米国での詐欺がきっかけで不動産テックサービスを開発した話
みなさん、初めまして。株式会社トリピア代表の塩崎大地と申します。「プレンティー」という、大家さんと入居者が直接繋がれる賃貸プラットフォームを開発、提供しています。
僕たちが今作っているサービスは、#2年縛りなし#仲介手数料なし #家具家電付き という特徴を持った、大家さんと直接取引ができる賃貸プラットフォームです。簡単に説明すると、賃貸版Airbnbとも言えると思います。
僕らがなんでこのサービス開発をするに至ったのかについて書いていくので、少しでも共感してくれる人がいたら嬉しいです。
無知すぎた海外大生時代
僕は、高校卒業後すぐに渡米しコミカレなどを経由してアメリカのUC Berkeleyという大学に在籍していました。当時は、世の中のことなど何も知らないただの若者で、海外での長期間生活するのが初めてなのはもちろん、実家を離れ一人で生活すること自体が初めてでした。
日本では特に不満も問題もなく、ただただぬくぬくと過ごしていました。もちろん世の中の仕組みや社会がどう動いているのかなんてこれっぽっちも知りませんでした。機会に恵まれ幸運にも海外の大学に行けましたが、それ以外はごくごく一般的な世間知らずな大学生でした。
(のんきに過ごしてた僕)
人生初の家探し
そんな世間知らずの僕でも、渡米するにあたって、生きるためにやらないといけないことがありました。それは、家探しです。当時僕は、エージェントという家探しを手伝ってくれる人がいるだとか、家賃相場がどれくらいだとか全く知りませんでした。何も知らない中どうにかしないといけないと思った僕は、とりあえず手当たり次第家を紹介するサイトを検索して見つけてみました。
米国でまんまと詐欺に引っかかる
検索で見つけたのは、街の掲示板みたいなサイトでした。そこには色々な人が自分の家を掲載して、仲介会社などを使わず直接入居者を募っていました。
そこから自分の住みたい条件やエリアなどで絞っていくと、なんとぴったり、いやぴったり以上の家が見つかったんです。海から徒歩5分の二階建ての一戸建て。プールも付いて、家賃も$1,500ドル。友達と割り勘すればそんなに高くない!これなら毎日サーフィンできるし、ドラマみたいな生活ができる!最高じゃん!と思い、ワクワクしていました。(普通の人なら、ここで「え?なんか怪しくない?」って思うのかな。)
他の人に取られまい!と、すぐさまサイトからオーナーに連絡をとると、すぐに契約ができるとのこと。物件の写真を送ってくれたり、契約の流れなどを詳しく教えてくれ、親切なオーナーに繋がれた!と思っていました。
いざ、お金を払う時になると、オーナーから、
「ギフトカードで家賃払って。」と。
僕の中では、「え?なんで?」と少し懐疑的に。ここで、やっと少しずつ怪しくなってきたので、契約する前に一度はちゃんと直接物件を確認することに。すると、なんと、、、そこにはすでに別の人が住んでいたんです。そのことを、今まで連絡していたオーナーに伝えると、急に音信不通に。そこでやっと気づいたんです。これは詐欺だと。サイト上でこの物件を掲載していた人は、オーナーと偽って初月家賃を取ろうとしていたんです。
裁判沙汰に。。。
「こんなことって実際に起きるのか〜。世の中ってめっちゃ怖いじゃん。」と思い、気を取り直して別の家を探すことに。次の物件のオーナーはしっかり家の中まで案内してくれ、家周辺に何があるか紹介してくれたり、難しい契約書の中身を一緒に確認してくれました。そして、なんとか入居することができました。
生活も何も問題なく、ちゃんとしたオーナーに出会えてよかったと思っていました。しかし、、、いざ退去するときに問題が発生しました。
退去時に色々とイチャモンをつけられ、退去費用として家賃二ヶ月分を追加で請求されました。もちろん払うつもりもなく、払う理由もなかったです。この際に、裁判沙汰になり、かなりの時間と費用を費やすことになりました。結果、裁判には勝ちましたがそのオーナーとは音信不通になってしまい、裁判費用やデポジットは返金されませんでした。
いや〜、住まいってほんと難しすぎる。。。
闇が深い不動産業界
住まいは、生活の基盤となるとても大切な要素なのに、なぜこんなにも難しいことだらけなのか。調べてみると、不動産業界特有の情報の非対称性と、昔から変わっていない商習慣にあることが分かってきました。
人生のうちに何度も引っ越しをしている人なら問題ないかもしれないが、普通の人は引っ越しなんてしょっちゅうするようなことはない。初めてひとり暮らしする人からしたら、分からないことだらけでしかない。敷金て何のためにあるの?礼金て何?保証金と敷金の違いってなんだっけ?こんなことばかりです。
2年縛りをなくしたい!
僕は、たくさんある課題の中でも2年縛りの契約形態が残っていることに強く疑問を感じました。最近では、最近では、人々の生活習慣や人生設計も大きく変わり、一つの家に住む期間は以前と比べ短くなってきています。ホテル暮らしやアドレスホッパーも増えてきて、多拠点生活する人も。現代の生活スタイルに合っていないにも関わらず2年縛りが残っており、解決すべき課題だと感じました。あるリサーチでは、2年以内に退居する入居者は全体の25%以上いることが分かっています。
そもそもなぜ2年縛りがあるのか。不動産業界の知識が全くない僕は、まず不動産業界の仕組みと商習慣を一から勉強する必要がありました。そんな中分かってきたのは、大家さんの入居者募集にかかるコストが高すぎること。一人入居者を集めるために大家さんが払っているコストは、、、
なんと、、、家賃4ヶ月分!!!
になることも。これでは、大家さんとしては入居者に長く入居してもらわないと赤字になってしまう。
大家さんにヒアリングをしていく中で、
「募集にかかるコストが下がるなら、2年縛りなんて廃止してもいい。」「入居者がそれを求めてるなら廃止したい。」
と、大家さん達の本音を聞くことができました。
そこで、不動産屋さんに依存しなくても募集をすることができれば、大家さんはコストダウンができるし、ユーザーとしても、2年縛りなしで入居できる。ここから、大家さんと入居者が直接繋がれる賃貸プラットフォーム「プレンティー」を開発するにいたりました。(よかったらチェックしてね。)
最強のメンバーで
住まいは、人生の基盤となる要素で、かなりの時間を過ごす場所です。そんな大事な場所でサービスを提供できるのは、一人の起業家としてとても光栄なことです。ただ、不動産業界は巨大すぎる。業界の仕組みもかなりレガシーで複雑。
そんな業界に一緒に挑んでくれるメンバーを紹介させてください。写真左はイタリアンシェフ🍝からエンジニアに転職してきた異色な経歴のゆっきー。実はプレンティーを作る前にやってたサービスを開発してる時に参画してくれました。参画してすぐにピボットすることになっちゃってごめんね。そして、高校生の頃からの友達で頭脳がずば抜けてるスーパーCTOのあろー。もう、尊敬と信頼感がやばい。なんでもできちゃう系男子。ピボットしてもついてきてくれた最高の仲間。あ〜僕は運が良すぎる。
(左から、ゆっきー、僕、あろー)
最後に
こんなに大きな産業ですが、信頼しているメンバーと共に、少しずつ、着々と新しい価値を提供していきます!どんなに無理と言われてもやり遂げます!ここまで読んでいただきありがとうございました!まだまだちっぽけな僕らですが、
今後の僕らをお楽しみに!!
It seems impossible until it's done. by Nelson Mandela
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