ホープフルS出走予定馬全頭診断

人気順で。鞍上は想定。


◎上位人気馬

クロワデュノール(1番人気想定、北村友一)

ポテンシャルに疑う余地は無いものの、右回りも小回りコースも初で、圧倒的1番人気想定ともなると粗探しをしたくなる。
新馬戦で破った相手はレベルが高くなく、2戦目の東スポ杯2歳Sは少頭数。
そこで4着に破ったファイアンクランツは札幌2歳Sでマジックサンズと0.1秒差の3着であり、レベル自体は勿論高い。
東スポ杯2歳SからホープフルSという臨戦過程を見てみると、2022年に4着だったドゥラエレーデが勝っている一方で、同年1・3着のガストリック・ハーツコンチェルトが惨敗している。
2020年勝ち馬のダノンザキッドは連勝しているし、2着のタイトルホルダーは4着。相性自体は悪くないレースだが、やはり過剰人気もあって本命には据えづらい。
走り方も手前替えに苦戦しており、右回り苦手の可能性がある。最終追いは要チェックだ。

マスカレードボール(2番人気想定、戸崎圭太)

この馬も左回り未経験。前走は出世レースのアイビーSを快勝だが、8頭立てと少頭数だったのが気になる。気性面に不安があり、馬場入りを嫌がる素振りを見せるなど当日の気配を重視したい1頭。
前走で内にモタれる面があったことから、右回りでは膨れて回る可能性があり、これもバッチリ強調できるとは言い難い。
またアイビーS2着から今回出走するピコチャンブラックはともかく、3着以下の馬が1勝クラスを勝てていないのもレースレベルとして無視できない。

マジックサンズ(3番人気想定、佐々木大輔)

札幌2歳S連対馬の成績は(0-0-1-2)。ニシノデイジー以外の2頭は大惨敗しているのが気になる。
今年の2歳重賞を席巻した鞍上にとっては初G1のかかる舞台で、どこまで力を発揮できるか。
コナコーストの弟ということで距離不安はあるが、牡馬なので守備範囲。また前走負かしたアルマヴェローチェが阪神JFを勝ったことで評価は必然上がるが、初めてのJRA本場でのレースということで大外を回して勝てるほどここは甘くなく、そこがどうか。
追い切りの評価が意外と低いのも無視できず、これも本命までは…?

◎小穴馬

アマキヒ(4番人気想定、クリストフ・ルメール)

右回り未経験勢の一頭。前走では物見、調教では終いの甘さが出て、精神面が成長途上の感。三冠牝馬の仔という点と鞍上から必然人気になるが…
ルメールが跨っての追い切りではパラレルヴィジョンに先着と、素質はトップクラス。新馬戦で破った2着馬・3着馬は2戦目で勝ち上がりで、新馬以来はそこまで気にしなくていいか。
仕上がりの良さと右回り適性・精神面を天秤にかけて…この人気だと悩ましい一頭。

ヤマニンブークリエ(5番人気想定、武豊)

今年のG1完全制覇チャレンジの相棒。前走は離された2着だが、勝ったミュージアムマイルは朝日杯で2着。脚質を複数経験しているのも強みで、持ち時計も申し分ない。鞍上の体調の回復具合次第では勝ちまで見える。
気性面の幼さは年齢相応で許容範囲に見える。
武豊の前走コメントでは馬場が渋った方が良さそうとのこと。傷んだ最終週の馬場も良い方に転ぶなら、本命まで。

ピコチャンブラック(6番人気想定、川田将雅)

新馬戦の大勝で話題になったが、前走マスカレードボールに敗れて評価はひと段落。それでもこれだけ人気の差があるなら狙ってみたい。ユーガだし。
前残り気味のホープフルSの傾向も上手くはまれば面白い。
この馬も気性・折り合い面が課題で、初めての他頭数で前走のような競馬ができるかがポイントになりそう。マスカレードボールよりも中山向きそうで、距離も血統的に問題無いので本当に展開一つ。

ジョバンニ(7番人気想定、松山弘平)

好成績の京都2歳S勢。前走・前々走で敗れた相手のエリキングが出走しないので実質この馬がトップ。
この馬も他頭数への対応がポイントになりそうで、前走のように出遅れてしまうと惨敗はありうる。それから4戦目というのもどうか。実際エリキングは放牧に出ていて、同じ臨戦過程のこの馬に疲れが無いとは思えない。
追い切りで時計は出ているのでひとまず安心だが、当日の毛並みやコズミに注意して見たい一頭。

◎中穴~大穴馬

ジュタ(8番人気想定、坂井瑠星)

右回り未経験勢最後の1頭。ただ操縦性のいい馬で手前替えは問題ないように見える。
3億2000万の高額馬として話題になった馬ではあるが、矢作先生はダート向きと言っていた。ただここ2年、ドゥラエレーデやサンライズジパングのような臨戦過程でも戦えるのがホープフルS。そういう意味では面白い。
調教の動きが抜群で、信頼しやすい矢作坂井コンビにここは期待。

