見出し画像

終演レポート "ハプニング"編

こんにちは。Trio Lila第1ヴァイオリンの北川瑶夏です。
学校の授業がひと段落し、おうちではよくiPadでNetflixやお絵かきを楽しんでいます。

 今回は演奏にも趣味にも欠かせなくなったiPadで演奏会の準備中に起きたハプニングについて書いていきたいと思います。
昨年5月にTrio Lilaの活動を見越して購入したiPad。紙媒体だとかさばる楽譜を電子化し、データから即座に楽譜を引っ張り出して演奏できる利点があります。1台持っているととっても便利。はじめは使い慣れた紙の楽譜の感覚との違いに戸惑いはあっても、扱いに慣れてくると欠かせないアイテムとなりました。
特にヴァイオリン奏者としてありがたい点は、譜めくり問題が解決されたこと。ヴァイオリン奏者は楽器を両手に持って演奏するため、楽譜をめくるタイミングに十分な休みがない限り演奏中に楽譜をめくる事ができません。そのため、楽譜の出版前の編集段階でページ終わりの小節に休符を配置したり、楽譜が3枚綴りになっていたり、譜めくりができるだけ演奏者の負担にならないように出版社がさまざまな工夫を凝らしています。
一方で、iPadを使った楽譜のめくりはBluetoothで接続されたペダルで行います。譜めくりのタイミングで足元のペダルを踏むことでiPadの画面上に次のページが表示されるようになる仕組みです。これによって新たな曲に取り組むときの「譜めくりは無事できそうか問題」に関してのちょっとした心配がなくなりました。めくることを諦めて譜面台から横にはみ出す3枚綴りの楽譜を見ることも、わずかな休符に速攻で譜めくりする負担からも解き放たれることになったのです。

しかし、実は第2回演奏会の2日前にこのペダルに関連して非常に心臓に悪い事件が起きていました。昨年末、26日の演奏会に向けて私たちTrio Lilaの3名はクリスマス返上で練習や準備に取り組んでいました。運営会議と練習を交互に重ねながら楽しく準備を進めていた24日の夕方頃、突然私のペダルが機能しなくなったのです。ペダルには踏むための部分と3つのボタンが搭載されていますが、どこを押しても反応なし。iPadからペダルに呼び掛けても反応なし。電源ボタンが機能せずペダルの強制終了もできない。電源に繋いでも一切反応なし。何をしても表情を変えないペダルを前に途方に暮れました。

この時点で演奏会まで1日半。曲は仕上げの段階に入り、プログラム全体を通すリハーサルを目前に控えていました。iPadはペダルを使わなくとも”チョンッ”と触れば楽譜をめくることができるため紙より負担はありません。とはいえ、演目に休符がほぼ皆無な曲を抱えている私の前には譜めくりという問題が出てきてしまったのです。
そこで立ち上がったのは我らがTrio Lilaの頼れるお姉さま、鈴音ちゃん。25日まで鈴音ちゃん宅の練習室にお邪魔する予定だったため、オンラインショップで即座に発注してくれました。
このようにして演奏会前日の25日、クリスマスイブにも関わらず素早い対応をしてくださった鈴音ちゃんとAmazon様のおかげで無事に新品のペダルが手元に届きました。演奏会は無事に譜めくりのハプニングはなく開催できたものの、ペダルが動かなくなるトラウマから単4電池を2つ隠し持って舞台に上がっていました。

iPadと新品のペダル

iPadや便利な道具があっても、もし演奏会当日の演奏中に反応しなくなったら? 機械ならではのハプニングを経験し、どんなに便利になってもやはり暗譜に勝る対処法はないと練習に励む毎日です。

いいなと思ったら応援しよう!