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オランダの小学校における宿題の必要性
オランダ在住邦人であるツイ友さん(ツイッター友達)が、興味深いツイートをされていたので紹介したいと思います。
アイルランド在住の友達と放課後子供達がどう過ごすかを話していたときに、オランダでは友達とのプレイデートが多いけど宿題いつしてるの?と聞かれた。宿題が出るのは中学生からが多いって聞いたから、小学生は宿題無いみたいだよって答えたら、すごく驚かれた。
— 中川 朋美 (@tomominakagawa) November 19, 2020
確かに自分の小学生時代も必ず複数教科で宿題あったし、フランス育ちの夫も同じ。オランダは宿題無くてもちゃんと学力つくのかなと調べて見たら、誰が宿題から利を得るのかというリサーチに行き当たった。https://t.co/TmXwEHgnO4
— 中川 朋美 (@tomominakagawa) November 19, 2020
これによると、低学年で宿題から得るパフォーマンスの向上は宿題が無い子よりも12%高く、それも親が高学歴で子供の宿題を手伝ってもらえる子供がメリットを得ていると。宿題を課された場合、逆にそうで無い家庭環境の子との差が開いて、不平等が生まれると。
— 中川 朋美 (@tomominakagawa) November 19, 2020
確かに親が家にいて宿題を教えてあげる時間が作れる人と、例えばシングルマザーで仕事が忙しく、あまり時間をとることができない家庭とで差が出てくるのは当然。それで、オランダではまだ小さい歳からそうした不平等を生じたく無いため宿題を出さない、というのが結論らしい。
— 中川 朋美 (@tomominakagawa) November 19, 2020
結局宿題が無くてちゃんと学力がつくのか、と言う私の疑問は残ったままだけど、不平等を生まないって言う考え方はとてもオランダらしいなと思った。特にアジアは小さい頃から学力を重視されて、親も子供もプレッシャーがあるから、そう言う意味ではオランダは楽。競争するって概念が薄い。
— 中川 朋美 (@tomominakagawa) November 19, 2020
宿題の必要性
オランダでは教育の自由が保障されているので、小学校ごとにどのような教育法をとるか自由に決めることができます。そのため、「どのように勉強するか」も学校ごとに異なるのです(保護者が事前の見学会などで教育方法を確かめ、納得したうえで入学する)。
けれど多くの学校では、「宿題はない」「ほとんどない」と言われています。あったとしても、(自宅での)勉強量が一気に増える中学校以降とのギャップを埋めるため、高学年になって「慣らし宿題」が出る程度のことがほとんどのようです。
先ほど紹介したツイートの方にリアクションした時に
「宿題の必要性は感じましたか?それとも学校でカバーする内容で充分でしたか?」
とうちの子どもの小学校生活に関して質問されたのですが、これも難しい質問だと感じました。
順を追って説明します。
テーマ教育
例にもれず、うちの子供が通った学校も「宿題がほとんどない」小学校でした。高学年になってから、英語や地理のテスト前にテスト範囲を自宅学習しておくように言い渡されるくらいでした。
英語はともかく、地名(オランダ国内および欧州各国)は強制されないと覚えないと思うので、これはあってよかったと考えています。
計算問題や単語書き取りみたいな宿題は皆無でした。
そもそもうちの子供の通った小学校は「テーマ学習」というスタイルをとっていたので、宿題を出しにくかったのかもしれません。
これは数週間ごとに学びのテーマを決め、それに沿ってさまざまなことを膨らませて学ぶスタイルです。「大航海時代」「宗教」「健康」といったようなアトランダムなテーマがその時々で設定され、それにまつわる歴史を学んだり、関連する絵を描いたりクラフトを作ったり、関連する歌を歌ったり、班に分かれて劇を上演したりするのです。
とても面白そうな反面、親が何をサポートするべきなのか分かりにくかったですね。事前に子供を図書館に連れていって、関連書籍を借りたりはしましたが、逆に言うとそれくらいしかできませんでした。
なので、先ほどの「宿題の必要性を感じましたか?」という質問の回答は「分かりません」となってしまいます(笑)
先生との面談の時間
でも年に2回、学校ではない民間業者が実施する定期テストの受験も義務化されています。小学校がどんな勉強法を施していても、そのテストを受けることで生徒が計算や読解力などで年齢相応の学習内容を理解しているか知ることができるのです。
そこで見つかる「計算が苦手」とか「国語(オランダ語)のスペリングが苦手」といった分かりやすい部分なら、学校に相談しやすいかもしれません。
小学校から年に3回、先生との面談を持てるので、そういう時に個別に勉強の進め方の相談もできるのではないでしょうか。対応してもらえるかは学校次第ですが。
オランダの小学校は子供がのびのびと過ごせる一方で、(何かを補って欲しいなどの)要望があるなら親がしっかり訴えていく必要はあると思います。
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レギュラーで書いている主な執筆媒体のご紹介です。
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「現代ビジネス」(不定期掲載)
http://gendai.ismedia.jp/list/author/naokokurata
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