アスクシュタイン(9番人気想定、横山武史)

前走は2番人気を裏切る大敗。重馬場が合わなかっただけと言えばいいが、今回はクロワデュノールに乗る北村友一騎手から武史に乗り替わり。
更には荒れた芝が結局向かないと考えられ、人気通りの走りになりそうな気がする。
前走で垂れた面が出なければいいが、距離延長とトモの甘さから評価を覆すまでは行かなそう。
有馬記念2着のシャフリヤールと併せた経験を本番で活かしたい。

クラウディアイ(10番人気想定、西村淳也)

京都2歳Sで3着。エリキングと0.3秒差なら及第点。今回は輸送があって、小柄な馬でそこがどうかという感じ。
調教を見てみると、騎手が乗ってのCウッド追いは僚馬と比べてかなり良かった。
成長分は見込めるので馬体重を気にしたい一頭。

デルアヴァー(11番人気想定、三浦皇成)

前走はクロワデュノールと0.5秒差の5着。マジックサンズと0.2秒差のファイアンクランツと0.1秒差と考えると、そこまで大きな差が開いているわけではないか。馬体重+14kgも成長分以上のものがあったかも。
クロワデュノールと同じ上がりが使えたとはいえ、ヨーイドンは向かないので小回りのコーナー4回は良い方に出そう。
2歳G1に強いフランケル産駒の成長力に期待するなら。

ショウナンマクベス(12番人気想定、池添謙一)

こっちの2歳G1ではこっちのショウナンで挑む池添騎手。らしいと言っては何だが気性面に課題のある馬。
札幌2歳S組では太目残りもあって一番下の着順で、その後の百日草特別ではしっかり抜けた。早い上がりは使えないタイプだが逃げ切りも難しいので、ここはかなり厳しい一戦。
来年の1戦目をどこにするか、照準を合わせるための一戦という印象。

ジェットマグナム(13番人気想定、丹内祐次)

数少ない前走中山芝2000m組がここ。行きたがる面がみられるもののスローの2番手で折り合った経験が活きそう。
心房細動を発症し大差で敗れたコスモス賞の勝ち馬、アスクシュタインまでは逆転可能と見るが、それ以上となると…調教の時計も平凡。
坂路単走だけでの調整がどう出るかだが、最終追いの様子も見て最後の判定を下したい。

◎超穴馬

ジュンアサヒソラ(14番人気想定、横山和生)

前走の未勝利戦のタイム1.59.9は今回の出走メンバーの中では唯一の2000m2分切り。
中山が向く走り方ではないのでここでは強調材料に乏しいが、早め先頭から粘り込む姿勢になれれば。今回は先行したい馬が多いので、展開が向かないとなるとどうしようもないか。
レーティング的にもかなり低く下馬評を覆すのは困難。

レーヴドロペラ(16番人気想定、大野拓弥)

前走はジェットマグナムの2着。そして紅一点。札幌2歳S組の一頭でもある。
勝負付けは済んでいるように見え、時計も気性面もなんとも言えないところ。1kgの斤量差がつくとはいえ、それだけで逆転できるほど甘くはないか。
当日も16番人気ならば超大穴の一頭として3列目の候補まではあり得る。

ファウストラーゼン(17番人気想定、杉原誠人)

一週前追いでは古馬2勝の馬と見劣りしない動き。前走で右回り2000m勝ちというのもいいが、上がりのかかる展開になった方が向く。
道中置いて行かれるのは間違いなく、その上で他馬を全部抜き切るまでの脚があるかというとそこまでの物は無く、前がポッカリ空いて右も左もやり合っているくらい展開が向かないと厳しそう。
それでも全くのノーチャンスというわけではないだけマシ。

アリオーンスマイル(18番人気想定、木幡巧也)

中央転厩初戦の前走は7着。門別で3連続最下位からの転厩で芝短距離7着と、特に見るべきところは無さそう。
距離は伸びた方が良いと思うが、それでも調教タイムが未勝利馬より遅いのでどれだけ展開が向いてもさすがに…というところ。

リアライズオーラム(15番人気想定だが回避濃厚)

マジックサンズが出走する場合は回避する予定。ここでの講評は避けるが、仮に出走して15番人気なら買ってもいいくらいには素質馬。
追い切りを見る限りとても出走想定とは思えないのでスルーで。

◎現時点での評価

S:ジョバンニ(20.1)
A+:ジュタ(32.1)、マジックサンズ(5.9)、ヤマニンブークリエ(15.2)
A:ピコチャンブラック(12.4)、マスカレードボール(5.0)、アマキヒ(12.2)
B+:クロワデュノール(1.7)、クラウディアイ(83.7)、レーヴドロペラ(217.7)
B:アスクシュタイン(92.4)、ショウナンマクベス(109.1)、ジェットマグナム(83.4)
C+:デルアヴァー(77.3)、ファウストラーゼン(257.2)
C:ジュンアサヒソラ(138.7)、アリオーンスマイル(351.0)
※(    )内はnetkeiba俺プロでの想定オッズ


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