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旅する薬剤師 誕生ストーリー

まず最初に、このnoteは旅する薬剤師の運営メンバー(ゆう)が自画自賛を交えながら主観たっぷりで書き連ねていくことを断っておきたい。

2021年1月、薬剤師業界に革新的なサービスが立ち上がった。

それが ”旅する薬剤師” である。

それまでも薬剤師の人材紹介・人材派遣サービスは数多く存在したが、都心薬剤師と地方薬局のマッチングに特化した、いわゆる薬剤師ワーケーションは本サービスが初であった。

旅する薬剤師というサービスはどのように始まり、現在の規模にまで拡大したのか(2024年6月末時点:登録薬剤師600人)

今回は、旅する薬剤師の立ち上げストーリーを深掘りしていきたいと思う。


◼︎代表の想い(ウェルビーイング”工場”)

葛藤を抱える西井

2021年1月、代表の西井にはある葛藤が募っていた。

別の事業で、地方自治体の依頼を受けて町おこしに関わる機会が増えていく中で、「地方の薬局は薬剤師不足が深刻」「募集をかけても全然人が集まらない」そんな声を聞くことが少なくなかった。

自身のアイデンティティでもある薬剤師の視点から、地方への人の呼び込みに貢献できないか考えた時に、”旅する薬剤師”の着想を得た。

ちなみに西井は生粋の旅好きで、趣味はヒッチハイクという変人である(自称しているのでこれを読んでも怒られないはず…)

自身が旅を通じて人生が豊かになった実体験から、薬剤師も旅を通じてウェルビーイングに働く機会を提供したいと考えたそう。

人口問題に関して、現代は人材を奪い合っているイメージがあるが、そうではなくて”旅”という流動的な行動を起点に、人が循環することで経済効果を生みたいというのが発想の原点となっている。

旅する薬剤師では”ウェルビーイング(心身の健康や幸福)工場”を理念に掲げ、薬剤師にとっても、薬局にとっても、地方にとっても良い環境を創っていくことがミッションだ。

これまで実際に全国各地に 「旅薬師*」 が誕生し、
薬剤師からは「旅感覚で地方へ働きにいくことでその土地や人だけでなく、薬剤師という仕事の魅力も再発見できた。」「今まで経験してきた職場の中で最高の環境だった。こんなに楽しく働けて自分にぴったりの薬局に出会ったのは初めて。勤務期間が終わって離れてしまうのが名残惜しい。」

*旅薬師:旅する薬剤師の略語であり、西井による造語である

地方薬局・病院からは「ギリギリの人員で回していたところに、旅する薬剤師が来てくれたおかげで、現場薬剤師に心の余裕が出来、働き方にゆとりが生まれて助かった。」「都心の薬剤師が来てくれたことで、他の薬局のやり方を知れる機会にもなり、刺激になった。」
など、嬉しい声が続出している。

余談ではあるが、旅する薬剤師の理念をウェルビーイング ”向上” ではなく、あえてウェルビーイング ”工場” にしているのには訳がある。

運営理念を決めたのは立ち上げ初期のメンバー会議の時だが、案を出す際に西井がタイピングの変換を間違えて ”向上”を”工場” と打った。

入力しなおそうとしたが、「ウェルビーイングが向上する仕組みを作る、生み出す意味の工場ってええやん」とメンバーが言い出し、晴れて「ウェルビーイング工場」という理念が誕生したのである。

(ちなみに西井はダジャレ好きで、採択した本人が一番気に入っている)

では、そんなクリエイティビティに溢れるメンバーはどうやって集まったのだろうか。

◼︎メンバー集め(イマドキ!?な起業方法)

旅する薬剤師における、西井のメンバー集めは非常にユニークであった。

西井以外のメンバーは下記の通り。

◼︎あらふね
◼︎ちかぴざ
◼︎らいん
◼︎ゆう
◼︎(元メンバー)ぷんすけ

次回以降のnoteで、各メンバーの自己紹介も詳しくしたいと思う。

SNSを使った超イマドキなメンバー集め

らいんは西井と同じ大学の同級生、ちかぴざは西井と学生インターン時代からの知り合いであるが、あらふね と ぷんすけは西井のX(旧Twitter)での投稿を見てジョイン。

