現場を見て、現場で対応する~知識があるが故に陥るミス~
こんにちは。PMPの旅渡です。
今回はPMBOKやプロジェクトマネジメントの知識やセオリーを知っているが故に陥るミスについて触れたいと思います。
チームリーダーやプロジェクトに携わる場数が増えてきたり、PMPなどのプロジェクトマネジメントの資格を勉強すると、プロジェクト運営のあるべき論のような知識が身についてきます。
周りのメンバーはそんな知識が皆無でめちゃくちゃな動きをして効率が悪かったり、全く回っていなかったりするかもしれません。
そんなときに自身の持っている知識、PMBOKなどに当てはめて対応したくなります。プログラミングでもそうですが、曲がりなりにも動いている物に対して、無理にセオリーなどを当てはめてより効率よくしようというのはやらなくて良いです。ムダに軋轢を生むだけでうまくいくことは、あまりないように感じます。
今よりパフォーマンスを数倍に上げないといけないなど大きな舵を切る必要性が出てメンバーもそれを自覚するまでは動いている物を変えようとしない、というのが現場対応から得た経験です。
プロジェクトマネジメントとは少し離れますが、具体例をひとつ挙げると、あなたは日常的に運転に慣れている人が運転する車に同乗しているとします。あなたは教習所を出て免許を取ったばかりばかりとしましょう。
運転者は最新の交通規定にアップデートされておらず、いくつか法律改定された部分の知識がないかもしれません。あなたはその場では誰よりも最新かつ正しい知識を持っています。
同乗している車で運転者に対して、「左に寄り足りてない」、「指示器が遅い」、「もっと目視が必要」、「一旦停止していない」「スピード出しすぎ」と事細かに指摘するとどうなるでしょうか。今回目的地にたどり着けても、二度と同じ車に乗せてもらえないかもしれません。時間までに目的地にたどり着けないかもしれません。指摘事項に反応していつもとペースを乱され、逆に事故を起こしてしまうかもしれません。
運転という実作業に関してはあなたよりベテランの人はいくらでも居ます。作業をジャッジするのではなく、目的地にたどり着く為にアシストをすることに注力すべきではないでしょうか。教科書通りに現実を型にはめるのではなく、目の前ので起きていることの特性を見据えてその場その場で対応を取ることが望ましいです。
知っているが故にあれこれ口も出したくなりますが、そこはぐっと堪えてもっと全体を捉えるように心がけましょう。PM警察になってしまうのが最も良くないです。チームのパフォーマンス低下の原因につながりますし、情報があなたに入らなくなっていきます。