返ることができます。そして、人間関係を含めてあらゆるものは変化しますが、完成された音楽は(基本的には)不変です。(藤井風の楽曲にはいろんなアレンジが加わりますが)

それって、すごく落ち着く。

不安な気持ちに沈んで迷ったとき、
時々、こうしてタイムカプセルを開けます。
そして、過去の自分とつながりを感じて、現在地を確認する。そうすると、意外とまた歩けたりすることも、ある。(わたしは)

長い旅路の途中、
失敗ばかりする自分にとって
音楽はどんなときもそばにいてくれる相棒です。
(あわよくば、このnoteがきっかけでまた一緒に無駄話ができますように、と願いつつ。)

※ 『旅路』は先日、日産スタジアムで開催されたライブで1時間22分時点に「ロックバンドバージョン」で演奏されてました。いつまでかはわかりませんが、アーカイブが残ってます。(2024.8.28 0:10 現在)


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