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集中講義:「出来るエンジニアのための特許講座」開講

   この写真は、コロナ前にドイツ、デュッセルドルフ見本市会場で開催されたMEDICA展示会に参加した事がありますが、その際に、クリスマス・マーケットと時期が重なり、とても賑わっているストリートの様子を写真に収めたものです。

   次は、エンジニア向けの特許講座を開催します。概要は、昨日の記事を参照してください。

   本日は、私が大手通信系企業の若手研究員であった頃の特許についてのエピソードをお話させて頂きます。

   当時は、会社対会社の特許出願件数で争っていた時代です。内容はともかく、件数で、会社対会社のロイヤリティーをざっくり決めていたような時代です。当然、研究員一人あたりの特許年間出願数がノルマとして与えられていて、3~10件というとてつもないノルマ数です。そこで、当時は、研究室ごとに「特許抽出会」なるものを開催し、特許「ねた」を各自もちより、精査したり、膨らませて、共同で特許出願件数を達成するような事をしていました。
   抱えている研究の課題をベースにした特許では、テーマとして限られてしまうので、当時の私の研究室では、将来、・・・という技術が浸透した際には、新たな課題として、何があるか、それを解決するにはどうするかという事を多々議論し、特許件数かせぎをしていました。中には、素晴らしいものもありましたが。
   ある日の会議で、1980年代後半ですが、私がテーマとして、
「テレビ電話が普及した際に、新たな課題として、何があるか?」という提起をしました。当時、同じ研究室にいた先輩の女性研究員が、女性目線で、「室内がTV画面で写るのはいやだなー、何か、防ぐ手は、無いか?」という課題を発言し、皆で、それは良い課題であり、世界で初めて見つけた課題になるので、当たり前のハード的な解決手段で構成要件などを固めれば、特許になるかも」という事になりました。
   結局、当時の研究室では、TV電話の構成を考えた上で、画像認識をどのようにハード的に実現するかがわからず、断念した記憶があります。ネットがないので、限られた技術情報しか得られない環境でしたので。
   今考えると、すでに、当時では考えもしなかった、携帯電話で、「TV電話」をするという事も可能であり、だれもが、携帯かパソコンで、TV会議が自由にできるようになり、当たり前のように「背景画像」を隠す、ぼかす、更には、お気に入り画像にしてしまうなどという事になっていますので、もし、この特許を出願していて特許成立していたら、かなりのインパクトになっていただろうと妄想せざるを得ません。
   しかし、別の角度で、冷静に見ると、当時出願し、特許成立していたとしても、特許の有効期限は、20年なので、現在のTV電話普及よりもかなり早い段階で、期限切れになっていたと思います。いわゆる「早すぎた特許」になっていたと思います。
   特許戦略としては、いち早く課題を見つける重要性と共に、いつ出すのが良いかという事を示唆する話題かと思います。

   冒頭述べましたが、集中講義:「出来るエンジニアのための特許講座」開講しますが、今回、大学生・高校生は、無料(オープン価格)としましたので、これからエンジニアを目指す方々にも、是非、参加してもらえればと思います。

ご興味のある方は、遠慮無く、まずは、ご連絡ください。
・連絡先:tripleislab@gmail.com

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