【ネタばれしかない】ターミネーター:ニュー・フェイト
※この記事は、「ターミネーター:ニュー・フェイト」のネタばれをふんだんにふくんでおります。ネタばれがお嫌いないな方は、そっ閉じでお願いいたします。
「ターミネーター」シリーズ誕生35周年記念作の「ターミネーター:ニュー・フェイト」。
オランダでも本日から公開されたのですが、ちょうど都合の良いタイミングがあったので早速劇場に行きました。
第一作目が公開された公開されたのは1984年。
当時私は小学生だったので、映画館には行きませんでした。テレビの「金曜ロードショー」的な放送で見た記憶があります。
世界的大ヒット作になった第二作目「ターミネーター2」 (原題: Terminator 2: Judgment Day)の1991年は高校生でした。この時は、友人と映画館に行って観ました。
普通の女性だったサラ・コナーが、強い女性になっていたことに静かな興奮を覚えましたね。そして、エドワード・ファーロング君の憂いを帯びた美少年ぶりにも魅せられました。
その後も「ターミネーター」はシリーズものとして、追加で3作あったそうですね。けれど残念ながら、食指が動かずこの3作は観ていません。ごめんなさい。
そして、満を持しての「ターミネーター:ニュー・フェイト」。これは、予告編を見たときから「絶対に観よう」と決めていました。だって、元祖リンダ・ハミルトン姐さんがサラ・コナー役に復帰してるんですよ?あれだけの当たり役だったのに、3作目以降は「ドラマ性が無い」とオファーを断っていた彼女の復帰作です。脚本にも期待が高まるじゃないですか!
で、観ての感想なんですけどね。
ハリウッドの35年かけた、価値観のアップデートを目撃しました。
そもそもサラは、人類抵抗軍の指導者ジョン・コナーの母親だったから命を狙われた訳です。重要なのはサラ自身ではなく、「ジョンの母親」だったから。
もちろんその後、サラ自身は肉体や精神の鍛練を重ね、強い女性になりました。でも、きっかけは「ジョンの母親」であったこと。
それがね。今回のキーパーソンになるダニという女性は、「誰かの〇〇」というポジションじゃないんです。最初は観客にも真実が明かされていないから、「ああ、また誰かの母親なのかな」と思わせるんですよ。劇中では、サラもそう勘違いしていました。「かつての私と同じだ」と。
物語の序盤こそ、「弟の姉」「父の娘」という演出をされるんですが、それがどんどん「ダニ」という彼女自身の強さがクローズアップされるんですね。
そして中盤以降、(ターミネーター2で運命が変わった世界線での)「人類抵抗軍の指導者になるのはダニの子供ではなく、ダニ自身」と明かされるんですわ。
サラも「彼女はジョンなんだ」と、思わず感嘆するんです。
これ!!
ハリウッドの35年後のメッセージですよ。
「女性は、誰かの家族や恋人としてではなく、自分自身で運命を拓ける」
という価値観のアップデートをガツンとぶつけられましたね。
私、ここで泣きました。
実はこの映画、原題の副題は「Dark Fate」(暗い運命)なんですよ。でも、今回は邦題の「ニュー・フェイト」(新しい運命)に軍配を上げたいと思います。
そして、ダニを守る存在として未来から送り込まれるのも、グレースという女性。
この人も、強くて本当にかっこいいんです。
2042年の未来からきたグレースは、実はダニの養女でした。
審判の日以降に孤児となったグレースをダニが引き取り、育て上げていたのです。そんな個人的な恩義もあり人類の希望でもあるダニエラを守るために、グレースは2020年にやってきていたのでした。
ダニ、グレース、サラ・コナー。
女性たちのタフさと強さがまぶしい……!!
それぞれの仁義で戦い、お互い助け合う超いかしたシスターフッド映画でした。
本当に観て良かった。
最高にエンパワメントされました。是非また観たいです。
そして。
これは、全くの蛇足なんですけどね。
エドワード・ファーロングもスクリーン復帰ということで超期待していたんですが、なんとも意外な出演でした。
いまここまで記事を読み進んで下さった方々はネタばれを厭わない方だと信頼して書くんですが、なんと1998年(ターミネーター2の世界線から3年後)にはジョン・コナーは殺害されてしまったんです。
エドワード・ファーロングは、この17歳頃?の設定でワンシーンのみの出演でした。しっかり少年の風貌だったので、CG処理されてるんですかね?その場面ではサラ役のリンダ・ハミルトン姐さんも30代くらいに若く撮られていたので、何らかの加工がされているんだと思います。
実際のエドワード・ファーロングは、あの頃の面影が既に無くなってると聞き及んでいるので、なんだか初恋の人と一瞬すれ違えたような感慨を覚えました。
ジョン・コナーよ、永遠に……!
For John(劇中での重要なキーワード)
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