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妥協したと思った相手の方が格上説
「妥協した相手」の方が格上だという話
Trinity Marriage カウンセラー 柴(しば)より
婚活や恋愛の話をしていると、時々耳にするのが、こんなフレーズです。
• 「あっちが好きだから私が付き合ってあげた」
• 「ステータスのために結婚してやった」
• 「私は妥協して付き合ってあげたんだけど…」
こうした「してやった」「妥協してあげた」という発言を聞くと、正直、少し悲しい気持ちになります。なぜなら、そこには相手への尊重が見られないからです。
ただ同時に、こうした話を聞くとき、私は思うのです。**「本当に妥協したのはあなたの方ではなく、むしろ相手の方があなたを見透かしていたのでは?」**と。
妥協は態度に出る
「自分が妥協した」と思っているとき、それは大体、態度に出ているものです。
• 上から目線で接してしまう
• 相手を本気で尊重せず、自分を優位に立たせようとする
• 自分を正当化するための言葉を心の中で繰り返す
こうした態度や雰囲気を、相手は意外と気づいています。気づいていないふりをしているだけで、実際にはすべて見透かされていることも多いのです。
見透かして受け入れる懐の広さ
さらに面白いのは、そうした「妥協している」という態度を、相手が気づいていながらも受け入れているケースです。
相手の懐の広さや優しさが、あなたの傲慢な態度を包み込んでいる場合もあります。これは、あなたに欠点があっても、相手があなたの成長や可能性を見てくれているからかもしれません。
この状況を考えると、実は「妥協した」のは自分ではなく、むしろ相手が自分を受け入れてくれた結果なのでは?ということに気づけるはずです。
私自身の経験から
これは私自身の話ですが、新入社員の頃、私はとても生意気でした。
「どうだ、私すごいでしょ」という態度を隠しもせず、まさに「若気の至り」を体現していたと思います。
今、中堅社員となった私が新入社員を見て思うのは、「かわいいな」と思うと同時に、「生意気な態度はわかるけれど、あえて指摘しない」という自分の姿勢です。
もし指摘するとしても、相手が傷つかないように、非常にマイルドに伝えるようにしています。なぜなら、思い上がった態度を真っ向から指摘しても、大抵の場合、それは意味を持たないからです。
実際、私は全然謙虚じゃない
ここまで書いておいてなんですが、実際の私は全然謙虚ではありません。お会いした方ならわかると思いますが、マイルドなときもあれば、すごく挑戦的なときもあります。
私はすべての女性や男性に対して、「大人しくしなさい」「控えめでいなさい」と言うつもりは一切ありません。むしろ、自己主張すべきだと思っています。
ただ、自己主張をする中でも、「周りの人が自分をどう見ているのか」「相手が自分に対してどう感じているのか」を一度立ち止まって考えてみることも重要です。
挑戦的であることと傲慢であることは違います。自分を押し出しつつも、周りの視点を意識することで、より魅力的な自己主張ができるようになるはずです。
周りが大人であるということ
思い上がった考えを持っているとき、実は周りが大人であることが多いのです。
• あなたの未熟な部分を見抜いている
• それを許容し、成長を待っている
妥協や「してあげた」と思っているときほど、周りの人の態度や懐の広さに気づけると、自分自身の思い込みや視野の狭さに気づくきっかけになるかもしれません。
深呼吸して、周りを見つめ直そう
いささか乱暴に聞こえるかもしれませんが、もしあなたが「自分が妥協してあげた」と思っているなら、一度深呼吸してみてください。そして、こう問いかけてみてください。
「周りの人は、自分のことをどう見ているのだろうか?」
もしかすると、その答えは、あなたが今感じているものとは違うかもしれません。
謙虚である必要はないけれど
誤解のないように伝えておきたいのは、これは「謙虚になれ」「身の程をわきまえろ」という話ではありません。
むしろ、「自分が妥協した」と思っているその瞬間に、周りの視点を意識してみようという提案です。視点を広げることで、自分がどれほど周囲に支えられているか、気づくことができるはずです。
最後に
「妥協してあげた」と思っていた相手が、実はあなたを受け入れてくれた懐の深い人だった。
そんな気づきが得られたとき、あなた自身の視野も広がり、考え方が変わるかもしれません。婚活や恋愛、仕事や人間関係において、自分の態度を振り返る機会を持つことで、より豊かな関係を築けるようになるでしょう。
挑戦的であれ、自己主張を大切に。ただ、時々深呼吸して周りを見つめ直すことも忘れずに進んでいってください。
柴
Trinity Marriage カウンセラー