ゆう(私)は以前西井とX(旧Twitter)上で多少絡みがあり、DMでお誘いを受けておもろそうだったので、半分なんのこっちゃのまま参画した。

つまり、半分以上のメンバーがSNS経由でのジョインなのである。

確かに、SNSの繋がりはリアルよりもゆるいものではあるが、普段の投稿内容から人となりもわかるし、価値観の似たような属性の人も集まりやすい。

オシャレなカフェでの1枚

メンバーは東京、大阪、福岡と全国に散らばっており、変わった働き方をしている薬剤師も多い。

医療系スタートアップでマーケティング担当、MBA保持の薬剤師、フリーランスのwebマーケター、MR、芸人など多岐にわたる。

事業ミーティングはみんなの仕事終わりの20時以降が多いが、全員で視座を揃えて物事を考え、自発的に動ける良いチームだと自負している。

西井曰く、「薬剤師免許取得を目指して努力してきた背景も同じであり、資格に縛られた葛藤を多少なりとも持ち、結果的に違う道を選んだという、ちょっと変わった素質も共通するため、おそらく価値観が似るのだろう。そのあたりがメンバーと仲良くやっていけている理由の一つだと思うし、今のチームの有難みをとても感じている。」とのこと。

良き仕事は、良きチームメンバーと共に創っていくものである。

とはいえ、最初から全てが順風満帆だったわけではない。

◼︎法規制に熱量の空回り…ビジネスコンテスト優勝までの道のり

キックオフミーティング

西井の奇策によってグッドなメンバーが集まり、我々は毎晩のように熱い議論を交わしていた。時には3〜4時間に及ぶ日もあり、それくらいみんなの熱量は高まっていた。

ただ、思うように事業が進まない。法的な規制の問題もあれば、まだまだスタートアップのタの字くらいであったため、薬剤師も求人企業もなかなか集まらなかった。

事業を立ち上げるのは簡単だが、きちんとマネタイズできなければ存続は難しい。

西井は決断した。
「ビジネスコンテストに出よう」

ビジネスコンテストとは、個人やチームのビジネスプラン・アイディアをビジネスに精通する専門家が審査する大会だ。 審査に通って勝ち進むと賞金や特典を得られ、起業や新規事業の立ち上げに弾みをつけられる。

ビジコンへの出場を決めてからは、事業の進むスピードも加速した。

みんな笑顔が素敵

2021年3月には富山県の薬局・病院で実証実験

今ではここが旅薬1番人気の薬局となった

2021年4月には長崎県の薬局で実証実験

熱いプレゼン中の西井

熱量の高さから、メンバー同士の意見が衝突することもあったが、実証実験が評価されて順調にビジコンの審査もパスし、決勝へ。

なんか社員旅行みたい
新聞にも大々的に取り上げられた

結果は…なんと優勝。西井のプレゼンが熱くなりすぎて、終盤時間が足りなくなるというハプニングに見舞われつつも、地域医療と地方創生を絡めた斬新なアイディアが高く評価された。

ビジコンの優勝によって賞金も得られたが、一番の収穫は何よりもチームメンバーの絆と熱量が更に高まり、事業の推進に弾みがついたことだ。

なにわのビジコン賞金女王

ちなみに西井はメンバーに内緒で色んなビジコンに出場しており(メンバーには事後報告)、数々の賞金を獲得して事業の活動資金にも当てている。

もはや、”なにわのビジコン賞金女王”である。

旅薬はここから始まった
全国津々浦々で薬局見学ツアーも開催している

その後、Yahooニュースや日本経済新聞など、さまざまなメディアに取り上げられ、旅する薬剤師の認知度は大きく向上し、現在の規模にまで事業が成長した。

以上が旅する薬剤師の誕生と変遷のストーリーである。
ここでは書ききれない波瀾万丈な話は山ほどあるが、それはまた別の機会に。

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NEWRON株式会社 旅する薬剤師担当(西井)
E-mail: info@new-ron.com


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