【無料記事】オランダの政治における男女比率
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最近、和田靜香さんの新刊「50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと」を読み始めました。神奈川県の大磯町をモデルケースとしてパリテ(ここでは町議会議員を男女同数とすること)や市民の政治参加などについて語られおり、非常に興味深く読みました。もし私が何らかの理由でシングルで日本に戻ることがあるなら、大磯町に住んでみたいと感じるほどに魅力的な場所です。そんな場所で何か自分にできることをやれたらいいなと思います。
そしてふと疑問に思ったのが、私が今住むオランダのパリテ達成率。市議会はどのような状況なのだろうと考え、実際に調べてみました。
オランダの市議会の男女比率
まず最初に調べたのが、市議会の男女比率。女性の政治参加を後押しする団体のHP(※参照ページ1)を調べたところ、以下のような数字が挙げられていました。一部編集を加えながら抜粋します。
とのこと。31%なので3割越えはしていますが、5割以上なのは7自治体のみなのでやはり少ないと言わざるを得ません。
ちなみに女性比率が高いフリースラント州はオランダの北東部に位置する州です。35%とのことなので、州単位でみると、女性議員比率は3分の1を超えていますね。逆に女性議員が少ないと書かれたリンブルフ州は最南端。ベルギーとドイツに挟まれた細長い州になります。南北で結果がわかれたということは興味深いです。
市長の男女比
では、市のトップである市長の男女比はどうでしょう。オランダ市長協会なる組織のサイト(※参照ページ2)によると、現状は以下のようになっています。
そして他の媒体(※参照ページ3)を読んだら、面白い記述に遭遇しました。
えーっ。市議会で女性議員が多いと言われていたフローニンゲン州ですが、女性市長は少ないんですね。先ほどの市長協会のサイトが言っていた「市議会議員→市長」のコースに上手くはまらなかったのでしょうか。
そしてこれまた女性議員の数が少ないリンブルフ州は女性市長の割合は高いと。
になみにオランダの市長は直接選挙ではなく、市議会によって選出(指名)されます。この選出フローに、市議会議員と市長の男女比逆転現象のカギがあるのでしょうか。でもそれが何故起こるのかは、私にもまだ分かりません。
ちなみにこれは余談ですが、市長協会のサイトの別ページ(※参照ページ4)に、以下のような表記がありました。
すごい、市長の任命過程に王様が!壮大ですね。
国会議員の男女比
市政から国政にスケールを上げてみましょう。オランダは二院制なのですが、そのうちの下院議員の女性比率を調べてみました。議会公式サイト(※参照ページ5)には、以下のように書かれていました。
150人中57人なので、国会(下院)の女性比率は38%ということになります。ちなみにオランダに初めて女性国会議員が誕生したのは1918年で、1977年以降になって初めて約20名になり、1991年には約40名に増加。1997年には150名のうち3分の1が女性となったそう。やはり3分の1を超えるというのは、大きなマイルストーンですね。
内閣の男女比
更にさらに、内閣の男女比も調べました(※参照ページ6、7)。実はオランダは2023年11月末に解散総選挙が控えています。けれど現行内閣は、初めて女性閣僚の数が男性閣僚の数よりも多くなった内閣なのです。スタート時は48%だったのですが、男性大臣辞任などにより、29人中15人(11人の大臣と4人の国務長官)が女性になるという記念すべき期になりました。パリテ達成!
次期首相はどんな方になるか分かりませんが、ぜひこの男女半々内閣の風潮は引き継いでいって欲しいと思います。
そして、実はまだオランダの近代史に誕生したことのない女性首相。正直次期選挙では難しいかもしれませんが、ぜひ多様性達成のために近い将来成し遂げて欲しいと思います。
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